結婚は、転職を考えるきっかけになるイベントのひとつです。しかし結婚前後、どのタイミングで転職するのがベストなのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。この記事では、転職に適したタイミングや成功するためのポイントについて解説しています。結婚をハンディと感じず転職を両立させたい方は、ぜひチェックしてください。
結婚を機に転職する人の割合は?
厚生労働省が公表した「令和3年雇用動向調査結果の概況」によると、男性よりも女性の方が結婚を機に転職する人が多い傾向にあります。また、男女ともに25歳〜29歳の割合が最も高くなります。
年齢 | 男性 | 女性 |
20~24歳 | 0.0% | 3.7% |
25~29歳 | 3.3% | 10.0% |
30~34歳 | 0.8% | 3.1% |
35~39歳 | 0.0% | 0.7% |
平均 | 0.5% | 2.2% |
男性の転職理由
男性が結婚を機に転職する場合、収入アップを目的としていることが大半です。結婚は何かとお金がかかるうえに、子どもが生まれるとさらにお金がかかります。今後の生活を考えた時に「今の収入では家族を養っていけない」と判断することが、結婚を機にした転職理由の代表例です。
女性の転職理由
女性が結婚を機に転職する場合「家事や育児の時間を今以上に取りたい」「夫の勤務先についていく」など、さまざまな理由が挙げられます。日本ではまだ「女性は家庭を重視する」という価値観が残っているといえます。そのため、家庭や男性側の都合に合わせる人が多いといえるでしょう。
結婚前に転職するメリット・デメリット
ここでは、結婚前に転職するメリットとデメリットを紹介します。自分が想定するライフスタイルと一致するか、すり合わせてみましょう。
メリット
結婚前に転職するメリットは、仕事に慣れた状態で新生活をスタートできる点です。残業時間や休日などが事前にわかっていれば、結婚後の住居やライフプランもスムーズに決定できます。また、年齢によっては既婚女性より未婚女性の方が転職で有利になる場合も多く、仕事の選択肢が広がりやすい点も強みのひとつです。
デメリット
結婚前に転職するデメリットは、結婚前に想定していた生活と実際の生活が異なる場合がある点です。結婚後のことを考えて職場を選んでも、さまざまな事情で軌道修正が必要になるケースも少なくありません。その場合、入社してすぐに転職活動を再開しなければならなくなってしまうことも考えられます。
結婚後に転職するメリット・デメリット
ここでは、結婚後に転職するメリットとデメリットを解説します。先ほど紹介した結婚前のメリット・デメリットも踏まえて、慎重に判断しましょう。
メリット
結婚後に転職するメリットは、新生活に合わせて職場を選びやすい点です。結婚前と比べて今後の生活が大きく変わる可能性が少ないため、通勤時間・収入・仕事の負荷といった条件もしっかり決めやすくなります。また、名字変更などの社内手続きが不要な点もメリットです。
デメリット
結婚後に転職するデメリットは、転職が難航する可能性がある点です。特に結婚式を控えている場合、結婚式準備と転職活動を両立させるのは容易ではありません。また、実際の予定がなくても、企業から「すぐに産休・育休を取るのでは?」と判断されて転職で不利になるケースも少なくないでしょう。
転職は結婚前がおすすめ
それぞれのライフプランやキャリアプランによって違いはあるものの、一般的には結婚前に転職することがおすすめとされています。特に、結婚後すぐに子どもを望む場合はタイミングに注意しなければなりません。転職直後は育休が取りづらいだけでなく、産休による仕事の引き継ぎなどでトラブルになるケースもあります。可能であれば、結婚より1年以上前に転職するのがおすすめです。
結婚を機に転職する際のポイント
ここでは、結婚を機に転職する際のポイントや注意点について解説します。転職と結婚を両立させるためにも、以下で紹介する内容をしっかり押さえておきましょう。
パートナーとよく話し合う
結婚を機に転職する場合は、事前にパートナーとしっかり話し合っておきましょう。お互いの勤務地・収入状況・家事分担などを洗い出すことで、2人のライフプランに沿った転職先を選びやすくなります。どちらかの負担が極端に大きくならないような選択が大切です。
既婚者の割合をチェックする
転職先を選ぶ際は、あらかじめ既婚者の割合をチェックしておくとよいでしょう。既婚者が大勢いる職場であれば、仕事と育児の両立に理解を示す人も多いと判断できます。また、既婚者が長く在籍しているということは、結婚後も働きやすい環境ともいえるでしょう。
産休・育休の取得実績をチェックする
結婚後すぐに子どもを望む場合は、産休・育休の取得実績も忘れずにチェックしておきましょう。特に男性の育休取得率が高い職場は、子育てに協力的なケースが多い傾向にあります。また、企業によっては入社後1年未満の育休を認めていない場合もあるため、結婚後に転職する場合は注意してください。
柔軟な働き方ができるかチェックする
結婚後も長く働き続けたい場合は、柔軟な働き方ができるかあらかじめチェックしておくとよいでしょう。フレックスタイムや在宅勤務が認められている職場なら、家事や育児と両立しやすくなります。パートナーの転勤・転職の影響を受けづらいといった観点で、リモートワークの可否をチェックしておくのもおすすめです。
結婚式準備と転職活動の同時並行を避ける
結婚を機に転職する場合でも、結婚式準備と転職活動の同時並行はできるだけ避けましょう。どちらも準備に膨大な時間がかかるため、タイミングが重なってしまうとかなり忙しくなってしまいます。パートナーと相談したうえで、ある程度余裕を持ったスケジュールを立てるようにしてください。
まとめ
この記事では、結婚と転職のタイミングや注意点について解説しました。結婚後の新生活や妊娠・出産を考えると、一般的には結婚前に転職活動を進めるのがおすすめです。パートナーとしっかり話し合ったうえで、あらかじめライフプランやキャリアプランを立てておくとより良い選択がしやすくなるでしょう。今回紹介した内容を参考に、結婚をきっかけとする転職についての理解度を深めてください。