転職活動を円滑に進め、採用される確率を上げるためには志望動機の質を高めることが大切です。志望動機を作成する際は、内容はもちろん適切な「長さ」を意識する必要があります。
今回は、志望動機の適切な長さがどれくらいなのか?という疑問を解消します。志望動機の長さに配慮する重要性や、長さを最適化するうえで実践したいポイントも紹介するので、転職活動を成功させるための情報としてお役立てください。
なぜ志望動機を聞かれるのか
適切な長さの志望動機を作成する前に、そもそも志望動機をなぜ聞かれるのか改めて理解しておく必要があります。
企業は、自社への志望や入社の意欲を確認するために志望動機を聞いてきます。また、社風や人物像と応募者がマッチするか、面接の段階である程度把握するためというのも理由のひとつです。
意欲が伝わる志望動機を作成しなければ、自社に必要な人材だと感じてもらえません。志望動機からスキルや適性などを見極める企業も多いため「採用されやすくする」という意味で、重要なものであると認識しておきましょう。
志望動機を答える際の適正な長さとは
面接で志望動機を聞かれた際は、回答時間は「1分以内」を心がけてください。1分程度の長さであれば、面接官にストレスなく話を聞いてもらえます。
また、情報を的確に伝えやすくするためにも「1分」という時間を意識すべきです。1分であれば要点のみをまとめられ、かつ内容を覚えやすいため自信を持って話しやすくなるでしょう。
文字数に換算した際の適正な長さ
理想的な志望動機の長さを文字数に換算すると、およそ「250〜300文字」程度です。250〜300文字以内であれば、応募書類に記載する内容もまとめやすくなります。
また、口頭で志望動機を伝えるうえでの理想の長さである「1分」も、250〜300文字程度に抑えることで実現可能です。場合によっては自己PRも兼ねて伝えるケースもあるため、志望動機と自己PRを同時に伝えられる文章を作成しておくことを推奨します。
適切な長さの志望動機を作成するために押さえておくべき基本構成
志望動機を適切な長さで作成する際のポイントは、志望理由・根拠・転職後のビジョンで構成することです。ここでは、志望動機を構成するそれぞれの項目をどのように書くべきか解説します。
志望理由
志望理由は「貴社に入社したい」という思いを、採用担当者が即座に理解できる簡潔な文面で作成しましょう。いわゆる「結論」に該当する部分であるため、明確かつ分かりやすい文面を意識してください。
また、分かりやすく話をするためには、論理的な構成でなくてはいけません。そのために有効なのが、最初に結論を述べるという方法です。結論が見えないまま話が続くと、話がまわりくどくなり、面接官に「結局、何が言いたいのかはっきりしない」と思われマイナス評価につながります。
根拠
最初に挙げた志望理由に「なぜなら」と根拠を加えます。根拠は「結論」に説得力をもたせながら、補足説明するために重要です。志望理由とのつながりを重視し、根拠とあわせて伝えることで意欲を完全に伝えきれるような構成を意識してください。
転職後のビジョン
志望理由・根拠まで作成したら、入社したことを前提としたビジョンを明確にしてください。ビジョンを作成する際は、志望動機と根拠に基づいた内容を意識することが大切です。また面接官は、応募者の目標を聞いて、それが自社で叶えられそうかを判断しながら、前向きに仕事に取り組める人材かも見ています。そのため、経験を積んだ後に将来やりたい仕事を伝えることで「長年働いていく意思を持っている」と認識され、意欲が高い人と思われやすいでしょう。
志望動機の長さに配慮しないとどうなるのか
志望動機の長さを意識しないと「長すぎる」「短すぎる」といった評価に繋がりかねません。ここでは、志望動機の長さに配慮しなかった場合の悪影響について解説します。
長すぎる場合
志望動機が長すぎると、面接官がストレスを感じてしまいます。「適切な長さで話すことを意識できない」「何が言いたいのか分からない」と、マイナスの評価につながる可能性もあるでしょう。たとえ志望動機の内容が良くても、長さに問題があるとイメージダウンにつながるため注意が必要です。志望動機を伝えるのは、コミュニケーションの一環です。相手が真剣に聞き続けられるかどうか、意識したうえで話すべきです。
短すぎる場合
志望動機が短すぎると企業側に自身の熱意が伝わらず、「入社意欲が低い」と判断されかねません。簡潔に伝える必要はあるものの、大切な内容まで削ってしまっては本末転倒です。理想の長さ・文字数を意識し、芯になる情報や文面はしっかり残す必要があります。
志望動機の長さを適切にするためのポイント
ここでは、志望動機の長さを最適化するために実施したい、6つのポイントを紹介します。
- 複数パターンの長さで原稿を作成しておく
- 話す順番・項目ごとの優先順位を決めておく
- 具体的なエピソードを用意しておく
- 声に出して練習する
- 普段の会話の長さから変えてみる
- 企業ごとに面接時間の傾向を調べておく
複数パターンの長さで原稿を作成しておく
志望動機の理想の長さは1分、文字数に換算すると250〜300文字程度です。しかし、場合によってはそれよりも長い、または短い時間で求められる場合もあります。複数パターンの長さに対応できるよう、以下を参考にいくつか文面を作成しておくことが大切です。
- 30秒:125〜150文字
- 1分:250〜300文字
- 2分:500〜600文字
- 3分:750〜900文字
志望動機の時間が指定されている際は参考にしてください。
話す順番・項目ごとの優先順位を決めておく
志望動機を伝える時間・文字数は限りがあるため、本当に伝えるべき内容の順番を決めておくことが大切です。自身が企業に対してアピールしたい内容の中で、もっとも入社意欲を伝えるうえで効果的なものを分析し、構成してください。
具体的なエピソードを用意しておく
最初に用意する「志望理由」に基づく、具体的なエピソードも用意しておくべきです。具体的なエピソードは、志望動機を構成する「根拠」の部分に該当します。志望理由との関連も意識しつつ、できるだけ具体的なものを用意することが大切です。
声に出して練習する
面接で実際に志望動機を答えると想定し、声に出して原稿を読んでおきましょう。ただ読むだけではなく、伝わりやすさにつながる以下の点を意識しながら練習しておくことを推奨します。
- 話すスピード
- 声の大きさ
- 話すときの目線
- 呼吸のタイミング
普段の会話の長さから変えてみる
普段から「話が長い」といわれる場合は、日常会話から「長さ」を意識して改善していくと良いでしょう。話が長いといわれる人には、以下の特徴があります。
- 要点がまとまっていない
- 自分の話したいことのみ話す
- 話のゴールがないまま話し出す
コミュニケーションを円滑にするうえでも話の長さは大切であるため、日常会話から見直しながら志望動機の作成に活かしてください。
企業ごとに面接時間の傾向を調べておく
転職希望先企業について、インターネット検索などを利用して調べておきましょう。過去の面接がどのようなものだったのか、情報を絞って検索することが大切です。面接時間の傾向がわかれば、作成すべき志望動機の最適な長さを判断しやすくなります。
まとめ
面接における志望動機は、入社意欲を伝えるための重要な項目です。しかし、自分の話したいことをただ並べているだけでは、ビジネスパーソンとしての評価にはつながりません。そればかりか、適切な長さで志望動機を話せないことがマイナス要因となり、不採用になることもあるでしょう。今回紹介した内容は、志望動機の長さを最適化するために必要な情報です。今後の転職活動を円滑に進めるうえで、参考にしてみてはいかがでしょうか。