士業とは?代表的な士業の種類や仕事内容、平均年収について解説

2023年7月4日

2024年9月5日

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Izul広報チーム

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難易度の高い国家資格を経て、初めて名乗れるようになる士業。士業にはさまざまな業種が存在していますが、具体的にどのような仕事を行っているか、正しく理解できている方は少ないのではないでしょうか。この記事では、代表的な士業の種類や仕事内容について詳しく解説します。

士業とは

士業とは、法律によって定められた独占業務を持ち、専門的な資格が必要な職業の俗称を指します。弁護士や司法書士のように、資格名称の末尾に「◯◯士」と付く場合が多い点が特徴です。かつての日本では職能資格を取得した侍が大勢いたことから「サムライ業」とも呼ばれ、「士」の漢字が使われたとされています。

8士業・10士業とは

8士業とは、士業の中でも、職務上必要な場合に戸籍や住民票などを請求できる権限が認められている8つの職業のことです。具体的には、以下の士業が該当します。

  • 弁護士
  • 司法書士
  • 弁理士
  • 税理士
  • 社会保険労務士
  • 行政書士
  • 土地家屋調査士
  • 海事代理士

上記の中から、海事代理士を除いた7つに「公認会計士」「中小企業診断士」「不動産鑑定士」の3つを加えたものが10士業と呼ばれています。

代表的な士業の種類を紹介

ここでは、士業の中でも代表的な8士業・10士業それぞれの特徴について解説します。独占業務や資格取得の難易度を確認してみましょう。

弁護士

弁護士は、法律相談業・刑事裁判の弁護人・民事裁判の代理人・裁判書類作成を独占業務とする士業です。弁護士になるためには、司法試験に合格する必要があります。合格率は22〜39%と一見高く見えますが、司法試験を受けるためのハードルが非常に高いのが実情です。また、試験合格後は司法修習を1年間行ったあと、2回の試験に合格しなければなりません。

弁理士

弁理士とは、特許・意匠・商標の特許出願・登録といった知的財産全般に関する士業です。特許庁に対する申請代行業務・実用新案などを売買する際の契約代理業務などを独占業務としています。試験の合格率は6〜10%と低く、難関資格として挙げられています。

司法書士

司法書士とは、登記・供託・訴訟などの法律事務を請け負う士業です。登記・供託の手続き代理、法務局に提出する書類の作成など、登記の代理に関する内容を独占業務としています。試験の合格率は3〜4%と非常に低く、士業の中でも特に難易度の高い資格のひとつです。

税理士

税理士とは、税金の申告書作成や申告の代理、会計処理の代行などを専門的に行う士業です。税務の代理・税務書類の作成・税務相談を独占業務としています。試験の合格率は12〜15%。令和5年から受験資格が変更され、法律・経済学に属する1科目の履修から、社会科学に属する1科目の履修が条件となり、受験のハードルが下がりました。

行政書士

行政書士とは、官公庁に提出する書類の作成や、書類の内容について助言・フォローを行う士業です。権利義務・事実証明に関する書類の作成や、契約に関する書類を代理人作成することを独占業務としていますが、代行できる内容には制限があります。試験の合格率は8〜15%と、士業の中では比較的取得しやすい資格です。

社会保険労務士

社会保険労務士とは、労働保険料の計算・賃金台帳の作成・労働契約や就業規則の策定などの業務を担う士業です。労働や社会保険に関する申請書や帳簿書類の作成、提出手続きの代理を独占業務としています。試験の合格率は4〜6%と、かなり難易度の高い資格です。

土地家屋調査士

土地家屋調査士とは、土地・建物の調査測量や図面の作成、登記の申請手続きなどを行う士業です。「表示に関する登記」に関連する手続きの代理を独占業務としています。試験の合格率は7〜9%と、比較的難易度の高い資格です。

海事代理士

海事代理士とは、船舶の登記・登録、検査申請、船員の労務、海事許認可に関する手続きなどを行う士業です。船舶のトン数測度に関する証書や確認書の手続き・測度に関する手続き・船員の就業規則の作成を独占業務としています。試験の合格率は48〜54%と高く、受験者の約半数が合格を狙える資格です。

公認会計士

公認会計士は企業や公益法人などの監査を独占業務とする士業で、経営に関するコンサルティング業務や会計なども行います。試験の合格率は10%で、3日間にわたって実施される点が特徴です。なお、公認会計士資格を取得することで、税理士と行政書士の資格を有することができます。

中小企業診断士

中小企業診断士とは、企業の経営状態の把握や分析、課題解決のためのコンサルティングなどを行う士業です。ちなみに、法律で定められた独占業務はありません。試験の合格率は20%と比較的高いですが、試験科目として面接が導入されている点が特徴です。

不動産鑑定士

不動産鑑定士はその名の通り、不動産の鑑定評価を独占業務とする士業で、不動産の運用に関するコンサルティングなどにも携わります。試験の合格率は5%と非常に低いうえに、合格後は難易度の高い実務講習を受ける必要があります。取得難易度が高い資格といえるでしょう。

その他の士業の種類を紹介

8士業・10士業のほかにも、生活に馴染み深い業務を担う士業が存在しています。ここでは、代表的な士業を4つ紹介します。

宅建士

宅建士とは「宅地建物取引士」の略称で、不動産取引に伴う重要事項の説明・重要事項説明書への記名押印・契約書への記名押印を独占業務とする士業です。不動産取引を公正に行う役割を担っており、宅建業者は事務所ごとに決められた割合で設置することを義務付けられています。

マンション管理士

マンション管理士は、マンションの管理全般業務や大規模改修工事の計画立案、運用コンサルティングなどを担当します。現在は法律で定められた独占業務はありませんが、今後の法改正によって新たに追加される可能性があると予想されています。

社会福祉士

社会福祉士とは、高齢者や障害者など心身・経済的にハンディキャップを抱える人々の支援を行う士業です。国家資格ながら独占業務はありませんが、日常生活の介助、相談後の行政機関への連携、支援計画の立案など、介護の現場で幅広く活躍しています。

気象予報士

気象予報士とは、観測データ・気象レーダー・アメダスなどの情報を分析し、気温や湿度、降水確率といった天気に関する予報を立てる士業です。ニュース番組で天気予報コーナーを担当することもあるため、一般的には知名度が高い士業といえるでしょう。ただし、試験の合格率は5%と低く、士業の中でも難易度が高い資格です。

士業の平均年収

一口に士業といっても、業種によって平均年収は大きく異なります。また、企業や事務所に所属しているのか、自分で開業しているのかによっても差は生じます。代表的な士業である8士業・10士業の平均年収は以下の通りです。

士業名平均年収
中小企業診断士1029.5万円
社会保険労務士1029.5万円
弁護士945.4万円
司法書士945.4万円
弁理士945.4万円
土地家屋調査士945.4万円
税理士658.6万円
行政書士584.4万円
不動産鑑定士 584.4万円
海事代理士約500万円

引用:https://www.agaroot.jp/column/degree-of-difficulty/

士業の将来性は?

多くの士業は難易度の高い国家資格に合格する必要があるため、取得しているだけでもある程度市場価値が高まるとされています。その中でも独占業務を持つ士業は特に競争率が低く、ライバルの参入障壁が高いため、独立開業にも適しています。

ただし継続的に仕事の依頼を受けるには、自身を売り込む営業スキルや、士業としての実績・経験が必要になります。独立開業する場合は、経営や人事に関連する知識も求められます。資格取得のみで満足せず、継続して市場価値を高めていく努力が必要になるでしょう。

また、近年AI技術の発達により、データ入力や計算作業のような単純業務は代替されてしまうリスクが生じています。自身の市場価値を客観的に見直して、自分ならではの価値を提供できるかを重視して活動することが大切です。

まとめ

この記事では、代表的な士業の種類や特徴について解説しました。士業の中でも独占業務と持つものとそうでないものがありますが、いずれも各分野で専門家として活躍できるのが特徴です。ただし、試験に合格することは容易ではないため、資格取得を目指す場合は計画的な学習が必要です。ぜひ今回の記事を参考に、士業への理解をさらに深めてみてください。

監修者・中田 潤一

中田 潤一

株式会社キーエンス株入社後、サントリー株式会社→アリババ株式会社→株式会社リクルート住まいカンパニー リクルート在籍時に株式会社Izulを立ち上げ、現在に至る。株式会社Izulを含め4社の代表取締役を勤める。スキルシェアサービス「タイムチケット」では就職・転職カテゴリーで46ヶ月連続1位獲得、年間アワードを3年連続受賞。

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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