リファラル採用とは?制度導入の効果や費用、よくあるトラブル事例を紹介

2022年8月31日

2024年2月9日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

リファラル採用とは、自社で働く従業員から人材を紹介してもらう採用方法のことです。ベンチャー企業を中心に実施されていますが、どのような採用方法なのか詳しく知らないという方も多いでしょう。今回は、リファラル採用が向いている企業の特徴や導入のメリット、注意点について紹介します。費用やトラブル事例も紹介しているので、リファラル採用の導入を検討している企業はぜひ参考にしてください。

リファラル採用とは

リファラル採用とは、紹介・推薦の意味を持つ「referral」の言葉通り、人材を紹介してもらう形の採用手法です。自社を理解している方から人材を紹介してもらえるため、ミスマッチが発生しにくいという特徴があります。定着率の向上が期待できることから、ダイレクトリクルーティングのひとつとして注目されています。

リファラル採用が注目される背景

リファラル採用が注目される要因のひとつは、生産年齢人口の減少です。働き方の多様化が進む中で、ただ求人を掲載しただけでは理想の人材に巡り合えない現状があります。企業にとって有益な人材を自ら探しに行くことが重要視されたことで、リファラル採用が注目されました。
また、採用側と従業員のミスマッチが回避できることも、リファラル採用が注目される理由のひとつです。適性・希望の不一致から生産性の低下や早期退職につながるケースがあり、定着率に課題を感じている企業も多いでしょう。リファラル採用を導入すれば、面接だけではわからない人柄をあらかじめ把握しやすくなります。入社希望者も事前に企業のことを知った状態で面接に来るため、ギャップを感じにくいでしょう。
自社を紹介することで従業員のエンゲージメントを高めることができる可能性もあるため、リファラル採用を導入する企業が増加しています。

縁故採用とは何が違う?

いわゆる「コネ」といわれる縁故採用とは、採用基準に到達していない方は採用しないという違いがあります。縁故採用は肉親や交友関係の延長上など、特殊な採用方法です。適性やスキルで判断するよりは、紹介者と会社側の関係が重視されることが多く、ミスマッチの発生や従業員から不満が出る恐れもあります。
一方リファラル採用は「紹介」という入り口こそ同じであるものの、採用基準を満たしていなければ採用されません。また、紹介自体も自社をよく知る従業員の目線が必要なため、あくまで自社に適した人材かどうかが最低基準になります。紹介されれば入社させることが多い縁故採用とは異なり、リファラル採用はあくまで採用活動の一種だといえるでしょう。

リファラル採用が活きる場面や向いている企業の特徴

リファラル採用は、中長期的に採用コストを抑制したい企業に向いています。求人広告の出稿などが発生しないため、採用のための費用を抑えられるでしょう。仮に採用期間が長期になっても余分な採用コストが発生しないため、理想の人材に巡り会うタイミングを待ち続けることができます。
また、従業員の定着率が課題の企業も、リファラル採用が向いています。紹介する従業員と同じ目線を持っている人が採用対象になりやすいため、ミスマッチが発生しにくいでしょう。自社の魅力を伝えることでエンゲージメント向上も期待できます。紹介する側・される側双方の定着率を向上させられることが、リファラル採用の特徴です。

リファラル採用を導入するメリット

ここでは、リファラル採用の導入による5つのメリットを紹介します。

採用コストを削減できる

リファラル採用で発生するコストは、面接に費やす時間と紹介者へのインセンティブのみです。求人広告や人材紹介の費用が発生しないため、コストを節約しながら理想の人材を探せるでしょう。

社風にマッチした人材を採用できる

紹介者である従業員に、自社が求める人材をあらかじめ伝えておくことが可能です。そのため、求人媒体などを通じた採用活動よりも、自社にマッチする人材と出会える可能性が高くなります。企業が求める人材像が明確になっているうえで紹介を受けるので、入社する側にとってのミスマッチも起こりにくくなります。

転職サイトに頼らない採用が可能に

転職サイトの情報だけでは、自社が求める潜在的なニーズが求職者に伝わりません。スカウトのような形で出会えるため、転職活動をしていない潜在層へのアプローチが可能です。

自社の現状や課題を抽出できる

効果的なリファラル採用を実施するためには、紹介者と自社の求める人材像をすり合わせる必要があります。すり合わせを通じて、これまで見えてこなかった現状や課題に気づくこともあるでしょう。自社がどのような現状で、課題解決にどう取り組んでいくかを明確にできるため、自社はもちろん求職者・紹介者にもメリットがあります。

リファラル採用に関する注意点

リファラル採用には、導入前に把握しておきたい3つの注意点があります。

情報を可視化しづらい

リファラル採用に協力的な人材や部署の情報を、明確にしづらいのがデメリットです。採用状況を可視化し、明確な採用制度として確立させないことには、自社の課題を根本から解決することにはなりません。

従業員の理解が必要

リファラル採用に協力的な従業員ばかりではありません。既存業務との兼ね合いも視野に入れ、無理なく協力できる体制を整えましょう。リファラル採用の実施によるインセンティブの設定もおすすめです。

人間関係に関する配慮が重要

リファラル採用で仮に不採用だった場合、紹介者との関係が悪化することに注意しなければなりません。不採用をきっかけに不信感を抱き、紹介者も退職してしまう可能性も考えられます。また採用した場合、紹介者と入社した社員たちで派閥や特定のグループができてしまうことも避けたいものです。

リファラル採用の導入前に把握しておきたい費用

リファラル採用には、主に以下3つの費用が発生します。

採用活動費

採用活動における交通費や会食費などが該当します。リファラル採用を目的としたイベントの開催費用なども活動費の一種です。

紹介者へのボーナスを設定

候補者が採用になった際、紹介者に支払うインセンティブです。明確な支給額の定めはありませんが、数万円から30万円以下が支給されることが多いようです。

外部サービスの利用料

外部サービスが提供するリファラル採用のプラットフォームを利用する場合、別途料金が発生します。プランによって料金は異なるため、自社の予算に応じて選択しましょう。

リファラル採用に関するトラブル事例

リファラル採用のトラブル事例には、以下のようなものがあります。

  • 不採用にしたことで紹介者との関係が悪化する
  • 紹介者と似た感性の人材が集まり、新しいアイデアが生まれない
  • 高額なインセンティブを支払って違法になった(※高額な場合は職業安定法65条6号に違反)

上記を参考に、トラブルの発生を未然に防ぐリファラル採用を実施しましょう。

リファラル採用で不採用となるケースはある?

たとえリファラル採用でも、確実に採用されるわけではありません。
一般的な採用活動と同様、自社が求める人材でなければ、リファラル採用でも不採用になる可能性があります。単なる紹介扱いで面接を受け、志望動機が希薄だった場合も、採用には至らないでしょう。
リファラル採用を検討している求職者は、企業の情報を把握したうえで志望動機を明確にしておく必要があります。企業側も、求職者がどのようなスタンスでリファラル採用による採用活動に臨んでいるかをしっかり見極めましょう。

まとめ

リファラル採用は、自社を理解した従業員を通じて新たな人材と出会うきっかけになります。一般的な採用活動よりコストが安く、より確実に自社にとって有益な人材に出会える手法です。
ただし、結果が出るまでに時間がかかることや、あくまで従業員の理解があってこそ成立するものであることは忘れてはいけません。企業と従業員が一丸となり、自社をよりよくするための採用手法として、リファラル採用が注目されています。既存の採用方法からの脱却を検討している企業は、リファラル採用の導入を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

監修者・齊藤 穂奈美

齊藤 穂奈美

株式会社日本アクセスで原料の調達・営業を担当→株式会社ファミリーマートへ出向し中食部門の商品担当として従事→出産を機に会社を退職。WEBクリエイターとして独立し、経営者の集客・広報全般をサポート。 現在はIzulで両面コンサルタントと広報を担当。プライベートでは2人の子を育てる母。

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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