売上高営業利益率とは?計算方法や水準、その他の指標との相違点について解説

2023年10月9日

2024年4月26日

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Izul広報チーム

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売上高に対する営業利益の割合を「売上高営業利益率」といいます。今回は、売上高営業利益率の重要性や計算方法、平均水準について解説します。売上高営業利益率と併せて覚えておきたい指標や、売上高営業利益率を算出するメリット・デメリットも紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

売上高営業利益率とは

売上高営業利益率は、売上高に対する「営業利益」の割合のことです。売上原価・販売費・一般管理費など、売上高に含まれる経費を差し引き、商品の販売を通じてどのくらいの利益が出たのか算出するために使用されます。本業で得た純粋な利益を表すため、企業の根幹といえる事業活動の成果を導き出すための必要な指標です。

売上高営業利益率の重要性

売上高営業利益率は、自社の本業による収益力を把握するうえで重要な指標です。自社の経営効率を把握するために、売上高営業利益率を基準にすることもあります。

業種別の水準と比較して売上高営業利益率が低い場合、本業で得る収益が下がっていると判断できます。一方で水準よりも売上高営業利益率が高ければ、経営効率が良い状態といえるでしょう。

売上高営業利益率を把握するには、売上高総利益率と比較することが大切です。売上高総利益率とは、売上高の内を占める「粗利利益率」を示す指標のことです。売上高総利益率と比べて売上高営業利益率が低い場合は、原価が高いことで粗利率が上げられていないことも考えられます。

本業での利益が下がっている現状の把握や、原因を解明するために売上高営業利益率が役立ちます。経営状況を見直し、新たな戦略を立てるために活用できる指標だと認識しておきましょう。

売上高営業利益率の計算方法

売上高営業利益率を計算する場合は、以下の計算式を活用してください。

営業利益 ÷ 売上高 × 100 = 売上高営業利益率

売上高営業利益率を導き出すために必要な「営業利益」は、以下の計算式で算出できます。

売上高 – 売上原価 – 販売費・一般管理費 = 営業利益

営業利益の算出に必要な販売費・一般管理費とは、サービスを提供するために必要な費用と、業務管理活動に必要な費用のことです。従業員の給与・家賃・光熱費や、広告宣伝費用などが該当します。

売上高営業利益率の平均水準

ここでは、売上高営業利益率の平均水準について解説します。売上高営業利益率がマイナスであることは、いわゆる「赤字経営」の状態です。マイナスになってしまった場合は、黒字化につながる施策を考案・実行しなければなりません。ここで紹介する平均水準に該当していない場合は、早急に対策を講じてください。

売上高営業利益率10%程度

売上高営業利益率が10%程度であれば、標準的な水準といえます。ただし、あくまで標準であるため、より高い水準に向けた経営改善を実施しなければ一気に衰退する可能性もあります。現状が10%と比べて極端に低い数値の場合、まずは10%を目指すべきでしょう。10%に到達後、現状に満足せずより高い水準に到達できるよう戦略を考案してください。

売上高営業利益率11%~20%

売上高営業利益率11%~20%は、優良水準です。11%~20%の範囲で売上高営業利益率を維持できていれば、持続的成長や投資における好循環が期待できます。売上高営業利益率が11%~20%を推移している状態は、売上が増加傾向にあることと同様に、企業における安定経営の必須条件といえるでしょう。

売上高営業利益率20%以上

売上高営業利益率が20%以上は高水準ではありますが、注意していなければなりません。なぜなら、売上高営業利益率が20%以上の状態は「儲かりすぎ」だと考えられるためです。「儲かりすぎ」の状態は主に、以下が原因で発生します。

  • 人件費の水準が極端に低い
  • 取引先企業に無理を強いている
  • 保守、修繕に不足がある

上記はいわゆる経営における「歪み」とされ、歪みがある状態で売上高営業利益率が20%以上だと、今後急速に衰退する危険性もあるのです。経営上の歪みがまったくない状態で売上高営業利益率を20%以上にできている場合は、問題ありません。

あわせて覚えておくべきその他の指標

売上高営業利益率以外にも、利益を表す指標が存在します。ここでは、売上高営業利益率とあわせて覚えておきたい売上総利益・経常利益・当期純利益の3つについて解説します。

売上総利益

売上総利益とは「粗利益」のことです。企業における本業で、どれほどの利益を出したのかを表します。商品の仕入れや製造にかかるコストを差し引いた状態で、同業他社との競争力を比較できる指標です。売上総利益(粗利益)を算出する際は、以下の計算式を使用してください。

売上高 – 売上原価 = 売上総利益

経常利益

経常利益とは、通常業務における利益を表す指標のことです。本業以外で得られる受取利息・受取配当金などの「営業外収益」と、支払利息・社債利息・有価証券売却損などの「営業外費用」をもとに算出します。経常利益は、企業の実力を確認するための指標であり、売上高営業利益や売上総利益よりも経営状態を把握するのに有効な指標です。経常利益を算出する式は以下を参考にしてください。

営業利益 + 営業外収益 – 営業外費用 = 経常利益

当期純利益

企業における「最終的な利益」を表す指標を、当期純利益といいます。法人税・住民税・事業税と、会計上の利益と法人税法に基づいて計算された課税所得のずれを調整する「調整額」を使用して算出します。法人税などを支払う前の利益のことを「税引き前当期純利益」といいます。当期純利益を正確に算出する際は、まず税引き前当期純利益を導き出してください。

<税引き前当期純利益の計算式>

経常利益 + 特別利益 – 特別損失 = 税引き前当期純利益

<当期純利益の計算式>

税引き前当期純利益 – 法人税等 ± 法人税等調整額 = 当期純利益

売上高営業利益率を算出するメリット

売上高営業利益率を算出することで、経営状態を正確に把握できます。「本業での収益率は低下しているか」「経営効率が良いか」といった指標にもなるため、現在の経営手法が正しい方向に進んでいるかを判断する一つの基準にもなります。企業経営の安定につながる利益の割合を算出し、確実に数値目標を達成させるための基準にできるのも売上高営業利益率のメリットです。

まとめ

今回は、売上高営業利益率の概要や計算方法、関連情報について解説しました。売上高営業利益率とは売上高に対してどれほどの営業利益を出したのか算出するための指標であり、自社の本業にどれほどの収益力があるのかを把握できます。正確な数字を算出する際は、基本的な計算方法と、売上高営業利益率に関連する指標の計算方法を把握しておくことが大切です。あわせて、平均的な水準も知っておくことで、自社の現状・課題も理解できるでしょう。今回紹介した内容を、自社の売上高営業利益率を把握するうえでの参考にしてください。

監修者・中田 潤一

中田 潤一

株式会社キーエンス株入社後、サントリー株式会社→アリババ株式会社→株式会社リクルート住まいカンパニー リクルート在籍時に株式会社Izulを立ち上げ、現在に至る。株式会社Izulを含め4社の代表取締役を勤める。スキルシェアサービス「タイムチケット」では就職・転職カテゴリーで46ヶ月連続1位獲得、年間アワードを3年連続受賞。

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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