入社後にしたいことはどう答えるべき?職種別の例文と注意点を紹介

2023年9月8日

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Izul広報チーム

Izul広報チーム

「入社後にしたいことは何ですか?」という質問は、就職面接において定番です。しかし実際にこの質問をされたとき、「入社してみないと分からない」「正直な話、志望度がそこまで高くないから思い浮かばない」という方も多いかもしれません。企業は当然意図をもってこの質問を投げかけているため、その意図を汲んだ回答をすることで面接官に良い印象を与えられます。
この記事では、「入社後にしたいこと」という質問の企業側の意図を解説し、職種別の回答例文をご紹介します。NG例も交えて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

企業はなぜ入社後にしたいことを聞くのか

企業が入社後にしたいことを聞く意図として、主に以下の4つが挙げられます。

  • 志望度を確かめるため
  • ミスマッチを防止するため
  • 仕事に対する価値観・姿勢を知るため
  • 実際に働くイメージがあるか確かめるため

多くの応募者の中から、企業が必要とする人材を厳選して採用するために、採用担当者は面接というわずかな時間で応募者を見極めなければなりません。回答次第でこれらのことが浮き彫りになるため、企業にとっては非常に効果的な質問です。

志望度を確かめるため

就活生が複数企業の選考を受けていることは企業側も承知しています。そんな中で「自社への志望度はどの程度か」を確かめるために、この質問は効果的です。入社後に何がしたいかというビジョンが鮮明であればあるほど、企業研究がしっかりできていて志望度が高いという評価につながります。反対に全く考えられていなかったり、他社との差別化が感じられず、自社でなくても実現できる回答内容であったりした場合は、面接官の印象に残りません。

ミスマッチを防止するため

いざ採用した人材が、「入社してみたけどやりたいことができなかった」「イメージと違った」といった理由で早期に退職してしまっては採用活動が水の泡です。入社後にしたいことを聞くことで、仮に素晴らしいビジョンを持っていても自社では実現できない場合、採用を見送る判断ができます。新卒の学生にしろ中途採用にしろ、企業の今後を担い貢献できる人材を採用することが求人の目的であるため、どれだけ自社を知り、魅力を感じて応募してくれたのかを見極めるために、この質問は有効です。

仕事に対する価値観・姿勢を知るため

応募者自身が持つ、仕事への価値観や姿勢を知るためという側面もあります。単純な意欲ももちろんですが、その人の人柄や適性が出てくるため、配属先の部署を考える指針としても有効です。たとえば「新規顧客の開拓に貢献したい」と「既存顧客を大切にしたい」という回答は、どちらも前向きでいい回答ですが方向性が異なります。前者は営業職に、後者はカスタマーサポートにというように、面接の時点で採用後の部署を想定することが可能です。
また、社風に合わなければ、いくらやりたい仕事であっても長続きせず、早期退職の恐れも出てきます。即戦力が期待できるスキルを持つ応募者であっても、回答次第では採用を見送ることもあるでしょう。

実際に働くイメージがあるか確かめるため

前述している内容とも似てきますが、選考時点で実際に働く姿をどれだけイメージできているかによって、入社後のミスマッチを防ぎ、早期退職のリスクを減らせます。採用する企業側も、応募者に対して「一緒に働いたらどんな感じか」「どんな形で貢献してくれるか」をイメージしながら選考しています。応募者側が働くイメージをあまり持てていないと、企業側も採用したいという気持ちにはなりません。

入社後にしたいことを聞かれた際の答え方

それでは、実際に聞かれた際にどのように答えたらよいかを解説します。基本は以下の3ステップです。

  1. 結論から話す
  2. 理由と具体的なエピソードを話す
  3. 自分の強みをどう活かせるかを交えて、入社後のビジョンを話す

まずは簡潔に、結論から伝えます。面接官に「何の話をしているのだろう?」と思われないよう、理由やエピソードを長々と話し始める前にまず結論を伝えてください。
次に結論を裏付ける理由を述べます。そう思うに至ったエピソードなど、他の応募者ともっとも差別化しやすい部分であるため、しっかり準備しておきましょう。エピソードが具体的で理由との関連があるほど、説得力が増します。
最後に、自身の経験や性格を踏まえて、その強みが企業にどう貢献できるか入社後のビジョンを伝えます。入社後にしたいことがいくら素晴らしいものでも、実現できなければ意味がありません。「わたしの経験は御社のこの業務に役立ちます」など、具体的なエピソードを交えて鮮明に伝えることで、企業も採用するメリットを感じることができます。

【職種別】入社後にしたいことに対する回答の例文

答え方のポイントとして前述の3ステップを押さえたところで、回答の例文を職種別に紹介します。一つずつ解説していくので、ぜひ参考にしてください。

営業職

営業職は個人や企業のお客様に対して自社商品を売り込むだけでなく、要望や悩みを引き出し、解決のための提案をする職種です。

私は御社の営業職で、新規顧客の開拓に貢献したいと考えております。
御社の〇〇は業界トップシェアを誇り、世間に広く浸透している素晴らしい商品です。とはいえまだまだ認知されていない層があるのも事実であり、〇〇の営業に携わることで〇〇の素晴らしさをさらに周知し、新規顧客の獲得に貢献したいと考えております。
私は高校から大学にかけて接客業のアルバイトに励み、多くのお客様の要望に応えさまざまな提案をしてきました。また御社の〇〇は自分自身長く愛用しており、〇〇の魅力は熟知しているという自負があります。さらに大学では統計学を専門としていたことも踏まえて、コミュニケーション能力と商品知識、数字を背景とした根拠のある提案力で、御社の新規顧客の開拓に貢献したいと思っております。

結論として「新規顧客の開拓」を明確にできています。志望企業の商品や業界での立ち位置について触れながら、「まだ認知されていない層への開拓」という具体的行動を示せている点もポイントです。自身の経験がどう活かせるか、企業へのメリットもしっかり伝えられています。

事務職

事務職は社員の業務が円滑に進むようサポートする「縁の下の力持ち」的な存在です。

私は事務職として、御社で働く全ての従業員が効率よく業務を進めて成果をあげられるようサポートするほか、従業員満足度の向上に貢献していきたいです。
大学時代インターンで御社に伺った際、在庫管理のアシスタントを経験させていただきました。目立たないとはいえ間違いなく大切な業務であり、組織が効率よく機能するために必須な細かい管理業務には大きなやりがいを感じます。また、自分のスキルアップのためにExcelの資格も取得したことで、より事務としての作業効率向上に貢献できると自負しております。
事務職は裏方とはいえ企業にとって必要不可欠です。人手不足が叫ばれる昨今では、従業員一人ひとりの作業効率アップと、安心して成果を出せる組織作りこそが、企業の成長には欠かせないものになると思っています。

事務職ならではの入社後のビジョンがしっかり伝えられています。インターンを通じて得られた経験と資格の取得で、企業に貢献できるポイントも押さえられています。

販売職

販売職は営業職と異なり、ご来店されたお客様のサポートが仕事です。

私は御社のブランドの魅力をさらに幅広い層に伝えられる、接客のプロになりたいです。
高校生の頃から長く御社の商品を利用しており、私自身いちファンなのですが、商品の魅力はもちろん、販売員の方々の接客も素晴らしいと感じています。お客様の悩みや要望に親身に寄り添い、その都度的確なアドバイスをしてくれる接客に感銘を受け、御社の店舗で接客に携わりたいと思いました。
高校時代から今に至るまで、業種は異なりますが接客業のアルバイトに従事しており、お礼を言われたときの喜びをこれからも感じたいと思い、接客業を究めたいと考えています。接客業での経験と、ファンである御社の商品知識を活かして、さらに多くのことを学びながら、より多くの方に御社のファンになってもらえるよう、接客のスペシャリストになりたいです。

販売業は主に接客業であり、アルバイト経験のある方も多いため、入社後にしたいことを考えやすいと同時に差別化が難しい職種です。自身が実際に接客の仕事に携わって感動した体験を伝えることで、より具体性が増します。

企画職

企画職は名前の通り、さまざまな商品やサービスのアイデアを企画する職種です。

私は昨今幅広い層に注目されている〇〇のサービスを企画したいと考えております。
御社の〇〇は国内2位のシェアを誇っていますが、それは的確にターゲット層を絞っているのが理由ではないかと感じました。御社の高いマーケティングノウハウを活かし、ニーズの高いサービスを企画していきたいと考えております。
私はプレゼンが得意で、学内のプレゼン大会で入賞したこともあり、企画力には自信を持っております。入社後は自身の企画力と御社のノウハウを併せることで、今以上に顧客満足度の高い〇〇サービスを企画していきたいです。

実際にその企業で展開されている商品やサービスを挙げることで、志望動機に具体性が生まれます。企業研究や業界研究ができているアピールにもつながり効果的といえます。プレゼンが得意で入賞経験があるエピソードも、企業に貢献できる根拠を示せています。

研究職

研究職はさまざまな学術的な知識を用いて、テーマに沿った研究を行う職種です。

私は研究職として携わることで、御社の商品〇〇を改良し、より多くの方が利用しやすい商品にしたいと考えております。
大学では△△を専攻し、さらに大学院では◇◇の研究を続けていました。私が研究していたテーマは、商品〇〇をさらに改善するのに効果があるのではないかと思っています。
御社の〇〇はすでにメジャーな主力商品ですが、より改良することでさらに幅広い層に使ってもらえる商品にしていきたいです。

企業の商品やサービスの中から、開発や改良に取り組みたいものを具体的に挙げることで、より説得力が増します。学生時代の専攻科目や研究内容がどう力になれるかを明確にすれば、企業側もメリットを感じやすいです。

エンジニア

エンジニアはIT関連や機械系の専門知識を活かして、システムの設計・開発などに携わる職種です。

私は御社の〇〇のシステム開発に携わりたいと考えております。
御社の会社説明会で〇〇のシステム開発に関する概要を聞かせていただいた際、幅広い層にニーズがあり、今後が期待できるシステムだと感じました。進化を続けるIT業界で、〇〇の開発システムに携わることにより社会に貢献できるのは、エンジニア冥利に尽きます。
私は大学でWeb言語系のプログラミングを学んでまいりましたが、御社の推進する〇〇システムとは互換性があります。今まで学んできたスキルや知識は、御社の〇〇システム開発に活かせると確信しており、御社の成長や社会貢献につなげていきたいと考えております。

自身の持つスキルでできることが他業種よりも明確になっているため、志望する企業ではどんな業務を行い、どう貢献できるのかを具体的に示すのがポイントです。

デザイナー

デザイナーはWebサイトや服飾デザインなど、さまざまなものをデザインする職種です。

私は服飾デザイナーとして、御社のブランドイメージを守りつつ、新規顧客の開拓や既存顧客満足度の向上に貢献したいと考えております。
トレンドを押さえつつも、独創的かつ機能的な御社の商品は私自身大ファンです。デザイナーとして御社の商品開発に携わり、既存顧客が満足するデザインを作り続けると同時に、新たなファン層を獲得できるようなデザインも取り入れて、御社に貢献していきたいと考えております。
私は通っている服飾専門学校の学内コンテストで入賞した経験があり、発想力と縫製技術には自信があります。ファンとしての商品知識と、デザイナーとしての経験とスキルは、御社の成長に必ず役立ちます。

志望する企業でどのようなデザインをしていきたいのか、その理由を具体的に伝えます。正解がなく、デザインの方向性や価値観が業界によって大きく異なるため、企業理念や文化を理解した内容を意識することがポイントです。

入社後にしたいことのNG例

職種ごとで使える回答例を挙げてきましたが、反対にNG例もご紹介します。

御社の営業職で活躍したいです。営業にはコミュニケーション能力が必要ですが、私自身、学生時代のアルバイトで培ったコミュニケーション能力には自信があります。御社の営業職でコミュニケーション能力を活かして活躍したいと考えております。

私は事務職として、御社で働く従業員全員が働きやすくなるサポートをしたいです。人とのコミュニケーションが得意ではありませんが、一つのことに集中して作業することは得意です。事務職では与えられた業務をしっかりこなして、会社全体の業務が効率的に回るように貢献したいと考えております。

御社で〇〇の開発設計に携わりたいと考えております。私の長所は、居酒屋で接客のアルバイトをしていた際に培ったコミュニケーション能力です。コミュニケーション能力を活かして、御社の〇〇をより広く認知させられるようにしたいと考えております。

ここで挙げた3つの回答は、どのような点がNGなのでしょうか。次の章で詳しく解説していきます。

入社後にしたいことを答える際の注意点

前述した3つの例は何がNGだったのか、その解説と併せて注意点をまとめます。主に以上4項目です。これらを最低限意識するようにしましょう。

ネガティブな発言をしない

わざとではないにせよ、ネガティブな表現を使ってしまわないよう注意が必要です。前述したNG例の2つ目がこれにあたり、「コミュニケーションが得意ではない」「与えられた業務をこなし」が好ましくありません。謙虚な姿勢とポジティブに捉えてくれる場合もなくはないですが、そもそもが「入社後にしたいこと」というポジティブな質問に対する回答としては、ただ自信がない人という印象を与えかねません。とっさにこういった言葉が出ないように注意しましょう。

自身の展望ではなく企業に貢献できることに触れる

企業に貢献できるということは忘れずに伝えましょう。あなた自身のキャリアプランがどれだけしっかりできていても、そのプランの実現が企業の成長に関係なければ、企業はあなたを採用するメリットがありません。お互いにメリットがあるからこそミスマッチのない採用活動になります。しっかりとした自身の展望を、いかに企業での業務で活かせるかという視点で、両者を紐づけするのを忘れないようにしてください。

非現実的・具体性のない答えは避ける

非現実的で実現困難な回答や、具体性のない回答はNGであり、前述した中の1つ目がまさに具体性に欠ける内容です。営業職で働きたい意欲と、入社後も「営業職で活躍したい」と展望は伝えてはいますが、「なぜこの企業か」「コミュニケーション能力をどう活かせると思っているか」「アルバイトでのコミュニケーション能力を培った経緯」など、全てにおいて具体性がないため何も伝わってきません。

仕事とつながりのない話・他の企業でできるビジョンは避ける

前述した例文の3つ目のように、仕事内容とつながらない話は避けましょう。「システム開発」と「コミュニケーション能力」はアピールするにあたって両立しません。「システム開発」が軸なら「スキルや経験」をアピールすべきであり、「コミュニケーション能力」が軸であれば「営業職」などが適当です。

まとめ

採用面接での定番質問である「入社後にしたいことは何ですか?」に関して解説してきました。企業側の意図を理解することで的を射た回答ができ、面接官の印象に残る回答になります。OK例とNG例どちらも参考にして、とっさに慌ててしまわないようしっかり準備して臨みましょう。特にネガティブ表現は出やすいので要注意です。

監修者・齊藤 穂奈美

齊藤 穂奈美

株式会社日本アクセスで原料の調達・営業を担当→株式会社ファミリーマートへ出向し中食部門の商品担当として従事→出産を機に会社を退職。WEBクリエイターとして独立し、経営者の集客・広報全般をサポート。 現在はIzulで両面コンサルタントと広報を担当。プライベートでは2人の子を育てる母。

著者プロフィール

Izul広報チーム

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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