転職活動における採用面接は、少なからず緊張するものです。「この会社に転職したい」と強く思えば、それだけ緊張してしまうのは当然のことです。しかし極度の緊張のせいで思うように実力を発揮できず、後悔が残ってしまう可能性もあります。大事な面接で失敗しないためには、なぜ緊張してしまうのか、どのような対策をすれば良いのか事前に知っておくことが大切です。今回は数多くの面接対策に携わってきた転職エージェントの視点から、面接で緊張してしまう理由や緊張しすぎないための準備、ポイントについて解説します。
面接で緊張してしまう4つの原因
そもそも、失敗したくない大事な面接の場に限って緊張してしまうのはなぜなのでしょうか。緊張する原因を探り、メカニズムを理解するところから始めてみましょう。
結果が人生を左右するというプレッシャー
転職活動における面接で緊張してしまう理由として考えられるのは、プレッシャーの大きさです。選考の結果は、その後の人生に大きく関わります。そのため「絶対に失敗できない」という思いが強ければ強いほどプレッシャーが大きくなり、緊張を生み出してしまうのです。人生の転機であることは事実ですが、自分を過度に追い込むと本来の実力が発揮できなくなってしまいます。
初対面の面接官との受け答え
応募先の企業で面接対応をする面接官とは、その場で初めて顔を合わせることになります。初対面の人と話す時は多少なりとも緊張するものであり、それが面接であればなおさらです。面接会場となる会社も初めて足を踏み入れる場所なので、緊張感はさらに大きくなってしまいます。
緊張しないようにと過剰に考えすぎる
「緊張しないように」「失敗したくない」と過剰に考えすぎるのも緊張をさらに強める原因です。特に過去に緊張しすぎて面接がうまくいかなかったという経験がある人は、自信を失うことで冷静に考えられなくなっており、過去と同じような状況を恐れて過剰に考えてしまう傾向があります。
「次は大丈夫。同じことは起きない」と前向きに考えて、気持ちを落ち着けるのがポイントです。
落ちたらどうしようという不安
「落ちてしまったらどうしよう」「もし上手に受け答えできなかったらどうしよう」と、不安要素ばかりを思い浮かべてしまうことも緊張を誘発する原因です。ネガティブなイメージは、不安な感情をどんどん大きくしてしまいます。「ダメでもともと」とポジティブに構えられる人と比べても、不安要素や心配事ばかり考える人のほうが本番で緊張してしまうのです。
緊張した時の失敗例
実際の面接で強い緊張を感じてしまうとどのような失敗に繋がりやすいのでしょうか。緊張による失敗は自分だけではないと理解できれば、ほんの少しでも楽な気持ちで本番に臨めるようになります。
強い緊張を感じると体は勝手に反応し、さらに焦りを感じてしまいます。以下は、緊張でよくある体の反応パターンです。
頭が真っ白になる | 頭が真っ白になり簡単なことも思い出せなくなるため、的外れな回答や一貫性のない回答をしてしまったり、話せなくなったりする。 |
声が震える | 「ハキハキと話したいのに声が震えてしまう」と自分で感じると萎縮してしまい、声が小さくなってしまう。 |
体調が悪くなる | 極度の緊張により、過呼吸や頭痛、吐き気などの強い症状が出てしまい、面接が続行できなくなる。 |
面接で緊張するのは悪いことなのか?
面接で緊張することは、決して悪いことではありません。むしろ緊張している求職者を見て、面接官は転職への真剣さを感じ、好印象を持つ可能性の方が高いのです。緊張する・しないに有利・不利はありません。面接官が見ているのは、求職者の「人となり」です。そこが伝われば内定獲得につながります。そのため、どんなに緊張しても自分自身をアピールできるように、面接の練習を重ねて準備しましょう。
面接で緊張しない方法とは?事前準備や練習のやり方を解説
続いては、面接での緊張を少しでも軽減するために有効な対策を紹介します。落ち着いて本番に臨めるように、しっかりとチェックしてみてください。
面接の質問を想定して回答を考えておく
「どんな質問をされるんだろう」「どのように答えればいいんだろう」という不安を少しでも解消することで、本番での緊張感は軽減できます。そのために、前もって想定される質問を書き出し、その回答を考えておきましょう。知り合いに手伝ってもらい、模擬面接を行うこともおすすめです。入念な準備は自信に繋がり、面接官から見たあなたの印象も少なからず良いものになります。
丸暗記はしない
前項では回答を準備しておくというポイントをお伝えしましたが、回答を丸々暗記することは推奨できません。想いが込められていない暗記しただけの言葉は、相手の心を動かしにくいものです。また、緊張で暗記していた内容を思い出せないという事態を引き起こす可能性もあります。伝えるべき内容は事前に用意しつつ、その伝え方は面接官との会話の中で生み出すことが理想的です。自分の言葉を繋いで相手に伝えることを意識して練習してみましょう。
自分を大きく見せようとしない
どれだけ入社したいという気持ちが強くても、自分を大きく見せようとしてはいけません。転職における面接では「ありのままの自分を伝える」という意識が大切です。事実を誇張したり、聞こえのいい言葉ばかりを並べても、たくさんの求職者を相手にしている面接官には見抜かれてしまいます。自分を良く見せようとし過ぎないように注意しましょう。
企業研究を入念にしておく
面接では、企業のことをどれだけ調べているかを推し量るような質問も想定されます。その際に慌てること無く、熱意を持って答えられるように、企業の研究は入念に行いましょう。近年ではホームページを持っている企業が多く、インターネット上で企業の理念や代表の想い、事業内容などを調べることができます。十分に下調べしておくことで、自信を持って面接に挑めるようになります。
発声や笑顔の練習をしておく
面接本番では、普段よりも声は小さく、表情は固くなってしまうものです。いくら元気に受け答えをしようと考えていても、本番で全てを発揮できるものではありません。ハキハキとした発声や笑顔の作り方を事前に練習することで、面接官へ良い印象を与えられるようになります。
面接当日の緊張を抑えるテクニック
最後に、面接本番における緊張しないために面接当日にできる対策を3つお伝えします。本番で実力を発揮するためにも、内容をしっかりと把握しておきましょう。
面接対策の質問や回答を頭の中で反復する
面接当日はこれまで考えたり練習してきた面接の質問や回答を頭の中で反復し、体に染み込ませましょう。そうすることで、面接本番でもちょっとした言い間違いや突っかかりにとらわれず、伝えたいことやアピールポイントをしっかり話せるようになっていきます。反復できていることを認識できれば自信にもつながり、想定外の質問にも余裕を持って対応できるでしょう。
「質問に答えられている自分」をイメージしながら反復してみましょう
家を出る前にリラックスタイムをつくる
面接本番で緊張しないためにも、家を出る前にリラックスタイムを作りましょう。体がこわばらないようにストレッチして血行をよくしたり、深呼吸して副交感神経を優位したりするなどすると、頭がすっきりします。リフレッシュすることで、気持ちを前向きにして出かけましょう。
時間に余裕を持って行動する
「焦り」も緊張を生み出す要因となり得ます。面接当日は、何かトラブルが起きても落ち着いて対応できるくらい時間には余裕を持って行動しましょう。面接時間ギリギリに会社へ到着するようでは、心を落ち着かせる間も無いまま面接に臨まなければなりません。会場には早めに到着し、身だしなみを整えて一呼吸おいてから落ち着いて面接を受けるようにしましょう。
転職エージェントIzulでは、書類選考や面接対策だけでなく、選考当日の心構えや緊張対策なども担当コンサルタントが親身にサポートします。自信を持って転職したい方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。
面接中に緊張を感じた場合の対処法
面接中に極度の緊張を感じたとしても、その場で対処する方法はあります。ここでは、効果的な3つの方法を紹介します。
早口にならないようにゆっくりと話す
緊張感がある場では、無意識のうちに早口になってしまいがちです。自分が早口になっていることにも気づかず、相手に不快な印象を与えてしまうかもしれません。本番で受け答えをする際は普段よりもゆっくりと、面接官に大事な話を丁寧に伝える意識を心掛けましょう。ゆっくりと落ち着いて話すことで、次第に自分の感情もリラックスしていきます。
腹式呼吸を心がける
緊張感は、呼吸法だけでも和らげることが可能です。お腹を大きく膨らませながら息を吸い、履くときにはお腹をへこませる腹式呼吸がリラックスのためのコツです。深呼吸をして気持ちを落ち着かせ、お腹の底から声を出すことで過度な緊張を改善できるので、ぜひ試してみてください。
緊張していると正直に伝えてみる
面接時に緊張しすぎて体が震えたり、声が出なくなってしまったら、いっそのこと正直に「緊張しています」と面接官に伝えましょう。面接官は多くの求職者の面接経験があり、緊張することを否定的に捉える人はほとんどいません。「緊張している」と伝えることで、気持ちが落ち着きやすくなる効果も期待できます。
面接で緊張しやすい人が知っておきたいQ&A
ここからは数多くの転職支援に携わってきた転職エージェントの視点で、面接対策・求職者面談でよくある質問への回答をまとめて紹介します。
面接直前で緊張をほぐす方法があれば教えて!
面接の待ち時間に簡単にできるストレッチが効果的でしょう。例えば、つま先やかかとを上げ下げしたり、足の指を動かすなどであれば、座っていても立っていてもできます。可能であれば手首や足首を回したり、ふくらはぎを指で押すなどして血行をよくすると頭がすっきりして、緊張がほぐれやすくなります。
面接で「緊張していますか」と聞かれたらどうする?
面接官から「緊張していますか?」と聞かれたら、正直に「緊張しています」と答えましょう。さらに「御社が第一志望なので」とさりげなく付け加えると、面接官に好印象を与えられます。自身で「緊張している」と言葉にすることで、気持ちが落ち着く効果も期待できます。
面接で緊張しすぎて話せない場合の対処法は?
緊張で話せなくなってしまったら、黙り込んでしまわずに「申し訳ありません。少々考える時間をください」と正直に言って、落ち着く時間を作りましょう。ただし何分も待たせてしまうのも印象が悪くなるため、1〜2分程度で考えをまとめて話し始めるのがベストです。
面接途中で頭が真っ白になったら?
面接の途中で頭が真っ白になった場合、慌てず深呼吸しましょう。その後、面接官に「すみません。頭が真っ白になってしまって……」と正直に伝えて考える時間をもらうか、面接官の質問を反復しながら、冷静になるのを待ちましょう。
質問を反復することは、面接官の質問を正確に聞き取っている印象を与えるため、マイナスイメージにはなりません。
まとめ
転職活動を行う上で、採用面接は避けられない関門です。前もってできる限り対策をとることで、本来の実力を発揮できるようになります。成功に近づくためにも、緊張してしまう理由や対処法を覚えておきましょう。
面接で緊張しすぎないための対策として、転職エージェントIzulでは志望動機から面接練習までしっかりと対応を行い、本番さながらの面接練習を実施しています。面接時の緊張を抑えられるのはもちろん、改善すべき点のフィードバックも受けられます。模擬面接を重ねることで、面接での緊張に対処しましょう。