嫌なことや苦手なことがあると、後回しにしてしまったり、ついつい逃げてしまっていたりしませんか?「逃げるが勝ち」なんて言葉もあるくらいですから、逃げること自体は必ずしも悪いことではありません。しかし逃げることが習慣化して「逃げ癖」がついてしまうと、いざという時、困難に立ち向かうことができなくなります。今回は逃げ癖の原因と克服方法について、解説していきます。
逃げ癖がある人の共通点
逃げ癖がある人には、以下の共通点があります。
- 自己肯定感が低い
- ミスを認めない
- 向上心がない
- プライドが高い
- 自信がある場面のみ強気になる
- 妥協しやすい
- 飽きっぽい
- ストレス耐性がない
自己肯定感が低い
自己肯定感が低い=自分の事が信じられない、ということです。自分を信じられない人は失敗を極度に恐れる傾向があり、挑戦する気力はどんどん奪われてしまいます。結果、新しいことや困難から逃げてしまうのです。
ミスを認めない
ミスを認めない人は、傷つきたくない、怒られたくないという心理からミスを認めることができません。他人から怒られたくないから逃げてしまうので、問題はそのまま放置され、解決できません。それでは人としての成長は見込めません。
向上心がない
向上心の低い人は、新しいことや物に興味が薄い傾向があります。また、これといった目標がなく、現状を変える気がない人も、向上心がないといえます。どうせ失敗する、失敗するくらいならやめよう、という気持ちが向上心をさらに低下させるでしょう。
プライドが高い
プライドの高い人は自己肯定感が高いように見えて、実は、自己肯定感が低い傾向があります。自分を信じることができず、過剰に他人からの評価を気にしてしまい、失敗を恐れることで、新しい物事から逃げるようになってしまうのです。
自信がある場面のみ強気になる
失敗したくないという思いが強いと、挑戦する機会が減り、成功体験の母数自体が少なくなってしまいます。その結果、数少ない過去の成功体験にとらわれてしまうようになります。
妥協しやすい
逃げ癖のある人は、本気で物事に取り組んで、それに伴う成果が出ないことをおそれています。自分に甘く、本気になって失敗するくらいなら現状維持でいいやと、楽な方へ逃げてしまう傾向があります。
飽きっぽい
逃げ癖のある人は、我慢するのが苦手で飽きっぽい人が多いのも特徴です。何かをやり遂げる前に飽きて投げ出してしまうことで、いずれも中途半端という状態に陥り、成功体験を積むことができません。
ストレス耐性がない
ストレス耐性が低い人はなんでも思い詰めて考えてしまうため、キャパオーバーしやすくなります。出来ないこと・苦手なことに向き合えず、もう無理だ、と感じたら逃げてしまう。ひどくなると仕事上で少しでも嫌なことがあったら、すぐに退職や転職を繰り返すようになってしまいます。
逃げ癖がつくことで仕事にどう影響するのか
逃げ癖がついてしまったことで仕事面に大きく影響します。逃げ癖を治せない人に待ち受けている試練をいくつかご紹介します。
責任のある業務を任せてもらえない
逃げ癖がある人は、上司や同僚から信頼されません。信頼できない人には誰も重要な仕事を頼みたくないため、評価は下がる一方です。周りからの印象も、職場での居心地も悪くなり、また逃げたくなるような環境が出来上がってしまうでしょう。
再就職先が決まりにくい
嫌な上司や業務から逃げるように仕事を辞めたとなれば、誰しも良い印象は抱かないはずです。再就職先に応募したとしても、前職の短い勤続期間に社会人としての責任感のなさを感じて、採用を見送る企業も少なくないでしょう。
収入・キャリアの理想を実現できない
逃げ癖がある人は信頼を得られず、重要な仕事を任せてもらえないので、収入アップ・キャリアアップはかなり難しいでしょう。また、逃げ癖のせいで簡単に退職を繰り返すとなれば、正社員で採用されることも難しくなります。
自己嫌悪に陥りやすくなる
逃げ癖があると周囲に迷惑がかかりやすく、疎まれがちですが、逃げる本人も辛い状況です。「また逃げてしまった」と自己嫌悪に陥り、自信を喪失し、さらに逃げるという負のループが出来上がってしまいます。
逃げ癖が治らないのはなぜ?
ここまで逃げ癖がある人の特徴や、起こり得る問題について触れてきましたが、逃げ癖がついてしまう原因は何でしょうか。なぜ治すことが難しいのかについて解説します。
周囲に頼りやすい環境
逃げ癖のある人は、幼少期に嫌なことを避けられる環境で育った人が多い傾向があります。例えば、何か問題を起こしても誰かが代わりに謝ってくれたり、実家が裕福で仕事を辞めてしまっても生活に支障がない環境で育つことで、成長の機会を逃し続け、逃げ癖がついてしまいます。
壁を乗り越えた経験がない
困難を乗り越えたことがない人にも、逃げ癖はつきやすいです。逃げ癖のない人なら、困難にぶつかった時、どうにかして解決していくことで、学び成長していきます。しかし、困難から逃げ続けた人は、いざという時に困難と向き合う力もなく、適切な対処がとれなくなってしまいます。
逃げ癖を克服するための方法
では、そんな厄介な逃げ癖は、どうしたら克服できるのでしょうか?ここでは以下の7つの対処法を紹介しますので、是非参考にしてみてください。
面倒なことを後回しにしない
まずは「失敗したらどうしよう」などと考えず、目の前のやるべきことに取り組んでみましょう。後回しにしたくなるような仕事も、しっかりタスク管理して少しずつ取り組むことで、課題が解消されるかもしれません。
ミスを認める
逃げ癖のある人の課題は、ミスした時にしっかり自分の非を認めることです。誰しもミスすることはあります。まずは逃げずに、迷惑をかけた人に対し謝罪するところから始めてみましょう。さらに失敗の原因を考え、対策を立てることで自らが成長し、周りからの評価を下げることも防げます。
小さな成功体験を重ねる
逃げ癖がある人にとって小さな成功体験を重ねるということは、一番シンプルで踏み出しやすい第一歩でしょう。少しずつ、確実に自ら成長を感じることは、充実感や満足感に繋がります。逃げずに小さな成功体験を積み上げていたら、気が付いたらできることが増えていた、というケースも少なくありません。
実現可能な目標設定からスタートする
逃げ癖のある人は、まずは実現可能な目標を設定してみましょう。現実的な目標を細かく設定し、少しずつクリアしていくことで、努力の継続を習慣化できる上に、モチベーションを保つことにも繋がります。
自分を追い込む
自分に甘く、やるべきことから逃げてしまいたくなったら、あえて自分を厳しい環境に追い込んでみましょう。他人に目標を宣言したりして自らにプレッシャーをかけ、やらなければならない状況を作り出すことも、逃げ癖を治すには有効な手段です。
自分に合った仕事を探す
そもそも身を置いている環境自体が、本人に合っていない場合もあります。いくら努力しても、適材適所のポジションで働けていないのであれば、良いパフォーマンスは発揮出来ません。今一度、自分にはどんな仕事が向いているのか自己分析し、転職も選択肢に入れて考えてみましょう。
逃げ癖との付き合い方を考えるのも大切
人は誰しも、ストレスやプレッシャーを感じたくないものです。苦手なことから逃げたいと考えるのは、人間として当然のことなので、逃げたくなる自分を責める必要もありません。まずは、自分に逃げ癖があることを認め、逃げずに済むような工夫を考えていきましょう。
「逃げるべきケース」もある
逃げるべきケースもたくさん存在しますので、いくつかのパターンを紹介します。
- あまりに理不尽なことを押し付けられたとき
- 心身に異常をきたしてしまいそうなほど追い詰められたとき
- 身の危険を感じたとき
- 他にやりたいことが明確に決まっているとき
自分を守るために、逃げるべき基準を決めておくことも大切です。
まとめ
今回は、逃げ癖の原因や克服方法について解説しました。逃げたいという気持ちは誰しも持っているもので、それ自体を否定する必要はありません。しかし、逃げることが癖として定着してしまうことは、大きな問題といえます。自分を冷静に分析し、自分に合ったコントロール方法で、逃げ癖と向き合っていきましょう。