年末の挨拶メールは、その年の感謝の気持ちを相手に伝える方法の一つです。送る相手が上司や同僚などの社内の人間であった場合、社外に向けて送る時とは少し異なる作成方法やマナーがいくつかあります。送ったメールで失敗してしまわないように、しっかりと理解しておきたいところです。本記事では、社内向けの年末挨拶メールの作成方法や例文、注意点などを紹介していきます。
社内向けの年末の挨拶はメールが多い
取引先など社外への挨拶は、丁寧な印象を与えるために「挨拶状」としてハガキを利用することもあります。しかし近年、社内向けの年末の挨拶では、手軽にメールを利用するケースが多いようです。
年末の挨拶メールを送る理由
年末に挨拶メールを送る理由は、大きく2つあります。
- 「今年一年間お世話になりました」と感謝を伝えるため
- 「来年もあなたと良い関係を築きたい」という意思表示
もちろん直接挨拶を済ませた後でも追ってメールで挨拶することで、相手からの好感度も上がり、社内の人間関係向上に繋がります。
年末の挨拶メールの基本構成
- 宛名
- 挨拶と名乗り
- 時候の挨拶
- 一年の感謝・年始に向けての挨拶
- 結びの言葉
社内の人向けへ送る場合、上述した1〜5を押さえて書くとよいでしょう。社内向けであっても、基本構成を踏まえ、失礼のないメールを作成しましょう。
【社内の人向け】年末の挨拶メールを送るマナー
社内の人に向けて年末の挨拶メールを送る際には、上司・同僚関係なく基本的なビジネスマナーが求められます。ここをしっかりと理解しておかなければ、挨拶メールを送ったことにより印象が悪くなる最悪のケースも起こり得ます。ここからは基本的なマナーについて紹介していきます。
できるだけ簡潔に書く
年末になるにつれて世間は慌ただしくなり、多忙を極める人も多いでしょう。その中で長文の挨拶メールを送ってしまうことは、相手の時間をそれだけ奪ってしまうことであり、業務の負担になる可能性があります。さくっと読めるように意識して、できるだけ簡潔に伝えたいことをまとめましょう。
わかりやすい件名を書く
年末は、取引先など社内外問わずメールのやり取りが増える時期です。メールボックスに重要なメールも並ぶ中で、年末の挨拶メールが負担になってしまってはいけません。そこで件名をわかりやすく記載しておくことで、受け取り側に「年末の挨拶」だと理解してもらい、相手の都合に合わせてメールを開いてもらえるよう配慮しましょう。
送るタイミングを誤らない
年末の忙しい時期に挨拶するとなると、送るタイミングは相手が休暇に入る数日前がよいでしょう。万が一早めに休暇に入ってしまえば読まれない可能性もありますし、休暇前日は仕事の整理や片付けなどでメールを読む暇がないことも考えられます。確実に読んでもらえるよう、休暇の数日前に送ることをおすすめします。
挨拶メールの返信に対する「返信」は不要
基本的にこちらが送った挨拶メールに対して返信があった場合、それに対して返信することはやめておきましょう。相手がまたメールを読み、丁寧な人であればさらに返信をくれる人もいるかもしれません。しかしそれでは、結局相手の時間をさらに浪費してしまいます。話の終わりどころをこちらで作ることは大切な配慮の一つです。
【例文】社内に向けた年末の挨拶メール
それでは上述した文章構成や基本マナーをふまえて、上司・同僚に向けたメール例を見ていきましょう。相手に限らず件名は「年末のご挨拶」としておくのがベター。本文では△△に相手、○○に自分を当てはめて、社内の人に向けて年末の挨拶メールを作る際の参考にしてください。
上司宛
件名:「年末のご挨拶」
△△部
△△課長(役職名)いつもお世話になっております。
○○部○○です。早いもので本年も残すところわずかとなりました。
△△さん(または役職名)にはいつも親切にご指導いただき、心より感謝しております。来年もよりいっそう精進して参りますので、
ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。寒い日が続いております。
ご自愛の上、よいお年をお迎えください。
社内で年末の挨拶メールを送る相手が上司の場合には、日ごろのお礼に加えて来年へ向けてのやる気をアピールしましょう。客先向けのように堅苦しすぎる必要はありませんが、基本的な社外へのビジネスメール同様、言葉遣いに注意してください。
同僚宛
件名:「年末のご挨拶」
△△部
△△さんいつもお世話になっております。
○○部○○です。早いもので、本年も残すところわずかとなりました。
本年を無事に過ごせましたのも、△△さんのご支援のおかげです。
誠にありがとうございました。来年もご迷惑をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
それではお体に気をつけて、よいお年をお迎えください。
社内でも比較的立場の近い同僚などに年末の挨拶メールを送る場合、相手との関係性によって言い回しを変えるのもよいでしょう。日ごろ仲の良い相手であればもう少しフランクに、そうでなければ印象が悪くならないよう失礼のない丁寧な文章を心がけてください。
年末の挨拶メールに関する注意点
年末の挨拶をメールで送る場合、注意しなければならない点をいくつかご紹介します。一方的に送ってしまうのではなく、送った相手への配慮を忘れないことも社会人としてのマナーです。
一斉送信はしない
社内の人へ向けて年末の挨拶メールを送る際、送る側としても多忙な中でメールを作成しなければなりません。その場合でも、一斉送信(CC)で済ませることは避けましょう。メールアドレスは立派な個人情報であるため、不信感を抱かれる恐れもあります。さらに、事務的に送ったような印象も付きがちです。面倒でも、一人ひとりに送信するようにしてください。
挨拶メールだとわかる件名にする
上述した通りみんなが忙しい年末に挨拶メールを送る場合、件名を空白にしたり、内容が分かりにくい言葉を入れることは避けましょう。相手がメールを開かなくても内容がおおよそ把握できるように、「年末のご挨拶」などとするのが親切です。
正しい敬語を使用する
社内の人向けといえども上司や同僚、さらには後輩といったように、送る相手との関係性はそれぞれ違います。相手との仲に合わせて適切な言葉遣いを考え、敬語は正しく使いましょう。受け取った側に違和感が生まれてしまうような間違った使い方の敬語は信用を損ないます。もしも不安があれば、本記事の例文もぜひご活用ください。
年末の挨拶メールを送り忘れたら?
社内に年末の挨拶をメールで送り終わったと思っていても、年始になって「うっかり送り忘れた人がいた……」「送信エラーが起きていた……」といったことも十分考えられます。そのような時でも慌てず、新年が明けて営業を開始したら挨拶のメールを送りましょう。まずは年末に送れなかったことのお詫びと、昨年の感謝の気持ちを忘れず伝えるようにしてください。
対面で年末に挨拶する際のポイント
年末、対面にて社内の人に挨拶する際は、以下のポイントに気を付けてください。
- 基本的に仕事納めの日に行う
- 時間のタイミングは会社規則に従う
- 言いたいことを簡潔にまとめる
時間帯によっては相手の迷惑になることも考えられるため、定時後がよいのか、終業前がよいのか、会社のルールや雰囲気によって判断が必要です。そして一番大切なのは挨拶の言葉を簡潔にまとめることです。これはメールと同様に、事前に要点をまとめ、長くならないように注意しましょう。
まとめ
社内の人へ向けて年末の挨拶メールを送る際の作成方法やマナーについてご紹介しました。年末の挨拶は次の一年にも影響を及ぼすかもしれません。「終わりよければ全てよし」といったように、年末にきちんと挨拶・感謝の意を伝えられれば、来年も良好な人間関係の中で仕事ができるでしょう。
是非、本記事を参考にして、感謝の気持ちを伝えるメールを送ってみてください。