少子高齢化がますます進む日本において、「介護」は社会問題にもなりつつあります。その介護に、ITの力でメスを入れるのが、株式会社Rehab for JAPAN(以下、Rehab)です。
介護の領域にテクノロジーを取り入れ、デイサービスの機能訓練業務を効果的に行えるクラウド機能訓練ソフト「リハプラン」などの開発を行っているRehabですが、なかなか「介護×IT」のイメージがつかないという方も多いのではないでしょうか。IzulではそんなRehabの採用をサポートさせていただいています。Rehabの事業内容や、Izulに期待するサポートなどを、取締役副社長COO 池上さんと、人事担当執行役員 平野さんに伺いました。
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<プロフィール>
池上 晋介 (いけがみ しんすけ)さん:1977年12月29日生まれ兵庫県明石市出身。大阪市立大学卒業後、NECを経て、2007年リクルート入社。 2010年より「HOT PEPPER Beauty」の統括プロデューサー、ビューティ事業ユニット長として、事業成長を牽引。サロン向け予約管理システム「サロンボード」を企画開発し、美容業界のIT化を主導。2019年10月より株式会社Rehab for JAPANに参画。取締役副社長兼COOに就任。
平野 亜里子(ひらの ありこ)さん:2002年株式会社ミキハウスにて、総務・広報・通販事業部を経験後、2007年に株式会社リクルートに入社。HR領域の商品企画・横断企画を経て、2010年よりホットペッパービューティーの事業企画、2012年より業務支援システム(サロンボード)の中長期計画策定、新機能開発に従事。2017年よりグループマネージャーとして人材育成・マネジメントを担当。2020年7月にコーポレート部部長として当社に入社。2022年6月に執行役員人事担当に就任。
續 慶一(つづき けいいち):株式会社Izul 執行役員 https://izul.co.jp/consultants/tsuzuki/
介護を変えれば、老後が変わる。もっと自分らしく生きる老後のために
ーまずはRehabの事業内容を教えてください
池上:弊社代表はもともと、介護や医療の現場で働く作業療法士でした。そのなかで、作業療法士という狭い世界の中では、高齢者をもっと元気にすることに限界を感じたといいます。介護の仕組みや介護にまつわるさまざまなことにITを組み込み、もっと高齢者が楽しく暮らせるような社会にすることを目指し創業したのがRehabです。
メインの事業内容としては、「リハプラン」というソフトウェアの開発を進めています。介護現場というと、老人ホームや介護事業所などさまざまな種類のものがありますが、そのなかでも「デイサービス」を対象としたもので、いわゆる「要介護2」くらいまでの方をターゲットにしたものになります。
デイサービスというとこれまで「高齢者をお預かりする」ことがゴールとして置かれてきました。それがここ数年、国の指針として「リハビリを取り入れ、重度化防止、自立支援をしていこう」というものに方向転換してきています。ですが、デイサービスの現場で働く人は、ほとんどがリハビリのプロではありません。そこで「リハプラン」を導入していただき、高齢者ひとりひとりに合わせたリハビリをITの力でご提案するというものです。
續:最近はさまざまなメディアにも取り上げられるようになり、Rehabの導入事業所も1400を超えるなど、躍進を続けてらっしゃいますよね。そもそも「デイサービス」に目を向けられたきっかけはなんだったのでしょうか?
池上:要介護2レベルまでの方って、自分の身体が動かなくなり始めて一番「やりたいのにできない」を経験する方々なんです。まだまだ寝たきりの生活には遠いし自分らしく生きていきたいけれど、少しずつやりたいことができなくなっていく。そんな欲求と挫折との狭間で生活されていく方々に対し、もっとテクノロジーの方面からサポートをしていこうと考えたのがきっかけです。
續:介護にITやテクノロジーを取り入れるって、これまでもあまり考えられてこなかったと思います。介入する隙間が存分にあったからこそのRehab、「リハプラン」なんですね。特にその中でも代表の大久保さんが作業療法士としてのご経験から、現場課題感の解像度の高さ、イシューを捉えているところからもサービスの違いが大きく出ていますよね。
「SaaSをやりたい」ではなく「Rehabで叶えたい」
―Izulにご依頼いただいた経緯はどんなものだったのでしょうか?
續:実は私から採用担当の平野さんに「今後の非連続な成長にあたり採用に関してお困りではありませんか」とメールを入れたのがきっかけなんです。お返事をいただけたときはうれしかったですね(笑)
平野:そうなんです。Rehabは事業拡大と比例して、採用にも力を入れているフェーズなのですが、なかなかよい方と巡り合えず頭を抱えていました。そんなときに續さんからメールをいただき、「なんかよさそう」という直感からお話を伺いたいとご連絡。今に至ります。
續:おそらく毎日のように採用エージェントから営業メールが届いているであろう平野さんなのに、お返事をいただけたのは光栄です! 事業拡大フェーズだろうという予想はついていましたので、あらかた「こんなポジションほしいだろうな」という目星はついていました。ただ、難しいのはやっぱりRehabがやっている業界そのもので……。おそらくRehabが求めている20代~30代の求職者にとって「介護」ってまだまだ遠い存在ですよね。
平野:ITやSaaSというと聞こえはよいですが、ただ「SaaSをやりたい」という方々は私たちの事業や領域に対してご理解いただけないことが多く、いわゆるネームバリューのあるSaaS企業に行かれてしまうことに課題感を抱いていました。しっかりとRehabという会社を理解していただき、共に介護という業界に対して課題解決をしていける方を探すのは、今も変わらず苦労しているところです。
―実際にIzulを利用してみて、よかった点はありますか?
平野:「今本当に採用したいポジションだけれども難しい」というポジションの求職者や、「Rehabへの共感値が圧倒的に高い」という求職者をご紹介いただけたことですね。
先日の話ですが、Izul経由でプロジェクトマネージャーのポジションを希望される求職者をご紹介いただきました。面接を重ねるたびに「いいな」「一緒に働きたいな」と思える方だったのですが、ご本人の話を聞いているうちに、「ポジションが違うのではないか?」と感じたんです。例えばプロジェクトマネージャーではなく、「プロダクトマネージャー」ならどうかと打診してみた時、求職者自身が自分のことをしっかりと言語化できていたおかげで、別ポジションながら迷いなく採用することができました。
これはその求職者がしっかりとRehabのことを理解してくれ、マインドフィットしていたからこそだと思います。
續:おっしゃる通りで、ポジションは違えどマッチしたのは「Rehab」という会社に対して「求職者がやりたいこと」があったからです。これが例えば「SaaSをやりたい」「IT企業で働きたい」という漠然とした理由であったなら、おそらくこのような採用にはつながらなかったかなと思います。
日本が輸出できる最後の産業こそが「介護」
―Rehabの今後の展望を教えてください
池上:近い目標で言えば、2025年までに高齢者100万人の健康寿命を延ばすというものがあります。介護の現場にデジタルヘルスを持ち込むことで、科学的な介護の普及や生活状況の改善を進めたいと考えています。現在はリハビリをメインに事業を展開していますが、私たちがやりたいのはもっとその先の「老後の生活をアップデート」することです。
日本は、この先20年ずっと高齢化率世界第一位を走り続けることが確定しています。日本で起こった課題は、世界でも必ず課題として起こってくる。いい意味でも悪い意味でも、世界の最先端を行くことになるんです。介護業界とは、日本が最後に世界へ輸出できる産業だと考えています。
今あるプロダクトをすぐ海外に持っていけるとは考えていませんが、私たちが経験したことはきっと海外に対しても需要があるはずです。
平野:そのためにはRehabとしてももっともっと事業を拡大していく必要があります。採用も絶賛強化中です! ぜひ今後もIzulには幅広く、優秀な人材のご紹介をお願い出来たら嬉しいです!
―ありがとうございました!