1990年代の中盤以降に生まれ、現在社会人として活動し始めている世代のことを「Z世代」といいます。言葉として耳にしたことはあっても、Z世代の詳細までは理解できていないという方も多いでしょう。また、Z世代が注目されている昨今において、Z世代の人材とどのように関わるべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。Z世代が社内に増えることを想定し、早めにZ世代との関わり方を把握しておきたいものです。
今回は、Z世代がなぜ注目を集めているのか解説し、Z世代に共通する特徴や混同しやすい世代、仕事との関係性について解説します。Z世代が定着しやすい企業の特徴についても触れているので、今後の採用活動に活かしてください。
Z世代とは
1990年代中盤以降から2010年前後に生まれた世代のことを、Z世代といいます。2023年段階で、10〜20代前半の世代を指す言葉です。今後の企業を担う人材は、必然的に若い世代となります。Z世代について把握しておくことは、企業の今後を考えることと同義です。これからの日本経済そのものを支える人材でもあるため、Z世代についての基本情報を押さえておくことは企業戦略のひとつといっても過言ではないでしょう。
Z世代が注目を集める理由
昨今の経済を支える年代は、Z世代を中心とした若い世代です。これからの日本を担うという意味でも、Z世代に該当する人材は必然的に注目を集めています。また昨今、SNSの普及などにより、Z世代の多くがさまざまな情報を発信しています。インフルエンサーなどの概念が定着したことも相まって、発言力や発信力の観点でZ世代が注目されているといえるでしょう。
新型コロナウイルスの流行以降、従来のコミュニケーションや事業の継続が困難になっている企業も多いのではないでしょうか。Z世代の発言力や発信力を活かした新たな企業戦略の打ち出しも注目されています。
Z世代の人に共通する特徴
Z世代の人には、以下の共通点があります。
- 個人主義
- 第三者の評価を気にする
- SDGsなどの社会的な動きへの関心が高い
- 情報収集はインターネットで行う
Z世代を採用するうえで押さえておくべきポイントであるため、しっかり把握しておきましょう。
個人主義
Z世代はSNSなどを経由してコミュニケーションをとる世代であるため、多様な価値観に対する理解があります。そのうえで、自分の考えにマッチする価値観に興味を持ちやすいといえるでしょう。ダイバーシティへの関心も強いことから、個人としての価値観を重視したいと考えている人が多い傾向にあります。
第三者の評価を気にする
個人主義が多いZ世代ですが、SNS中心の生活における承認欲求などの観点から、他人の評価を気にする傾向にあります。また、両親との関係性などを含め、第三者から認められたいと感じる人が多い特徴もあります。個人主義とは矛盾するものの、自分の価値観を大切にしつつ、さらにそれを受け入れられたいと感じる人が多いと認識しておきましょう。
SDGsなどの社会的な動きへの関心が高い
Z世代の多くは、幼少期に東日本大震災などの大きな災害に直面しています。また、リーマンショックなどのさまざまな社会の変化にも触れている世代です。そのため、近年注目されているSDGsなどを含め、地球や社会の動きに敏感な人が多いといえます。インターネットやSNSから情報を集める人も多いため、よりそういった傾向が強いといえるでしょう。
情報収集はインターネットで行う
近年、若者世代のテレビ離れが注目されています。Z世代は、テレビ番組をSNSなどの切り抜きで視聴する世代です。そのため、ニュース番組などをリアルタイムで見ることはなく、インターネットを通じてさまざまな情報を入手します。Z世代をターゲットにした採用活動を行う際は、インターネット経由で入手できる情報経路を用意することが大切です。
Z世代と混同されやすい世代
Z世代と混同しやすい世代として、以下が挙げられるためそれぞれの特徴についてみてみましょう。
Y世代
1981年から1990年代後半に生まれた世代をY世代といいます。インターネットの普及により、消費への意識が変わった世代です。「さとり世代」と呼ばれることもあります。
ミレニアル世代
1980年代から1995年前後に生まれた世代のことをミレニアル世代といいます。幼いころからデジタル機器が普及しており、自然にパソコンや携帯電話に触れていた世代です。Y世代やα世代ほどではないものの、80年代以前に生まれた世代と比べるとITリテラシーが高いといえます。
α世代
2010年代から2020年代に生まれた人を指すのがα世代の特徴です。Z世代に次ぐ新たな世代のことで、今後の社会を支えていく世代といえます。オンラインとオフラインの結びつきが、今以上に強くなる世代といえるでしょう。
Z世代と仕事の関係性
Z世代の多くは、幼少期からリーマンショックやコロナ禍による不況を経験しています。そのため、企業に対する期待感が低い傾向にあります。企業への期待感がないということは、ひとつの企業に対する執着がないということです。そのため他世代と比べ、短期間で離職する傾向があったり、副業への抵抗感が薄いといえるでしょう。
企業にとってはマイナス要因が強くなるものの、考え方を変えれば「さまざまな経験を持った人材を採用できる」ともいえるでしょう。
Z世代が働きやすい企業の特徴
先ほども触れたように、Z世代の多くは一つの会社にこだわらず、自分の経験やスキルを磨くことに情熱を燃やす人が多いといえます。Z世代の傾向を理解したうえで、この会社にずっといたいと感じてもらえれば、今後の人員確保につながるでしょう。
ここでは、Z世代が働きやすいと感じる企業の特徴を紹介します。自社の特徴と照らし合わせ、今後の社会を担う世代の確保と定着を目指しましょう。
労働環境の効率化が図られている
Z世代の多くは、給与よりも働きやすさに重きを置く傾向にあります。そのため、世代の特徴を理解したうえで、より働きやすい労働環境を整備することが大切です。リモートワークの拡充やSNSの活用など、トレンドに沿った労働環境などを意識することで、Z世代にとって魅力のある環境を構築できるでしょう。
実力が正当に評価される人事制度
以前は、成果主義ではなく年功序列が重んじられていました。しかし昨今では年齢に関係なく、自身の成果や実績がより評価される流れになっています。Z世代は第三者からの評価に対して敏感な傾向もあるため、自身の成果が正しく評価されるかどうかを重視しています。自社の評価体制を見直し、Z世代にとってメリットのある人事制度を再構築しましょう。
ワークライフバランスを重視している
昨今、働きながら趣味や生きがいを大切にする人が増えています。仕事というものに対し、自分が自分らしく生きるための「手段」という考えを持っている人も多いでしょう。したがって、Z世代を人材として獲得するためには、ワークライフバランスを重視した働き方が実現できる環境を構築することが大切です。
まとめ
新型コロナウイルスの蔓延などもあり、SNSやインターネットに触れることの多くなった世代でもあるZ世代。これからの社会を支えていく世代でもあるため、Z世代の獲得は企業の今後を左右する重要な観点といえるでしょう。
自社の労働環境や特性を見直し、Z世代にとって魅力のある企業にするかどうかで、今後の動きが変わってきます。今回紹介したZ世代の特徴などを踏まえて、新たな世代を受け入れる準備を進めてみてはいかがでしょうか。