面接で自己紹介をするように指示された際に、志望動機や自己PRと混同させると、マイナスの印象を与えてしまう可能性があります。自己紹介の複数のパターンをあらかじめ確認し、答え方を決めておくことが大切です。この記事では、中途採用の面接の自己紹介のポイントや例文のOK・NGパターンを紹介します。
中途採用面接の自己紹介のポイント
中途採用面接の自己紹介では、即戦力であることをアピールするために長々と自己PRをしてしまう方が多いのではないでしょうか。自己紹介の意図を捉え、的確に回答することが大切です。中途採用面接の自己紹介のポイントについて詳しく見ていきましょう。
面接官の指示通りに自己紹介する
自己紹介には、自己PRや志望動機などを交えて行うパターンと、自己紹介のみを行うパターンなど、複数のパターンがあります。面接官の指示に従って、自己紹介しましょう。相手の指示を的確に受け止めて答える能力が試されています。
自己紹介の各項目は簡潔に伝える
自己紹介が長くなりすぎると、伝えたいことがぼやけてしまいます。また、その後に続く自己PRや志望動機などと重複しやすくなるため、1~2分程度で伝えられるようにまとめることが大切です。全ての職場でのエピソードを伝えるのではなく、応募する企業や職種にマッチしたものに絞り込みましょう。
実績は厚めに回答する
実績は、即戦力であることをアピールするための情報です。そのため、他の情報よりも厚めに回答するとよいでしょう。また、実績は「頑張りました」「努力が認められました」ではなく「前年比120%を達成しました」のように、具体的に数字で表現すると効果的です。
中途採用面接の自己紹介の構成
中途採用面接の自己紹介の構成は、基本的には決まっています。特に指示がない場合は、次の構成で自己紹介しましょう。
挨拶
自己紹介の冒頭で、丁寧に挨拶しましょう。面接の機会を与えていただいたことに感謝の意を述べます。「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます」といった言い方が一般的です。
氏名・職歴
名前ははっきりと、ゆっくりと発音しましょう。また、笑顔で伝えることで好印象を与えられます。職歴は、会社名、職種、役職、担当業務の要点を述べます。
例えば、「〇〇と申します。現在は株式会社△△で業務効率化ツールの法人営業に従事しており、3年にわたり新規営業からルート営業、商談成立後のアフターサポートまで網羅的に担当してまいりました。以前は、□□株式会社で2年にわたり法人営業をしており、営業成績でトップになった経験もあります」と伝えましょう。
実績・スキル
実績は、具体的な数字やデータで表すことでインパクトを与えられます。売上前年比120%アップ、30%のコスト削減といった表現方法があります。
例えば、「法人営業では売上前年比120%を達成しました。また、チームの業務効率化を目的に効率化ツールの導入を推進し、定着させることに成功しました。その結果、1日3件のルート営業が5件に増加し、売上アップに貢献することができました。」と伝えます。実績と同時に、行動力や成長意欲などもアピールできるでしょう。
意欲
過去の成功体験やスキルを踏まえ、応募企業でどのように活かしたいかを述べます。例えば、「効果的なプロジェクト管理やリーダーシップのスキルを培ってまいりました。この経験とスキルを御社の〇〇事業で活かしたいと考えています」と伝えましょう。
結び
自己紹介の結びに「本日はよろしくお願いします」という一言を添えることで、礼儀正しさを示すことができます。自己紹介ではビジネスマナーを試されるため、結びの挨拶を忘れないようにしましょう。
中途採用面接の自己紹介の例文
中途採用面接の自己紹介は、いくつかのパターンがあります。パターン別に回答方法を決めておき、本番で間違えずに回答できるように準備しておきましょう。自己紹介のOKパターンとNGパターンを紹介します。
「自己紹介してください」と言われた場合の回答例
「自己紹介してください」とだけ言われた場合は、自己紹介以外をするのはNGです。しかし、自己紹介と自己PRの使い分けに悩む方もいるでしょう。OKパターンとNGパターンの例を2つずつ紹介します。
OKパターン
次の2パターンはいずれも自己紹介のみのため、採用担当者の指示どおりの回答と言えます。
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○○(氏名)と申します。△△株式会社にて、5年間にわたり法人営業に従事しておりました。その前職では、車の販売ディーラーにおいて個人向け営業を担当しておりました。長年にわたる営業経験で身につけた潜在ニーズを引き出して課題解決に導くスキルを、御社の営業部門で活かしたいと考えております。よろしくお願いいたします。
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○○(氏名)と申します。△△株式会社にて、5年間にわたり企画部にて商品開発・企画に従事しておりました。その前職では、製造業においてプロダクトの生産ラインでチームリーダーを務めておりました。製品の企画から生産までの流れを理解し、実現性まで考慮した企画が可能です。このスキルを御社の企画部で活かしたいと考えております。よろしくお願いいたします。
NGパターン
以下のケースは、業務に関連がない自己紹介となっているため、採用の判断材料になりません。
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初めまして、○○(氏名)です。趣味は音楽鑑賞で、大学時代にはバンドを組んで活動していました。また、旅行も好きで、ヨーロッパ諸国を旅してきました。面接の機会をいただきありがとうございます
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初めまして、○○(氏名)です。趣味は読書で、特にSF小説が好きです。休日は友人と遊ぶか家でゆっくりしています。本日はよろしくお願いいたします。
「自己PRを交えて自己紹介してください」と言われた場合の回答例
自己PRを交えた自己紹介を求められたときは、実績やスキルを取捨選択して取り入れ、長くなりすぎないように注意しながら回答しましょう。OKパターンとNGパターンを2つずつ紹介します。
OKパターン
以下は、数値で実績を伝えつつ自身のスキルをアピールしているため、自己PRを交えた自己紹介と言えます。
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○○(氏名)と申します。△△株式会社で法人営業に従事し、売上前年比120%を達成しました。また、チームリーダーとして結果が出ている営業パーソンのノウハウをメンバーに共有し、チームの能力の底上げにも務めております。その前職では、保険営業として3年間従事し、3期連続で前年比を大きく超える結果を出し続け、全国でNo.1営業として表彰されました。この経験を御社でも活かし、売上アップとチームの向上に貢献したいと考えております。本日は、よろしくお願いいたします。
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○○(氏名)と申します。△△株式会社で商品企画に従事し、画期的なアイデアによって特定の分野で難しいと言われている新規参入を果たし、初年度から予測の150%を超える売上を実現しました。その後、企画部の部長としてアイデアを創出するためのアドバイスをメンバーに行い、チーム力の向上に努めています。この経験を御社の商品企画でも活かし、大きく広まる画期的な商品を企画したいと考えています。本日は、よろしくお願いいたします。
NGパターン
以下は、スキルではなく感性や本から得た知識といった業務に役立つかどうか判断できないものをアピールしているため、採用にはつながらないでしょう。NGパターンを2つ紹介します。
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こんにちは、○○(氏名)と言います。趣味は旅行で、国内外を問わず20以上の国と地域の文化に触れてきました。そこで培った多様な価値観を御社でも活かしたいと考えています。よろしくお願いいたします。
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こんにちは、○○(氏名)と言います。趣味は読書で、これまでビジネス書を中心に多くの本を読破してきました。そうして培ったビジネスの知識を御社でも活かしたいと思っています。よろしくお願いいたします。
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まとめ
中途採用面接の自己紹介は、自己PRを含むケースと含まないケースがあります。いずれの場合も選考の可否に大きく関わるため、あらかじめ回答方法を考えておいて、当日に緊張して失敗しないようにしましょう。今回、解説した内容を参考に、採用担当者に好印象を与えられる自己紹介を考えてください。