企業が人材を採用する際は、適性検査を実施することがあります。SPIは適性検査のひとつで、リクルートマネジメントソリューションズが開発しました。SPIに対応できるよう、基礎知識を身につけておきましょう。この記事では、SPI(適性検査)とは何か、目的や種類、事前準備、受験方法などについて詳しく解説します。
SPI(適性検査)とは
SPIとは性格特性や知的能力などを測定することで、向いている職業、馴染みやすい組織などを推定するための検査です。出題された問題に回答することで、自身の特性や適性がある職業・組織などがわかります。SPIを実施する目的やどの程度の企業で実施されているのか詳しく見ていきましょう。
実施の目的
SPIによって応募者の特性や適性がわかれば、応募者に対する理解が深まります。また、入社後の配属先の決定に役立てたり、配属先の上司へ人材の理解を促すのに用いたりもします。応募者にとっても、自身の特性や適性のある職業・組織などがわかることは大きなメリットといえるでしょう。
性格や特性、企業との相性については書類選考や面接などでも確認しますが、SPIで得た情報を参考にすれば、より的確かつスピーディーに判断できるようになります。
実施率
就職みらい研究所『就職白書2020』によると、87.8%もの企業が適性検査を実施しています。ただし、適性検査全体の数値のためSPIに限定されたデータではありませんが、適性検査と言えばSPIを指すことが多いため、実施率に大きな違いはないと考えることができます。
SPIの種類
SPIでは、能力検査と性格検査を行います。SPIは自身の特性や適性を知るためのものなので、試験勉強というよりもあらかじめ出題傾向を知り、受検方法や形式に慣れておくことが大切です。それでは、SPIの種類や出題の傾向などを紹介します。
能力検査
能力検査は、すべてのビジネスにおいて求められる知的能力を測定する検査です。「言語分野」と「非言語分野」があり、思考力や知識・技能、コミュニケーション能力などを測定します。
言語分野では、言葉の意味や話の要旨を的確に捉えて理解できる力を測る問題、非言語分野では、数的な処理や、論理的思考力を測る問題が出題されます。
性格検査
性格検査では、考え方や日常的な行動などの問題が出題されます。人との接し方や仕事に対する姿勢、目標に対する考え方など、性格や特性などをさまざまな角度から分析します。性格や特性からは、企業の業務に対する相性だけではなく組織に馴染めるかどうかも判断可能です。
SPIを受ける際の事前準備
SPIを適切に受けるためには事前準備をしっかり行うことです。ここでは事前準備の内容について紹介していきます。
パソコンの使い方に慣れておく
SPIでは、パソコンを使用します。選択肢問題ではマウスで選択肢をクリックしたり、次の問題に進むボタンを押したりするため、パソコンに慣れていないと誤操作するリスクが高まります。
SPIには練習画面が用意されているため、あらかじめ練習しておくことが大切です。
出題傾向や問題の解き方を知っておく
出題形式を理解していないと本番で焦ったり緊張感が高まるなど、本来の能力を発揮できなくなる恐れがあります。出題形式を事前に把握して、イメージトレーニングをしておきましょう。
なお、SPIの問題傾向に対して、どのように解答すれば志望企業にとって高評価になるのかを考える必要はありません。自分を偽って解答すると、自分に合わない企業に採用されるリスクが高まるためです。また、面接でSPIの結果との矛盾が浮き彫りとなれば、マイナス評価をされる恐れもあります。自分に合った企業に採用されるためにも、問題には正直に解答しましょう。
SPIの受験方法
SPIの受験方法には、テストセンター、Webテスティング、ペーパーテスティング、インハウスCBTがあります。それぞれの特徴や受検方法について詳しく見ていきましょう。
テストセンター
テストセンターとは、SPIの提供元であるリクルートマネジメントソリューションズが運営する会場で、パソコンを用いて受検する方法です。全国の会場の中からアクセスしやすい会場を選択し、予約したうえで所定の日時にパソコンの前に座ります。なるべく多くの人がスケジュールに合わせて受験できるように、予約の締め切りは検査開始の1時間前までとなっています。
テストセンターでは性格検査と能力検査に加えて、英語能力検査や構造的把握力検査なども受検可能です。受験内容は、企業から送られてくる案内メールに掲載されている手続きページにログインして確認しましょう。
なお、テストセンターでの受検結果は、過去1年以内のものであれば別の企業に送信できます。
Webテスティング
Webテスティングとは、自宅や学校などのパソコンから受検する方法です。なお、スマートフォンからは受検することがきません。また、インターネット環境が必須なため、繋がらないということがないよう通信環境の確認が必要です。モバイルWi-Fiやスマートフォンのテザリングを使うのもひとつの方法ですが、通信容量が制限されているものが多いため、受検の途中に接続が切れることがないように注意しましょう。
ペーパーテスティング
ペーパーテスティングとは、応募先企業が用意する会場でマークシート方式による問題に回答する形式です。応募先企業が用意する会場が必ずしも自宅から近い場所にあるとは限りません。例えば自宅が九州地方でも、会場が応募先企業のある東京周辺であれば足を運ばなければなりません。
大きな企業は全国に複数の会場を用意しますが、大阪や神戸、福岡、名古屋といった都市部であることが多い点に注意しましょう。
インハウスCBT
インハウスCBTとは、応募先企業のオフィスにあるパソコンで受験する方法です。応募先企業の従業員や役員などと顔を合わせることが多いので、すでに面接が始まっていると考えたほうがよいでしょう。テストを受ける姿勢、挨拶、立ち振る舞い、服装など、さまざまな点に注意することが大切です。
まとめ
SPIは自身の性格や特性、向いている職業や組織を知るための検査です。SPIの受検方法はさまざまで応募先企業によって異なりますが、SPIの出題形式や種類などをあらかじめ確認し、万全に準備を整えることが大切です。パソコンを使い慣れていない場合は、パソコン操作にも慣れておきましょう。