現職で昇進を目指す場合、どのような働き方が求められるのでしょうか。企業に貢献するのはもちろんのこと、それ以外に必要な働き方があるのなら今すぐ知りたいと考えるものです。
そもそも、昇進と類似した言葉として「昇格」がありますが、具体的な違いはあるのでしょうか。今回は現職での昇進を目指す場合に知っておきたい昇進の概要とタイミングについてご紹介します。
昇進とは
昇進とは、現在のランクが上がることです。一般社員の方なら主任、係長の方は課長へと役職が変わることを意味します。
一方、昇格とは等級が上がる際に用いる言葉です。勤務態度や業務遂行能力によって社員をランク付けする制度(職能資格制度)を導入する企業の場合は、ランクアップすることを「昇格」と呼びます。
昇進のタイミング
昇進のタイミングは、一般的に勤務態度や実績などを評価項目と定め、該当する社員に面談・試験を経て決定します。本人の希望がある場合は、それらも踏まえて検討・決定する流れです。
保有スキルや能力、技術面のスキルといったものも考慮されるほか、積極的に働く意思があること、必要であれば資格取得も視野に勤務する人材であれば、昇進のタイミングは早くなる傾向にあります。
昇格との相違点
昇進と昇格の違いは、評価に対する制度の導入有無です。昇進の場合は、勤務態度や勤続年数、保有するスキルを中心に決定しますが、昇格は社員をランク付けする制度(職能資格制度)によって決定します。
昇進は本人の希望も反映されやすいといった特徴を持つ一方で、昇格は企業が定めた基準値に達しているかをベースに決定します。
昇進が近い場合は転職すべきではない?
昇進の話がある場合は、以下3つの方法を検討しましょう。
- 昇進し役職の実績を積んでから転職する
- 役職に就いたらすぐに転職する
- 昇進の話を断って転職する
現職から離れたい理由があるのなら「昇進の話を断って転職する」方法が選択肢として挙げられます。。
新たな領域の仕事について知り、自身の知識として会得した上で転職すれば、戦力として採用される可能性が高まります。
転職活動では他応募者よりも能力が高く、企業にとって優秀な人材が求められるので、現職に不満がない場合は、将来を見据えた上で転職を検討しましょう。
昇進によるメリット・デメリット
昇進はさまざまな評価項目によって決定されることから、企業からの評価が高いと判断できます。ここでは、昇進によって生じるデメリットがあることも押さえておきましょう。
メリット
昇進によるメリットには、責任の大きさと比例して仕事へのやりがいや充実度が増すことが挙げられます。
仕事に対するやりがいや充実度が増せば、自己肯定感の向上にもつながり、より企業に貢献したいと考えるようになるでしょう。さらに、昇進によって給与が上がるほか、待遇面が有利になることから、安定した生活が送れるといったメリットもあります。
デメリット
昇進によるデメリットは、任される仕事の責任感が増し、ストレスを感じやすくなる点が挙げられます。作業内容によっては難易度が高くなるケースも多く、心身共に疲労しやすくなる場合もあるかもしれません。
しかし、昇進は自身の能力や実績を評価された結果です。企業にとって優秀な人材であることはもちろん、優遇すべき判断されたと考えられるため、キャリアアップを目指す方にとってのチャンスと言えるでしょう。
昇進しやすい人の特徴
昇進しやすい人の特徴は、企業の評価基準によって異なります。しかし、一般的には、「能動的に動ける」「成果を出している」「勤務態度・学習意欲が評価されている」など、既存従業員の業務レベルや傾向から決定されると考えられます。
能動的に動ける
昇進しやすい人は、自分で考えながら能動的に動ける人が多い傾向にあります。言い渡されたことをただこなすのではなく、指示内容をベースに自分にできることや、より上流の結果につなげられないか判断しながら仕事に取り組みます。
自分ができることはなにか、上司の指示がなくても常に考えながら仕事をできる人材は昇進しやすい傾向にあります。
成果を出している
企業によってはノルマや目標を立てる場合もあります。ノルマや目標を達成している人は企業に貢献していると判断され、昇進しやすくなります。
毎月決められた成果を出すのは非常に困難です。しかし、能動的に動き考えながら成果を出す人は企業から見ても手放したくないと考えられ、昇進しやすい傾向にあります。
勤務態度・学習意欲が評価されている
勤務態度が真面目で、常に学習意欲がある人も、昇進しやすい傾向にあります。また、常に自身のアップデートを心がけ、企業に貢献できることはなにかを考えている人も、昇進しやすい人材の特徴に当てはまるでしょう。
上司から受けた業務指示をはじめ、教えられたものを全て自身に取り込む能力は、有能な人材として高い評価を得られ、昇進しやすい人の特徴に該当します。
コミュニケーション能力がある
上司や上層部はもちろん、同僚や諸先輩、顧客など多くの人と関わるビジネスシーンでは、コミュニケーション能力の高さも評価基準に含まれます。
コミュニケーション能力が高ければ、一人ひとりの視点に合わせた言動が自然で、信頼関係を築きやすいでしょう。
課題発見力がある
能動的に動ける人と共通しますが、課題発見力が高い人も昇進しやすいといえます。常にチームや企業にとって「良い働き方とはなにか」を模索しているため、業務プロセスにおける改善点を発見しやすいといった特徴があります。
昇進するにつれて任される仕事も増えることから、課題発見力の高さは日頃から意識付けておくことが大切と言えるでしょう。
ストレス耐性がある
昇進には給与アップや待遇面の有利さといったメリットがある一方、より責任感の強い仕事を任されることになります。そのため、ストレス耐性が高い人ほど昇進しやすいです。
責任感の強い仕事を任されると、大きな不安に苛まれることもあります。そのようなときは初心に帰る時間を設けるといいでしょう。初心に帰ってこれまで身につけた作業内容を振り返り、内容をアップデートすることで、不安の軽減につながり業務に集中できます。
部下の育成能力に優れている
昇進とは、一般社員から主任へ役職がつくケースや係長から課長へと役職が変わることです。これまで一般社員だった人が主任へと昇進すると、チームをまとめながらプロジェクトを完遂させる方向に指示する業務が加わります。
チーム全体を見渡しながら適切な指示を出す必要があることから、部下育成能力が優れている人も昇進しやすい傾向にあります。
リーダーシップがある
チーム全体を見渡しながら適切な指示を出し、プロジェクトの遂行を目指すには、高いリーダーシップも求められます。
ただ一方的に指示するといった方法ではなく、社員一人ひとりの能力や働き方に合わせたフィードバックができると判断された人は、周囲との信頼関係も築きやすいため、昇進しやすい傾向にあります。
素直にフィードバックを受け入れられる
上司や先輩、同じ年齢の同僚や後輩から受けたフィードバックを、素直に受け入れられる人は昇進しやすいです。
あらゆる方向から生まれたフィードバックは、自身の働き方を見直す良い機会になります。そのため、誰からどのようなフィードバックを受けても、素直に受け入れられる人は、順応性や貢献度が高いと判断され、昇進につながるのです。
昇進できない人の特徴
さまざまな評価項目によって昇進しやすい人の特徴がある一方で、昇進には至らない人の特徴もあります。当てはまる項目がないかを振り返るためにも、確認しておきましょう。
自発性がない
昇進しやすい人の特徴として「能動的に動ける人」がありますが、その真逆として「自発性のない人」は昇進できない人に分類されます。
自発性がないと、自分の中で考えながら仕事ができないと判断されてしまいます。昇進を目指す人は、積極的に動き、考えながら業務遂行を目指す働き方を心がけましょう。
口だけで行動が伴っていない
言葉には真面目さや立派さが感じられても、行動が伴っていない人は昇進できない人に分類されます。
言動が一致しない人材は、チーム全体のモチベーションを低下させる原因につながるほか、チーム自体の評価を下げてしまう場合もあります。
これまでの言動を振り返り、思い当たる部分があればこの機会に改善を図りましょう。
企業・上司から信頼されていない
勤務態度や日常的な言動、働き方によっては、企業や上司から信頼を得られず、昇進できない場合もあります。
勤続年数だけが更新され、昇進のチャンスが巡ってこないと考える方は、この機会に勤務態度や言動、これまでの働き方を見つめ直してみましょう。
成果を上げられていない
ノルマや目標を達成できない人も、昇進できない人に分類されます。たとえ上司から「ノルマはあくまで目標だから」と言われたとしても、できる限り達成しようと働かなければ努力していると判断されず、昇進が困難になるでしょう。
また、上司からの言葉を鵜呑みにする人も、言い渡されたことしかできないと判断され、昇進には至りません。
成長意欲が見られない
企業は常に進化を遂げ、時代に順応した働き方を取り入れています。これは社員にも共通し、企業にとって、貢献できる働き方について考えられない社員は、成長意欲がないとみなされます。
自分に自信がない
勤務態度やコミュニケーション力が十分でも、自分に自信がなければ本来の能力を十分に発揮できません。自信がない状態が続くと挑戦心や競争力が損なわれ、昇進につながる成果を挙げるチャンスを掴みにくくなるでしょう。
まとめ
昇進は企業によって評価基準が異なるものの、勤務態度や働き方、貢献度の高さなどで決定されます。昇進の話がある一方で転職を検討する方は、よっぽどの理由がない場合はキャリアアップ後に転職するのが望ましいでしょう。昇進によって役職が変われば、待遇面が良くなるのはもちろん、今後のキャリアの選択肢も広がります。