コンピテンシーとは?意味や評価基準、ビジネスにおける活用事例を解説

2022年11月26日

2023年5月30日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

人事や採用面接において、近年注目を集めているコンピテンシー。言葉は聞いたことがあっても、正確な意味を知っている方は少ないのではないでしょうか。この記事では、コンピテンシーの意味や評価基準、ビジネスにおける活用事例を解説しています。人事に携わっている方はぜひ参考にしてください。

コンピテンシーとは

ビジネスにおけるコンピテンシーとは、仕事で高い成果や業績を残す人に共通する行動特性を指します。本来、コンピテンシーは「能力」という意味を持つ単語です。そこから転じて、自分が持っている能力をもとに、どのような行動をとっているか示すようになりました。優秀な人物のコンピテンシーを分析することで、従業員の採用や育成の参考になると考えられています。

スキルや知識との違い

コンピテンシーは「スキル」や「知識」といった言葉と混同されがちですが、実際の意味は異なります。
スキルや知識とは従業員が持っている専門的な技術や能力のことで、「プログラミング能力」「英語力」「簿記」などが該当します。一方のコンピテンシーは、「その技術や能力を使ってどのように行動するか」といった思考や行動のことです。高いスキルや知識を持っていても、実際のビジネスシーンで活用できなければ意味がありません。

コンピテンシーが生まれた背景

コンピテンシーという概念が誕生したのは1950年代ですが、人事用語として知られるようになったのは1970年代前半です。米国国務省の依頼を受けたハーバード大学のマクレランド教授によって、外交官の「採用時のテストの成績」と「配属後の実績」の相関関係の調査が行われました。その結果、「学歴や知能は業績にさほど影響を与えないが、高い業績を上げる人には共通する行動特性がある」ことが明らかになったのです。この調査をきっかけに、コンピテンシーが広く認知されるようになりました。
日本では、会社の人事評価制度が「年功序列」から「成果主義」に変わりつつあることから、評価基準のひとつとしてコンピテンシーが注目されるようになりました。

コンピテンシーのモデル設定

コンピテンシーを導入する際は、企業や業務ごとに目標となる人物像をモデルとして設定します。ここで紹介するモデルを参考に、自社独自のコンピテンシーモデルを築き上げていきましょう。

理想型モデル

理想型モデルとは、企業の目標を達成するために必要な人物像から作り出すコンピテンシーモデルです。コンピテンシーモデルを作成する際は、企業理念や事業戦略をもとに、企業にとっての理想像を考えていきます。従業員にヒアリングする必要がないためスムーズにモデルを確立しやすく、創業したばかりの企業にもおすすめです。ただし、企業が求める理想が高くなりすぎないように注意が必要です。従業員が実践できるレベルのモデル設定を心がけましょう

実在型モデル

実在型モデルとは、社内で高い成果や業績を残している人物を参考に作成するコンピテンシーモデルです。対象者に直接ヒアリングを行うため、実用的でイメージしやすいモデル像が完成します。ただし、特定の人物をモデルにする場合、属人性が高くなりやすい点に要注意です。どのような部署・従業員でも実践できるものであるかを社内で十分に検討する必要があります。

ハイブリッド型モデル

ハイブリッド型モデルとは、理想型と実在型を組み合わせたコンピテンシーモデルです。実在型モデルの属人性が高すぎる場合には、理想型モデルの要素を組み合わせることで、より実用性の高いコンピテンシーモデルが完成します。また、企業の理想像から逆算して不足している部分があるときにも便利です。ハイブリッド型モデルは、「2種類の型の良いところを融合したもの」ともいえるでしょう。

コンピテンシーの5段階レベル

企業の評価基準にコンピテンシーを採用する場合は、評価対象者の行動を5段階で評価することになります。ここでは、それぞれのレベルの内容を解説します。

受動行動

コンピテンシーにおけるレベル1は「受動行動」です。受動行動とは、誰かからの指示通りにしか動けない、受け身の姿勢を指します。指示待ちの状態で主体性がなく、思考に一貫性が見られない場合にレベル1の評価を受けることが多い傾向にあります。

通常行動

コンピテンシーにおけるレベル2は「通常行動」です。通常行動とは指示されたことをその通りに実行する状態で、いわゆる普通レベルの評価を指します。マニュアルや作業手順を意識して行動できるものの、自ら工夫したり新たな考えを展開することはありません。

能動・主体行動

コンピテンシーにおけるレベル3は「能動・主体行動」です。能動・主体行動とは、複数の選択肢の中で最適なものを選べる状態を指します。決められたルールや指示を守ることはもちろん、より高い成果を上げるために主体的に行動できるかどうかが評価基準になります。

創造・課題解決行動

コンピテンシーにおけるレベル4は「創造・課題解決行動」です。その場の状況に合わせて行動するだけでなく、問題を解決するために自分から率先して働きかけることができる状態です。高い成果を生み出すために、PDCAサイクルを回し続け、目標達成に向けた行動ができるかどうかを評価されます。

パラダイム転換行動

コンピテンシーにおけるレベル5は、「パラダイム転換行動」です。パラダイム転換行動とは、既成概念にとらわれることなく、斬新で柔軟な発想によって状況を大きく変えられる状態を指します。自ら新しい環境を作り出し、大勢から賛同を得る行動ができる人材は、企業にとっても貴重な存在です。

コンピテンシーのメリット・デメリット

コンピテンシーの導入にはさまざまなメリットがありますが、デメリットもないとはいえません。コンピテンシーを導入する前に確認しておくと安心です。

コンピテンシーのメリット

コンピテンシーを導入する大きなメリットは、企業が理想とする人物を採用・育成しやすくなる点です。特に採用面接でコンピテンシー評価を取り入れることで、自社に合った人物を採用しやすくなります。現時点でスキルを持っていない従業員でも、コンピテンシーのレベルが高い人は将来的にスキルや能力を開花させる可能性があるためです。
また、コンピテンシーモデルを設定することで、従業員が成果を上げるために具体的な行動を起こしやすくなる点もメリットのひとつです。その結果、従業員のモチベーション向上にもつながります。

コンピテンシーのデメリット

コンピテンシーを導入するデメリットは、コストや労力がかかる点です。コンピテンシーを導入するまでには、コンピテンシーモデルとなる優秀な社員の選定・ヒアリング・分析に基づいたモデル像の作成といったさまざまな手順を踏まなければならず、長期的で大規模な取り組みになります。また、コンピテンシーは一度導入したら終わりではなく、企業の現状に合わせた定期的な見直しが必要です。

コンピテンシーの活用事例

コンピテンシーは、企業の中でもさまざまな場面で活用できます。ここでは実際の活用事例を解説しますので、導入の参考にしてください。

人事評価

コンピテンシーは、人事評価において大いに役立ちます。コンピテンシー評価は会社の理想像となるモデルに基づいて評価項目が作成されているため、判断基準が明確です。そのため人によって評価がぶれることがなく、より正確なフィードバックを行いやすくなります

採用・面接

採用や面接においても、コンピテンシーの活用が効果的です。面接前にコンピテンシーモデルを設定しておくことで、モデルを基準にした質問が行いやすくなります。その結果、自社の理想像に合った人物の採用につながるだけでなく、応募者とのミスマッチを防ぐこともできます。また、コンピテンシーモデルといった明確な判断基準があることで、公正かつ客観的な評価ができるといったメリットもあります。

教育・能力開発

コンピテンシーは人材の採用だけでなく、教育や能力開発といった場面でも有効です。事前に設定した自社独自のコンピテンシーモデルを提示することで、従業員が「どのように考えて行動すれば成果を上げられるか」を考えるきっかけにつながります。さらに、コンピテンシーを導入することで行動目標を設定しやすくなり、従業員のモチベーションアップや業務の効率化が期待できる点もメリットです。

まとめ

この記事では、コンピテンシーについて解説しました。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、日本でも採用や人事評価といった場面で使用される機会が増えてきています。コンピテンシーは導入までに時間やコストがかかるものの、人事において多くのメリットをもたらします。今回の記事も参考に、ぜひ導入を検討してみてください。

監修者・座間 智也

座間 智也

原宿で美容師 ⇒ リーフラス株式会社 ⇒ 株式会社スポーツフィールド
サッカー選手になる夢を断念し、美容師からキャリアをスタート、2社目では当時史上最短の入社8ヶ月でリーダー昇格、3年目の25歳で当時社員600名弱の会社で支店長として従事。その後、人材紹介会社へ転職し、入社4年で東日本エリアのマネージャーとして6拠点のマネジメントを経験。現在は個人として4つの事業運営を行いながら、Izul でキャリアアドバイザーとして従事。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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