プロジェクトを完遂するには、チームメンバー同士が協力し合うとともに、プロジェクトマネージャーによる統率が必要です。本記事では、プロジェクトマネージャーの仕事内容や必要なスキル、おすすめの資格などについて詳しく解説します。また似たような名前のプロジェクトリーダーとの違いなども説明していきます。
プロジェクトマネージャーとは
プロジェクトマネージャーは、期日までに成果物を完成させられるようにマネジメントする人のことを言います。プロジェクトマネージャーの現状やプロジェクトリーダーとの違いなどについて詳しく見ていきましょう。
プロジェクトマネージャーの現状
第四次産業革命によりAIやIotなどを活用したプロジェクトが、多くの企業で進められています。その中でIT人材の需要は高まっていて、プロジェクトマネージャーにおいては需要が供給を上回っているのが現状です。そのため、期日までに成果物を完成できるようにメンバーを導けるプロジェクトマネージャーは、多くの企業から求められています。
プロジェクトリーダーとの違い
プロジェクトリーダーは、プロジェクトマネージャーの下層に位置する役職ですが、上司・部下の関係はありません。プロジェクトマネージャーがプロジェクト全体を管理するのに対し、プロジェクトリーダーは現場を管理します。
プロジェクトマネージャーの仕事内容
プロジェクトマネージャーの仕事は、プロジェクト全体を管理することです。具体的な仕事内容について見ていきましょう。
企画・計画立案
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトのゴールを定め、これを達成できればゴールできるという小さな目標をいくつも設定します。そして、目標を達成するために必要な業務について計画を立てます。
プロジェクトチームの編成
プロジェクトに最適なメンバーを集め、チームを編成します。メンバーの特性、技能、向き・不向きなどを見極めることが重要です。
進行管理・イレギュラー対応
プロジェクトの進捗を随時チェックしながら、完遂に向けて進めていきます。また、イレギュラーが発生した際は速やかに対処します。
課題の共有および対策立案
あらかじめ起こりそうな問題や課題をメンバーに共有し、対策を立てます。
メンバー同士のコミュニケーションを円滑化
プロジェクトの完遂に向けてメンバー同士が協力し合えるように、コミュニケーションを円滑化させます。相談しやすい雰囲気作りをはじめ、プロジェクトマネージャーがメンバー同士のコミュニケーションを促します。
プロジェクトマネージャーに求められるスキル
プロジェクトマネージャーには、マネジメント能力はもちろん、コミュニケーション能力や技術力なども求められます。求められるスキルについて詳しく見ていきましょう。
マネジメント能力
プロジェクトマネージャーには、メンバーの技能や特性に応じて適切に配置し、プロジェクト完遂に向けてマネジメントする能力が必須です。そのときの状況を見極めて問題を早期解決し、チームメンバーが実力を発揮できる環境を整備することも求められます。
コミュニケーション能力
チームメンバーとコミュニケーションを重ね、モチベーションを引き出すことが求められます。また、メンバーが感じた課題の速やかな共有やミスをカバーし合う姿勢などを実現するためにも、プロジェクトマネージャーはメンバーとコミュニケーションをとることが重要です。
交渉力
プロジェクトの内容次第では他部署やクライアントとの交渉が必要となります。メンバーに過度な負担がかかったり、無理な予算で低品質な成果物になることを防ぐために、適切に交渉する能力が求められます。
技術力
現場の理解、技術的な面の理解には、ITの基本的スキルやプログラミングの知識などが欠かせません。これは、メンバーから信頼を得るためにも必要なものです。
プロジェクトマネージャーへの転職が有利になる資格
プロジェクトマネージャーは無資格でもなれますが、次のような資格を持っていると選ばれやすくなります。
プロジェクトマネージャー試験
プロジェクトマネージャー試験とは、プロジェクトマネジメントに必要な知識と経験を持つことを証明する資格です。情報処理技術者試験の一つで、合格率13%と難易度が高いことで知られています。
ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験とは、プロジェクトマネジメントスキルやコンサルティングスキル、IT技術を利用した企画能力などを問われる試験です。IT知識だけではなくマネジメントスキルを持つことを証明できますが、プロジェクトマネージャー試験に比べると注目度は高くありません。
PMP試験
PMP(Project Management Professional)試験とは、アメリカのプロジェクトマネジメント協会認定の「PMP」を名乗るために必要な知識やスキルを測る試験です。PMP資格保有者を優遇する企業が多いため、転職を有利に進めることができます。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験に合格すると、高度IT人材として知識・スキルを持つことを証明できます。さらに上の試験に高度情報処理技術者試験があり、その登竜門として知られています。プロジェクトマネジメントや経営戦略を問う問題も出題されるため、IT業界で幅広い活躍を目指す人におすすめです。
プロジェクトマネージャーへのキャリアパス
プロジェクトマネージャーになるためには、知識・スキルを認められたうえで、適性があると判断されなければなりません。主なキャリアパスは次の2つです。
プロジェクトリーダーの経験を積んで昇格する
プロジェクトリーダーの経験を積むと、現場の管理者としての知識やスキルを習得できます。知識・スキルを応用すれば、プロジェクトの適切な管理も可能になります。
ソフトウェア開発から昇格する
ITエンジニアやソフトウェアデベロッパーからプロジェクトマネージャーになるケースもあります。プロジェクトマネージャーには、現場で働く人に対する理解や課題の抽出・解決策の立案ができるスキルが欠かせません。現場で経験を積むことで、より良いプロジェクトマネージャーになることができるでしょう。
まとめ
プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体の管理者であり、期日までに成果物を完成できるようにプロジェクトを進行します。課題やトラブルが生じたときは早期解決するために、あらゆるイレギュラーを排除しなければなりません。また、プロジェクトリーダーと連携し、メンバーの協力体制の構築、モチベーションアップを促すことがポイントになります。プロジェクトマネージャーに対して理解を深め、必要な知識やスキルの習得を目指しましょう。