ビジネスにおける商談や会話を円滑に進めるためには、説明下手であってはいけません。説明下手は、対策を取ることで解消できることをご存知でしょうか。今回は、説明下手な人の共通点を交えながら、克服するための方法を解説します。話を簡潔にまとめて説明する能力に自信がない方は、ぜひ参考にしてください。
説明が下手な人の共通点
説明下手な人には、以下の共通点があります。自分に当てはまる点がないか、客観的に分析するうえでの参考にしてください。
- 自分本位で話してしまう
- 要点をまとめるのが苦手
- 話に主語がなく抽象的
- 感情的になりやすい
- 苦手意識を克服しようとしない
- 質問への回答を用意していない
- 早口で話す
自分本位で話してしまう
「この説明であれば理解できるだろう」と、自分を基準に話してしまうことが、説明下手な人の典型的な共通点です。自分しか知らない固有名詞を並べ、相手は「知らないこと」という前提を考えられない人は、総じて上手な説明ができません。
要点をまとめるのが苦手
説明の際、一番伝えたい要点がまとまっていないと、何が言いたいのか相手には伝わりません。要点をまとめられていないと、話している間に自分自身も、何を言えばいいかわからなくなってしまいます。
話に主語がなく抽象的
説明下手な人は、話の中に主語がないという共通点もあります。「誰について」「何について」話しているのか相手に伝わらなければ、説明を理解してもらうことは困難です。また、話の内容が抽象的な場合も、情報が正しく伝わりにくくなります。「主述関係を整理して分かりやすい説明を心がける」「具体的な数字やデータを適宜入れ込む」といった対策を行い、イメージしやすい説明を心がけることが大切です。
感情的になりやすい
説明に自身の感情が入りすぎてしまうと、順序立てた説明ができなくなります。要点をまとめることも困難になるため、他人に対して説明をする際は自身の感情を持ち込まず、客観的な目線を意識することが大切です。
苦手意識を克服しようとしない
説明下手であることを自覚しているにもかかわらず、対策を取らない人はいつまで経っても説明下手のままです。後ほど紹介する説明下手を脱却するためのテクニックを駆使し、説明することへの苦手意識を解消しましょう。
質問への回答を用意していない
自分の説明したいことを伝えるだけでは、ビジネスにおける会話はスムーズには進みません。説明内容から予想できる質問を想定し、回答を用意しておくことが大切です。質問の回答をきっかけに、説明の内容がよりわかりやすくなることもあるので、質問が来ることを前提に説明すべきです。
早口で話す
たとえ説明の内容がまとまっていても、早口では相手がうまく聞き取れず、頭に入ってきません。特に初めて聞く内容は、どうしても言葉を聞き取ることに意識が向いてしまうため、早口だと内容まで理解する余裕がなくなってしまいます。普段から早口だと言われる、早口だと自覚している人は、まず話すスピードから見直すべきです。
説明下手によるデメリットとは
説明下手であることを克服できないと、ビジネスにおけるさまざまなデメリットが生じます。
伝えたいことが理解されない
説明下手だと、自分の伝えたいことが相手に理解されません。例えば、商談やテレアポにおいて自社の商材を自分の言葉で説明し、アピールできなければ、成約にはつながりません。また、顧客や同僚とトラブルがあった際も、説明下手だと誤解を生み、かえって関係が悪化する可能性もあります。
仕事ができない人と認識される
ビジネスにおいて、自身の考えをわかりやすく伝えることは必須です。説明下手だと思われてしまうと、それだけで「仕事ができない」と認識されるリスクがあります。仕事ができない人と認識されると、成約につながらないばかりか、既存業務におけるチャンスを逃す結果になりかねません。
同じ説明を繰り返すことで時間が無駄になる
説明下手だと自身の説明が相手に伝わるまで、何度も同じ話をすることが想定されます。同じ説明を何度も繰り返すことは時間の無駄になり、相手に不快な思いをさせてしまいます。また「仕事ができない人」のイメージにも直結しやすいでしょう。
説明下手を解消する基本テクニック
説明下手は、以下に挙げるテクニックを駆使することで解消することが可能です。自身が説明下手だと自覚している、説明下手だと言われた経験がある人は、対策として実施してみてください。
- 伝えたい内容をまとめる
- 5W1Hで話を構成する
- 丁寧に話す
- 相手の反応を見る
- 要点をシンプルにまとめる
伝えたい内容をまとめる
説明する前に、自分が伝えたい内容をまとめることが大切です。要点をまとめることはもちろん、話の「肝」となる部分を理解しておく必要があります。また、上手に説明するため、事前準備も怠ってはいけません。要点をまとめ、事前準備をしっかり行うことで、理路整然とした説明ができるでしょう。
5W1Hで話を構成する
説明下手だと思われないためには、5W1Hを意識することも大切です。
- When (いつ)
- Where (どこで)
- Who(だれが)
- What (なにを)
- Why (なぜ)
- How(どのように)
上記6つを意識して説明時に反映させることで、よりわかりやすく丁寧に説明できます。5W1Hに基づいて説明内容を構築できれば、説明への苦手意識を自然に克服することが可能です。
丁寧に話す
説明内容がずさんではないか、早口になっていないか意識してください。丁寧に説明することで聞き手が理解しやすく、説明に対する「配慮がされている」と認識され、好印象につながります。
相手の反応を見る
自分の話したいことだけではなく、相手の反応や表情を見ながら説明することが大切です。相手が理解していないと感じたら、わかりやすくなるように補足説明したり、不明点を質問してもらうことも大事です。適宜「何か不明点はありますか」と問いかけると、相手も自然に質問しやすくなります。
要点をシンプルにまとめる
同じ話を何度も繰り返すことを防止するために、説明の要点はできるだけシンプルにまとめてください。要点を漫然とまとめるだけでは結局聞き手に伝わらず、思うような説明ができません。可能な限りシンプルに要点をまとめることで、無駄のないわかりやすい説明ができます。
説明上手な人から学ぶ!一歩踏み込んだ練習方法
説明下手を克服したら、さらにレベルを上げて「説明上手」な人を目指しましょう。ここでは、説明上手になるために実施したい練習方法を紹介します。
結論から話す
説明を開始する際、まず結論から話すように意識してみてください。結論を述べた後、「なぜなら〜」と話し始めることで、結果に基づく理由をわかりやすく相手に伝えることが可能になります。
相手の目線で話す
あくまで相手の目線に立ち、説明内容を構築し話すことが大切です。
「貴社の商材との相性を鑑みて」
「貴社が抱える顧客傾向から判断できるのは」
相手の目線で説明することで、聞き手は説明の内容を自身に置き換えやすくなります。
相手を楽しませる意識をもつ
ただ伝えたい内容を羅列するだけでなく、相手との「会話」を意識した説明を心がけましょう。相手の言葉や質問を反復するなどして、聞き手の「承認欲求」を満たしてあげることが大切です。会話を通じて承認欲求が満たされれば、相手もこちらに心を開いて色々なことを話してくれます。
内容を受け止めたうえで話す
聞き手の意見に対して否定するのではなく、まずは受け入れたうえで話しましょう。頭から否定されてしまうと、たとえ間違っていたとしても受け入れにくくなるものです。最初は相手の発言を受け入れ、その後「しかし」で返す「イエスバット法」や、「実は」でつなげる「イエスアンド法」を駆使して説明しましょう。
わかりやすく噛み砕いて説明
説明の内容を、極端に言えば子どもでも理解できるものに噛み砕くと、上手な説明が可能になります。商材やサービスについての説明を「理解されるだろう」と認識するのではなく、誰が聞いてもわかるような言い回しを意識することで、スムーズに内容を理解してもらえます。
表情にも意識を向けてみる
説明が上手な人は、表情豊かに説明する傾向にあります。楽しそうにイキイキと話す人を見ていると、聞き手も自然に楽しくなってきます。表情・声のトーン・スピード・間の取り方を意識して説明できれば、説明する時間そのものが充実したものになるでしょう。仮に相手の話を否定する際も、笑顔を忘れてはいけません。
まとめ
今回は、説明下手な人の共通点や克服方法について紹介しました。説明下手だと、相手にこちらの意図が伝わらないばかりか、仕事ができない人と認識されてしまいます。理路整然とした説明はビジネスにおける「成功」にもつながるので、今回紹介した内容を説明下手の解消にお役立てください。