初めて出席する入社式はなかなか勝手が分からず、何をどこまで準備したら良いのか悩むことも多いでしょう。入社式が行われるのは新卒者を対象とすることがほとんどで、中途入社者に対しては実施されない場合が多いです。
この記事では、入社式の特徴や挨拶、服装、自己紹介のポイントなど、初めての入社式に役立つ情報を紹介します。
入社式とは
入社式とは、新入社員の入社を記念する式典のことです。入社式の目的は新卒入社者の社会人意識を向上させることで、仕事に取り組む前の準備段階としてモチベーションを高める効果があります。入社式後は、新卒社員による挨拶・オリエンテーション・懇親会などが行われるケースが多いです。
新卒者だけでなく中途入社者も対象になりますが、企業の規模や入社人数、時期などによって開催されるかどうかは変わります。入社式は新卒者にとって初めての社会人イベントであり、中途入社者にとっても新しい職場の初日となるため、とても大切な1日です。
入社式は何日に行われる?
入社式は会社の年度に合わせて行うことが多く、4月1日に行われることが一般的です。しかし、必ずしも4月1日に行われるとは限らず、企業によっては3月中に行われるケースもあります。
内定式との違い
内定式とは、企業が求職者に内定通知を発行するための式典で、内定書の受け取りや内定承諾書の署名・捺印などを行うことです。入社式との違いは入社承諾書の提出で、入社に対しての最終的な意思決定の確認をすることが内定式の主な目的です。中途入社者に対しての内定式は一般的には行われないことが多く、入社に必要な書類などは郵送もしくはメールでやり取りされます。
入社式で行われる内容
入社式は形式に沿って行われることが一般的で、社長挨拶、役員挨拶、入社辞令授与、新入社員の自己紹介、オリエンテーション、懇親会と続きます。それぞれの内容や当日のマナーなども含めておさらいしていきましょう。
社長挨拶~入社辞令授与
入社式の冒頭は、社長が率先して新卒社員に対して挨拶を行います。会社がどのような理念を持っているか、社会への貢献・会社への貢献、ひいては将来の自分のためになる話を聞けるでしょう。
社長の挨拶は今後の社会人生活を送るうえで貴重な指針となるので、しっかりと話を聞いておきましょう。入社辞令授与は社会人として初めての辞令交付で、多くの場合は社長から辞令を直接交付されます。
新入社員の自己紹介
新入社員の自己紹介も多くの入社式で取り入れられています。これから一緒に働く仲間や先輩、上司に向けた初心表明にあたるもので、長すぎず短すぎず、1~2分を目安に挨拶をするとよいでしょう。挨拶の内容に特別な決まりはありません。思っていること・感じていること・これからどういった仕事をしていきたいかなどを、自由に挨拶してみてください。注意点は、無理に自分を大きく見せようとしないこと。挑戦的な内容や自慢話は極力避け、前向きな内容を話すように心がけましょう。
オリエンテーション
オリエンテーションとは、「方向づけ」の意味を持つ言葉で、新しい環境に入った人に順応してもらうための教育指導です。オリエンテーションでは、今後の仕事の流れや配属先、福利厚生、給与振込などに関する重要な内容が共有されます。指示をされなくても必要なことは自分でメモをとるなどして、仕事をしていく意識を持って行動をしましょう。
懇親会
入社式後には懇親会が開かれます。懇親会は組織の中で使われる言葉で、親交を深めることと情報交換をする目的を兼ねています。同期入社の社員をはじめ、会社の先輩達も同席する場合があるため、積極的にコミュニケーションを取りましょう。懇親会で評価や査定の対象になることはありませんが、社会人としてのモラルやマナーを持って懇親会に臨んでください。
自己紹介の例と5つの注意点
入社式では自己紹介をすることが通例ですが、普段あまり自己紹介をする機会がない方は、何を話して良いのか悩んでしまうかもしれません。ここからは、自己紹介に使えるフレーズや基本の型、入社式でタブーとされる5つの注意点を紹介します。
自己紹介の基本型
自己紹介に決まった型はありませんが、「氏名(フルネーム)」「出身や居住地」「趣味」「経歴」「意気込み」などを盛り込むと、バランスが取れた自己紹介になります。下を向いてボソボソと話をするのではなく、姿勢を正して笑顔で自己紹介を行うようにしましょう。
自己紹介の応用例
自己紹介の基本型に沿って、自己紹介に応用を加えることもおすすめです。応用といっても面白いことを言うのではなく、内容を少しアレンジしたり、詳しい説明を入れたりするだけでOKです。例えば、「名前の由来を紹介する」「名前の漢字を説明する」「出身地で知名度のある場所」「有名人との共通点」などを入れてみると、オリジナリティのある自己紹介にできます。
5つの注意点
入社式で気を付けるべき注意点としては、以下の5点が挙げられます。
【1】ネガティブな発言
「学生時代のアルバイトは渋々やっていた」「朝起きるのが苦手」など、入社式でネガティブな印象を与えるような表現は避けましょう。 冗談やユーモアのつもりでも、ネガティブな言葉が与える影響力は高く、初対面で「ネガティブな人」という印象を与えかねません。
自己紹介にエピソードなどを盛り込む際は、現在取り組んでいることや学生時代に力を入れていたことなど、前向きになれるような話題を選ぶと好印象です。
【2】話の長さ
自己紹介の長さにも注意が必要で、長くとりとめのない話は聞き手にストレスを与えます。入社式は個人のためではなく出席者全員のための時間です。自己紹介の内容を整理して、話の長さを意識しましょう。自己紹介にかける時間は1~2分に収めることが一般的です。
【3】基本構成
自己紹介の基本形を意識して、基本構成を作っておきましょう。話をする内容を一字一句すべて暗記するのではなく、キーワードを置いていくイメージだと上手くいきやすいです。暗記した内容を当日に忘れてしまい、何を話したら良いのか分からなくなってしまう状態を避けるため、話の方向性とキーワードで構成を固めましょう。
【4】身だしなみと態度
社会人として身だしなみには気を付けましょう。人に対しての印象は見た目が9割と言われるほどで、人の印象は視覚情報によるものがとても大きいです。ビジネスシーンではおしゃれさよりも清潔感の方が重要です。スーツやシャツのシワ、靴の汚れ、女性なら適度なメイクをすると好印象を与えることができるでしょう。
【5】敬語
入社式はフランクな雰囲気で行われるケースも多いですが、羽目を外しすぎないように注意しましょう。特に言葉遣いは崩しすぎないように気を付ける必要があります。例えば、言葉の語尾を「~っす」などにしてしまうと、かなりラフな印象になります。ビジネス以外の場なら良いかもしれませんが、上司や先輩がいる場所ではTPOをわきまえた言葉遣いを意識してください。
入社式の服装と持ち物
入社式の服装はリクルートスーツが基本です。就活で使用していたものがあれば、そのまま使用することができます。入社式当日に焦ることがないように、本項目で確認をしておきましょう。
スーツの場合
入社式がスーツ指定の場合、シャツは白色、スーツの色は濃紺など濃い目の色が無難です。派手な色味や柄の大きいスーツ、ネクタイなどを着用すると悪目立ちしてしまう恐れがあり、会社内で悪い印象に繋がる懸念があります。
服装自由の場合
入社式の案内で、「服装自由」「私服でお越しください」とあった場合についてお話をします。服装が自由といっても、ジーンズやスニーカーでの出席は望ましくなく、最低でも襟付きのシャツにジャケット、革靴の着用は必須と考えて良いでしょう。また、スーツの着用をNGにされていなければ、スーツでの出席もOKです。
持ち物
入社式には、会社に提出する書類・印鑑・筆記用具・クリアファイル・名刺入れなどを持っていくと良いでしょう。入社式では今後に必要な書類を配布される場合も多いため、鞄の容量などもチェックしておく必要があります。
入社式の準備リスト
入社式に持っていくものをリストにしておくと便利です。本項目では、入社式に必要な基本の持ち物リストを紹介します。ぜひ確認しておきましょう。
- スーツ
- ハンカチ
- 腕時計
- カバン
- 筆記用具
上記の持ち物のほかに、記事内で紹介した自己紹介文や抱負などをメモしたものを用意しておくと、その場に立った時にも安心です。ウェットティッシュなども持っておくと、スーツやカバンが汚れてしまったときにも便利です。また、時間の確認はスマートフォンなどを使わず、腕時計を使って確認しましょう。最低でも筆記用具を常備しておくことは、社会人として必須です。
まとめ
入社式の挨拶や服装、自己紹介のやり方や準備リストなどを紹介しました。入社式は新社会人にとって最初の1日です。しっかりと準備を行い、入社式に備えてTPOをわきまえた発言・行動をできるようにしましょう。同期入社の社員や先輩たちとの親睦を深め、より良い社会人生活を送る一日にしてみてください。