転職を成功につなげる職務経歴書を作成するには、自己PR欄を意識して作成することが大切です。しかし、職務経歴書の自己PRをどう書くべきか、把握しきれていない方もいるでしょう。この記事では、職務経歴書の自己PR欄に何を書くべきか、履歴書との役割の違いや基本的な書き方、自己PR欄でチェックされやすいポイントについて解説します。
職務経歴書の自己PR欄に書くべきこと
職務経歴書の自己PR欄には、応募先の企業で活かせるスキルや、応募職種と親和性のある資質を記載してください。例えば、応募先企業が営業職を求めている場合、自身の強みである「交渉力」を記載するという形で、求められているものと自身の能力との関連性を意識することが大切です。
自身のスキルや資質をただ羅列するだけでは、応募先企業の求める人材にマッチしない可能性が高くなります。そればかりか他社と同じテンプレート文を並べているだけと判断され、マイナスの評価につながることもあるため、注意が必要です。
自己PRの役割は履歴書と職務経歴書で異なる?
自己PRは履歴書と職務経歴書どちらにも記載欄がありますが、役割や書き方に違いがあります。少ない記載欄に要点を絞って自己PRを書く必要がある履歴書に対し、具体例やエピソードを交えて詳しく記載できるのが職務経歴書の特徴です。
また、履歴書の自己PR欄は志望動機欄と同じになっている場合もあり、踏み込んだ内容を記載できません。一方で職務経歴書は文字数に余裕があるため、より具体的な内容を記載できます。
履歴書と職務経歴書の自己PR欄は、文字数に以下の違いがあることも覚えておくと良いでしょう。具体的には、以下のような文字数が目安となります。
履歴書:200〜350文字
職務経歴書:400文字前後
職務経歴書の方が若干文字数に余裕があるため、より踏み込んだ内容を記載できるでしょう。また、文章を作成する際は、できるだけ記載欄を埋められる文章量を意識してください。短すぎず、長すぎないことが大切です。
【職務経歴書版】自己PRの書き方
職務経歴書の自己PR欄を書く際は、キャリアの棚卸しと、求められる人物像の把握、応募企業にマッチした文章の考案を意識しなければなりません。ここでは、職務経歴書の自己PR欄をどう書くか、ステップごとに解説します。
1:キャリアの棚卸し
まずは、自身のキャリアを棚卸する必要があります。過去の経験や実績、スキルを時系列で振り返ったうえでこれまでのキャリアをまとめましょう。自身が考える内容だけでなく、上司や同僚、取引先の方から得た客観的な評価を、自身の言葉に落とし込んでまとめることもキャリアの棚卸しでは必要です。キャリアを棚卸しする際は、できるだけ具体的かつ関連するエピソードも洗い出しておきましょう。
2:求められる人物像の把握
応募先の企業が、どのような人材を求めているのか把握することも大切です。企業ホームページや採用ページを確認し、企業研究のもとで、求められる人物像を把握してください。求められる人物像を把握するうえでは、応募先企業の企業理念・ミッションを知る必要もあります。企業理念・ミッションを把握したうえで、自身のスキルや適性を求められる人材像に落とし込みましょう。
3:応募企業にマッチする文章の考案
職務経歴書の自己PR欄は、いかに「一言でアピールできる内容であるか」が重要です。応募企業にマッチする内容を考えるのはもちろん、自身の強みをどう活かせるか、わかりやすく記載する必要があります。また、キャリアの棚卸しや求める人物像の把握時に導き出した内容と、関連性の深い文章を考案することも大切です。具体的なエピソードを交えながら、自身の強みと企業のニーズがマッチする内容を記載してください。
職務経歴書の自己PR欄でチェックされること
職務経歴書の自己PR欄を書く際は、企業が「どこを」チェックしているか把握しておくべきです。企業がチェックしている箇所を把握できていれば、自己PR欄における内容のミスマッチを防止できるでしょう。ここでは、職務経歴書の自己PR欄で企業がチェックしている箇所を紹介します。
ビジネススキル
企業は職務経歴書の自己PR欄を通じて、応募者がどのようなビジネススキルを有しているかチェックしています。業界・職種を問わず重視されるコミュニケーションスキルやパソコンスキルなど、ビジネスパーソンとしての基礎になるスキルがなければ、仕事をこなすのは困難です。そのため、職務経歴書の自己PR欄には、一般的とされるビジネススキルをどの程度習得しているか、具体的に記載しておくことをおすすめします。もし自己PR欄に記載しきれない場合は、履歴書のスキル欄にできるだけビジネススキルの内容を細かく書くようにしてください。
意欲
自己PR欄から感じ取れる入社意欲が書類選考の判断基準となることもあります。入社意欲が高いことを職務経歴書から伝えるためには、ただスキルや実績を記載するだけでは効果がありません。自身のスキル・実績をもとに、入社後にどのような成果を上げたいのか記載することが大切です。また、入社後に自身のスキルを活かし、企業をどう成長させたいか記載することで、自身だけでなく企業のことも考えてくれているという印象を与えられます。
社風との合致性
たとえ優秀な人材であったとしても、社風にマッチしていなければ採用されません。社風にマッチしていない人材の採用により、早期退職やミスマッチによる業務の非効率化が懸念されます。そのため企業は、職務経歴書の自己PR欄から、自社の業務や風土にマッチしているかを判断しています。社風との合致性が高いと判断されるよう、自身のスキルや実績、展望を応募先企業の理念やミッションとあわせて柔軟に変化させたうえで記載しましょう。
職務経歴書に自己PRを書くうえで意識すべきこと
ここでは、職務経歴書の自己PR欄を書く際、意識しておきたいポイントを4つ紹介します。ここで紹介するポイントを押さえ、応募先企業の印象に残る自己PR欄を作成してください。
文章量・アピールする項目数
自己PR欄を書く際はまず、文章量を意識してください。職務経歴書に記載できる文字数は最大400文字程度です。400文字程度に収まるように、記載内容を精査してください。また、文字数がオーバーしないよう、記載すべき項目数を意識することも大切です。限られた文字数で自身のことを最大限アピールできるよう、本当に重要な項目に絞って記載しましょう。
読みやすさ
自己PR欄を書くうえでは、文章そのものの読みやすさを意識することも大切です。スキルや実績がいかに優れていても、読みにくい文章では内容が理解されず、十分なアピールができません。自己PR欄を作成したあとは何度か読み直し、客観的に読みやすい文章か判断しましょう。もしくは第三者に読んでもらい、一般的に読みやすい文章か判断してもらうことも大切です。
誤字・脱字
誤字・脱字がないか、提出前にチェックすることも忘れてはいけません。内容が問題なくても、誤字・脱字があるだけでビジネスマナーがなっていないと判断されてしまいます。手書きの場合は、ダブルチェック・トリプルチェックを徹底しましょう。パソコン入力の場合は、校閲ツールなどを活用して誤字・脱字の有無をチェックしてください。
客観的根拠となる数字・実績
自己PR欄に記載する内容に、根拠となる数字や実績を記載しましょう。「前年比を上回る成約率を実現した」という抽象的な形ではなく「前年比よりも成約率を30%上昇させた」と、数字やデータを使い、具体的な形で記載することが大切です。客観的根拠となる数字・実績を記載することで、自身の上げた成果をより具体的にアピールできます。
まとめ
職務経歴書の自己PR欄は、自身のスキルや実績をアピールするうえで非常に重要な役割を果たします。履歴書よりも多い文字数で書けるため、より具体的な内容を記載できるでしょう。職務経歴書の自己PR欄に記載する内容を精査することで、応募先企業に対して効率的にアピールできます。今回紹介した内容を、転職の成功率を高める自己PR欄の作成に役立ててください。