コーポレートガバナンスとは?実施する目的や企業に与える影響、代表的な手法を紹介

2023年6月30日

2023年6月29日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

転職先を決めるうえでは、不祥事の防止策として用いられる「コーポレートガバナンス」を実施している企業であるかを見極める必要があります。コーポレートガバナンスという言葉を聞いたことはあっても、その詳細まで把握しきれていない方も多いでしょう。
今回は、コーポレートガバナンスの概要や目的について解説します。コーポレートガバナンスを実施するための方法やリスク、コーポレートガバナンスの徹底した企業に転職するメリットにも触れているので、最後までご覧ください。

コーポレートガバナンスとは

コーポレートガバナンスとは、企業内の不祥事・不正を防止し、企業経営における公正な判断・運営が行われるように監視する仕組みのことです。企業を所有するのは経営者ではなく、資本を投下する株主のものであるという考えに基づいた仕組みを指します。

実施する目的

コーポレートガバナンスは、経営戦略や財務状況などを適切に管理する目的で実施されます。経営に関する情報を正確に把握することで、透明性のある経営が実現します。透明性を確保することは、中長期的な企業価値の向上にもつながります。経営の透明性が高まることで新たな融資先を見つけられたり、財務状況が安定することで優秀な人材を獲得しやすくなります。

コンプライアンスとの違い

コーポレートガバナンスと混同しやすいコンプライアンスとは、企業規則・企業論理・法令遵守を指す言葉です。一方コーポレートガバナンスは、コンプライアンスを遵守するための「仕組み」を指します。コーポレートガバナンスは、コンプライアンスのために実施されるものです。両者には違いがあるというより、つながりがあると覚えておきましょう。
コンプライアンスとは?言葉の意味や具体的な違反事例について解説

企業がコーポレートガバナンスに取り組む理由

ここでは、企業がコーポレートガバナンスに取り組む主な理由を紹介します。

ステークホルダーの損失防止

ステークホルダーの権利や立場を尊重することも、コーポレートガバナンスの目的です。円滑に企業を経営するうえでは、投資家や取引先に対して利益を還元しなければなりません。コーポレートガバナンスを実施・強化することで、経営者の独善的な意思決定や不正の防止につながります。経営の透明性にも関連し、ステークホルダーとの関係性を良いものにすることがコーポレートガバナンスの目的です。

経営の長期化

ステークホルダーとの関係性を構築できれば、コーポレートガバナンスの目的である「経営の透明性」が実現します。企業経営の透明性を外部に証明することで、社外からの援助を受けやすくなります。結果、経営が安定し、長期で運営し続けることが可能です。

企業価値の向上

ステークホルダーとの円滑な関係や長期経営の実現は、社内外含めて企業価値をアピールするきっかけになります。「コーポレートガバナンスがしっかりしている」と認識されれば、優秀な人材の確保や財務状況の安定などの目線から、企業価値が高いと判断されやすくなります

コーポレートガバナンス強化のための手法

コーポレートガバナンスを強化するために実践される方法は、主に以下の5種類です。

  • 内部統制の強化
  • 外部の取締役・監査役・報酬委員会を設置
  • 執行役員制度の導入
  • 従業員に対するコーポレートガバナンスの周知
  • コーポレートガバナンス強化に関するツールの導入・活用

健全な企業活動を行ううえで、内部統制の強化は必須です。不祥事を防止するため、まずは社内の体制を整えるところから始めるのが一般的です。経営者を監視するために、外部の取締役や監査役、報酬委員会などに監視を依頼する場合もあります。経営と業務執行を分離させるため、執行役員制度の導入もコーポレートガバナンス強化につながる手法です。
また、従業員にコーポレートガバナンスについて周知することも重要です。不祥事を起こしてはならないという意識が徹底した社内環境を構築できれば、結果的に社外の信用を得ることにつながります。勤怠管理システムやワークフローシステムなどを導入し、従業員の不正を防止することもコーポレートガバナンス強化につながります。

コーポレートガバナンスが徹底された企業に転職するメリット

ここでは、コーポレートガバナンスが徹底されている企業に転職するメリットを紹介します。以下で紹介する特徴のある企業と認識しておくことで、安心して入社できます。

将来性が高い

コーポレートガバナンスが徹底されている企業は、ステークホルダーからの厚い信頼や、経営の長期化が保証されているという点が共通しています。社外からの信頼を得ながら経営を続けている企業は、よほどのことがない限り倒産などの心配は不要です。ある程度の安定感を求めて転職したい方にとっては、大きなメリットです。

社会的信用を得やすい

しっかりとコーポレートガバナンスに取り組んでいる企業は、社会的信用も高い傾向にあります。先に触れた将来性の高さにもつながる要素であるため、転職先を決めるうえで重視すべきポイントです。

従業員の損失が少ない

コーポレートガバナンスが強化された企業は健全な経営体制を構築しているケースが多く、財務基盤が安定していて高い競争力を持っています。円滑な企業経営は従業員の安定した雇用や収入につながり、リスクを抑えて就労することができます。コーポレートガバナンスへの意識が高い企業へ転職すれば、企業の安定を通じて自身も恩恵を受けられるのです。

コーポレートガバナンスに関するリスク

ここでは、コーポレートガバナンスに関する主なリスクを3つ紹介します。コーポレートガバナンスのメリットとあわせて、自身の今後に置き換えたうえで転職すべき企業の特徴を分析してください。

企業運営が破綻する可能性がある

コーポレートガバナンスが機能することで、監視側による判断で企業運営がストップする可能性があります。たとえ経営陣が効率的に動けていても、監視側が問題を提示してきた場合、運営を円滑に行えなくなります。また、ステークホルダーの利益を重視するあまり、目先の利益のみに特化した経営になりがちな点もコーポレートガバナンス強化のリスクです。

オーナー企業だと適正に機能しにくい

株主が社長の「オーナー企業」は、コーポレートガバナンスがうまく機能しない可能性があります。一般的には、社外のステークホルダーとして株主が存在します。つまり、監視する立場の株主が経営に回ることで、コーポレートガバナンスが正常に機能しなくなる恐れがあります。

目先の利益を注視するあまりビジネスチャンスを逃す

ステークホルダーの利益など、目先の利益を重視するあまり、ビジネスチャンスを逃す場合があります。コーポレートガバナンスに則した経営を行う企業には、中長期の経営戦略を立て、掲示することが求められます。しかし、経営戦略を提案している間に、ビジネスチャンスを逃す可能性もあるのです。

まとめ

今回は、企業統治の役割をもつコーポレートガバナンスについて解説しました。ステークホルダーや従業員の損失を防止する目的で行われるもので、安定した経営や社会的信用度の獲得につながる施策です。転職先を決めるうえで、コーポレートガバナンスへの意識が高い企業であることは重要なポイントです。今回紹介した内容でコーポレートガバナンスについての理解を深め、転職先を決める際の知識としてお役立てください。

監修者・竹節 正輝

竹節 正輝

日本郵便 本社IT新規事業→パーソルキャリアにて個人表彰、新規事業創出プログラムDrit大賞→パーソルイノベーション株式会社 地方副業Loino PdM 霞ヶ関でキャリアをスタートしたのち、転職サイトdoda、事業立ち上げも経験。キャリアアドバイザーとイントレプレナーの2つの顔を持つ。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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