歩合制とは?種類やメリット・デメリット、適用される職種を解説

2023年2月13日

2024年10月21日

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Izul広報チーム

Izul広報チーム

歩合制は固定給とは異なり、毎月の給与が変動します。収入が安定しないといったネガティブなイメージがあるかもしれませんが、努力次第で固定給よりも多くの収入を得られる可能性もあります。今回は歩合給と固定給の違いや種類、メリット・デメリットや歩合制を採用することの多い職種について解説します。

歩合制とは

歩合制(ぶあいせい)は、個人の成果に応じて給与が変動する成果報酬型の給与体系です。成果対象は、売上・契約件数・契約金額・販売数・オプション追加数など、職種や企業で異なります。また、いくつ売ればどれだけ給与が上がるのかも企業で異なるため、契約段階で確認しておくことが大切です。

固定給との違い

固定給は、基本給と手当の合計額に残業代を加算して給与を算出する給与体系です。時給制・日給制・週給制・月給制などがあり、いずれも給与額が決まっています。歩合制は給与が成果に応じて変動するのに対し、固定給は成果に関係なく同じ賃金となります。固定給が変動するのは、昇給やベースアップ、減給や手当の増減などが発生したときです。

歩合制の種類

歩合制には、固定給と組み合わせるパターンと完全歩合制があります。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

固定給+歩合制

「歩合制+固定給」は、固定給に歩合制を加えた給与体系です。毎月支払われる固定給分の給与にプラスして、成果に応じた歩合率が加算されます。成果を挙げられなくても一定の給与が支払われる点が特徴です。固定給の割合が高い場合、歩合率は低く設定されている傾向にあります。反対に固定給の割合が低い場合、歩合率は高く設定されます。成果を出すことにどれだけの自信があるか、安定とリスクのバランスはどの程度が最適かを考えることが大切です。

完全歩合制(フルコミッション)

完全歩合制は固定給が一切支払われず、成果のみで給与が決まるシステムです。企業が定めた成果を挙げることで収入を得ることができます。なお、法律上で完全歩合制が認められるのは、個人事業主が企業と業務委託契約を締結する場合に限ります。

歩合制のメリット

歩合制は、メリットとデメリットを理解したうえで自分に合っているかどうかを慎重に考えることが大切です。まずは、歩合制のメリットから詳しく見ていきましょう。

成果次第で多額の収入を得られる

歩合制は固定給のように給与が決まっていないため、成果次第で上限なく収入を増やすことが可能です。固定給も成果が給与に反映されるものの、すぐには反映されません。スキルに自信がある人にとっては、成果で給与が変動することは大きなメリットです。

モチベーションを維持しやすい

より多くの収入を得たい気持ちがモチベーションに変わります。モチベーションが上がると仕事を楽しく感じられて、さらに高い成果を挙げられるようになる可能性もあります。

創意工夫が習慣づきやすい

歩合制は努力や工夫を重ねなければ収入を維持できません。同じ業務を淡々とこなすだけでは収入が頭打ちになるうえ、モチベーションも下がる可能性があります。歩合制であれば、収入を増やすために創意工夫の意識が自然に習慣づきやすいでしょう。

歩合制のデメリット

歩合制はデメリットも大きいため、必ずチェックしておくことをおすすめします。歩合制のデメリットは次の通りです。

仕事に慣れるまでは収入が安定しない

歩合制は、仕事に慣れるまではなかなか成果を出せず、収入が不安定になりがちです。固定給との組み合わせで、なおかつ固定給の割合が高いのであれば、生活費が足りなくなるほどの影響は出ないでしょう。しかし、完全歩合制だと他に固定給の収入源を持たなければ収入がゼロになり、生活費が足りなくなる恐れがあります。

プライベートとのメリハリがつきにくい

完全歩合制の場合は、収入が足りないために長時間労働を自分に課したり、多額の収入を得たいがためにプライベートを犠牲にしたりするケースがあります。自分の裁量で働けるからこそプライベートとのメリハリがつきにくく、自分の時間を持てなくなりがちです。

社会保険に加入できない場合がある

完全歩合制は、個人事業主として業務委託契約をした場合にのみ適用されます。個人事業主は社会保険に加入できないため、国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。

歩合制を採用することが多い職種

歩合制を採用できるかどうかは職種で異なります。ここでは、歩合制を採用することが多い職種について詳しく見ていきましょう。

不動産業界の営業職

不動産業者は数千万から数億円もの高額な商材を扱うため、会社が得られる利益も高い傾向にあります。固定給だと、社員の販売意欲がそがれてしまいがちです。そのため、社員のモチベーションアップを目的に歩合制を採用している企業が多く存在します。

保険業界の営業職

多くの保険会社や保険代理店で歩合制を採用しています。保険商品によって歩合率が異なり、成約件数も踏まえて給与の額が決まる企業も多いでしょう。また生命保険は歩合率が高く、かわりに固定給が低い傾向にあります。

タクシーの運転手

タクシー業界も歩合制を採用している企業が多く存在します。主な報酬体系は次の3つです。

  • 固定給+歩合制+賞与
  • 完全歩合制
  • 固定給+歩合制+自らの給与から積み立てた金額を賞与として年2〜3回に分けて受け取る

タクシー業界は、乗車件数ではなく乗車料金を成果とします。そのため、追加料金が発生する深夜や長距離乗車が多ければ、それだけ効率的に収入アップを狙えます。

自動車販売会社の営業職

自動車販売会社の営業職にも、歩合制を採用している企業が多く存在します。中でも、販売数に厳しいノルマを設定している企業は歩合率が高い傾向にあります。

美容師

美容師も歩合制を採用している場合があります。歩合率はさまざまですが、売上の10%程度に設定している美容室が多くみられます。中には、完全歩合制を採用した個人事業主が合同で営業している美容室も存在します。

まとめ

歩合制は、成果に応じて給与が変動する給与体系です。歩合制は採用している企業には、実力主義の企業や販売系、営業職やタクシー会社、美容室などがあります。スキルに自信があり、固定給の会社員よりも大きく稼ぎたい人に向いています。しかし、慣れるまでは収入が安定しない恐れもあるため、歩合制が自分に向いているかどうか十分に見極めて、就職先・転職先を選びましょう。

監修者・續 慶一

續 慶一

同志社大学を卒業後、教員兼某大学サッカー部監督を経て、大手外資系金融機関へ転職。その後、国内大手人材会社の人事を経て、起業。現在は人事コンサルティング、採用コンサルティングを自身が経営する会社で行いつつ、株式会社Izulには1人目の社員として入社し、現在は執行役員として従事。また九州大学の起業部にて事務局長を務める。
現在は、急成長のベンチャー企業、第二創業期に入っている企業など、様々な企業の役員や人事責任者とやりとりを行いコネクションを築いており、また自らキャリアセミナーや人事交流会などを積極的に開催しております。

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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