営業電話がかかってきたとき、断り方がわからなくて時間をロスした経験がある方もいるのではないでしょうか。社内で営業電話の断り方についてマニュアルを作成し、一貫した対応を取ることが大切です。そこで今回は「営業電話の断り方」をテーマとして、断った方がよい電話の特徴やおすすめの対策について詳しく解説します。
営業電話の断り方を決めておかなければならない理由
営業電話の内容はさまざまなため、断るかどうかは内容次第という企業もあるでしょう。しかし断る基準を明確にしたうえで断り方を社内で統一しておかなければ、さまざまな問題が起きる恐れがあります。
まずは営業電話の断り方を決めておくべき理由から、詳しくみていきましょう。
電話を切れずに時間をロスする
電話を切れずに時間をロスしてしまい、業務に悪影響が及ぶ恐れがあります。業務遂行の時間が減ることで残業時間が増えると人件費がかさむうえ、従業員のモチベーションが低下してしまうのです。営業電話をすぐに切ることは会社のイメージに影響するため、なかなか電話を切れない人もいるでしょう。しかし業務に影響が出ては本末転倒です。
再びかかってくる恐れがある
営業電話をあいまいな形で断ってしまうと、再びかかってくる恐れがあります。相手側も頑張れば契約につながるかもしれないと思い、ますます積極的に営業をかけてくるでしょう。そうなれば、次からは電話を切ることが難しくなる可能性もあります。
従業員のストレスが大きくなる
しつこい営業電話やあいまいな断り方をしたことによる再度の営業電話などによって、従業員のストレスが大きくなります。ますます業務の時間が削られてしまい、人件費も高くなるでしょう。ストレスが大きくなると生産性が低下し、退職者が出やすくなる恐れがあります。
重要な電話に出られなくなる恐れがある
営業電話を断れないことで繰り返しかかってくると、重要な電話に出られなくなる可能性が高まります。いつかけても話し中になるために、かけるのをやめてしまうこともあるかもしれません。このような機会損失は企業の利益の低下に直結するため、営業電話の断り方は必ず決めておきましょう。
営業電話の断り方
営業電話の正しい断り方はシンプルかつ明快です。ここからは、営業電話の断り方と断るための考え方について解説します。
営業電話を一律で断っている旨を伝える
すべての営業電話を一律で断っている旨を伝えれば、相手側としては引き下がるしかなくなります。それでも話を聞いてほしいと言われても、そのまま電話を切りましょう。相手に悪い、話を聞いてあげたいといった感情が出ると、相手に期待させる断り方をしてしまいます。
そのため「営業電話を一律で断っているのだから仕方がない」と考え、毅然とした態度で対応することが大切です。
明確かつ丁寧に断る
「今は担当者が不在なので……」「そのような営業は受けていないと聞いているので……」といったあいまいな断り方だと、相手はなんとか決裁権を持つ人物に取り次いでもらおうと言葉巧みにアプローチしてきます。
そのため「営業電話はお断りしております。」と明確に断ることが大切です。また雑な対応をすると企業の評判に関わるため「わかりません」ではなく「わかりかねます」と答えるなど、丁寧な言葉づかいと対応を心がけましょう。
断った方がよい営業電話の特徴
営業電話の中には、断った方がよいものもあります。次の2例のような営業電話は、担当者へ取り次ぐことなく断りを入れた方がよいでしょう。
- 決裁者への取り次ぎを要求する
- 強引に話を進める
決裁者への取り次ぎを要求する
決裁権を持つ人物「決裁者」への取り次ぎを求めるという営業電話のテクニックがあります。決裁者とは、各部署の管理職のことです。最初の営業電話の段階で決裁者への取り次ぎを求めるのはマナー違反であり、不快感を与える行為とされています。
マナーに違反している企業との取引で自社が利益を得られるとは考えにくく、ましては気持ちのよい取引にはならないでしょう。そのため決裁者への取り次ぎをしつこく要求する営業電話は、断ることが大切です。
強引に話を進める
担当者に代わってもいない段階で、取引に向けて強引に話を進める営業電話は、きっぱりと断りましょう。自分たちの利益が最優先という考えを持つ企業と考えられるため、取引すると自社が不利益を受ける恐れがあります。
営業電話による業務への影響を抑える方法
営業電話による業務への影響を抑えるために、対応マニュアルを作成するほか、さまざまな対策を立てる必要があります。次の4点の対策を立てて、営業電話による影響を抑えましょう。
- 対応マニュアルを作成する
- 着信拒否する
- 電話番号を区分けする
- 自動音声応答を活用する
対応マニュアルを作成する
営業電話の断り方や選定の基準、担当者への取り次ぎ方について記載したマニュアルを作成しましょう。マニュアルのとおりに対応することで、営業電話の業務への影響を抑えることができます。従業員としても自ら考えて対応するのではなく、マニュアルに従った方がストレスが抑えられます。
着信拒否する
しつこい営業電話は着信拒否しましょう。着信拒否すると番号を変えて電話をかけてくることもあるかもしれませんが、その番号も着信拒否します。これを繰り返すことで、いずれはかかってこなくなるでしょう。
非通知でかけてくる場合は効果がありませんが、そもそも自社と関わりがある企業が非通知でかけてくることは通常ありません。そのため非通知は、一律で拒否してよいと考えられます。
電話番号を区分けする
既存顧客用とそれ以外の番号を区分けすることで、事前に営業電話の可能性を確認できます。営業電話かもしれないと思って電話に出るのと、どちらかわからないまま電話に出るのとでは精神的なストレスに差が出ます。
ただし名刺交換した見込み客からの電話の可能性もあるため、営業電話と決めつけないよう注意が必要です。
自動音声応答を活用する
自動音声応答を利用することで、無作為にかけている営業電話を撃退できる可能性があります。電話の目的に応じて番号を選択する過程があるため、電話に出るまでに時間がかかります。少しでも多くの企業へ営業電話をかけることを目的としている企業は、自動音声応答の時点で電話を切るケースもあります。
まとめ
しつこい営業電話は業務に大きな影響を与える恐れがあるため、対応マニュアルの作成や着信拒否、電話番号の区分けなどの対策を立てることが大切です。すべての営業電話が自社にとってマイナスの影響を与えるとは限らないため、担当者へ取り次ぐかどうかの判断については慎重に検討する必要があります。この記事で解説した内容を参考に、営業電話への対応や断る方法などを決めましょう。