営業戦略の立て方・進め方は?計画に役立つフレームワークやポイントについて解説

2023年9月25日

2023年8月16日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

営業活動を通じて成果を上げるためには、企業全体で事前に「営業戦略」をしっかり立てておくことが大切です。しかし、営業戦略とは何か、その詳細まで理解しきれていないという人も多いでしょう。

今回は、営業戦略の重要性や立て方、基本的な進め方について解説します。営業戦略に役立つフレームワークや、営業戦略を立てたあとのことにも触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

営業戦略とは

企業の業績を向上させるための、営業活動全体における中長期の方針・総合的な目標を営業戦略と言います。ここでは、営業戦略の重要性や類似用語との違いについて解説します。

営業戦略の重要性

営業活動による成果をより効率的に上げるうえでは、闇雲に営業するよりも営業戦略を立てて進めることが大切です。しっかりとした戦略を立てていない状態で営業活動を進めても、方向性がぶれてしまい、無駄な行動が発生する可能性が高くなります。決定権のある上司や営業案件に関わる他部署との連携も取りにくくなるため、企業全体で営業を通じた成果を上げるための営業戦略が重要であるといえます。

類似用語との違い

営業戦略と似た言葉に、営業戦術・経営戦略・マーケティング戦略があります。これらの概要を踏まえたうえで、上述した営業戦略の特徴との違いを把握しておきましょう。

営業戦術経営戦略マーケティング戦略
・営業活動を進めるうえで実施する具体的な手段のこと
・営業戦略を達成するために必要な「行動」を指す
・企業としての存続、発展についての計画
・営業に限定するのではなく、経営そのものに着手した戦略を指す
・製品を顧客に届けるためのマーケティング面に関する計画
・より顧客のニーズに目を向けた戦略を指す

営業戦略の立て方

営業戦略は、以下のステップで立てていくのが一般的です。ここでは、営業戦略を立てる際のステップにおいてそれぞれ何をするのか、具体的に解説します。

  1. 市場調査
  2. 現状把握・数値化
  3. 営業課題の明確化
  4. コアコンピタンス把握
  5. 戦略立案

市場調査

営業における目標をまず明確にし、そのうえで市場調査を行います。具体的には、自社サービスを届けるべき業界・市場・顧客が置かれている環境を対象に、定性的かつ定量的にデータを集めていきます。客観的・俯瞰的な目線で市場の状況を把握できれば、より明確かつ確実性の高い営業戦略が立案できます。

現状把握・数値化

市場調査を終えたら、自社の現状を把握する段階に入ります。営業活動に関する仕事量に応じた工数を、数値化したうえで分析するのが一般的です(訪問件数・営業活動の時間・営業コストなど)。また、商談での会話や質問に対する回答・対応、クレームの内容といった顧客目線でのデータも数値化し、定性的に分析する必要があります。

営業課題の明確化

市場と自社の現状を把握できたら、自社の営業における課題を抽出し、明確化します。「ターゲット層に合わせた営業活動ができているか」「営業プロセスの効率化は可能か」などの視点から、自社が解決すべき営業課題を明確化してください。課題を抽出することで、自社がすべきことを俯瞰的に捉えられます。

コアコンピタンス把握

コアコンピタンスとは「他社にない自社を差別化できる技術・特色・価値」を示すビジネス用語です。営業課題の明確化まで行った段階で、自社のコアコンピタンスを把握しましょう。コアコンピタンスを把握することで他者との差別化ができるため、より顧客のニーズに応えられるようになります。

戦略立案

コアコンピタンスの把握まで終えた段階で、自社独自の営業戦略を立てられます。ここまで紹介したステップ一つひとつをしっかり実施し、営業活動を通じた成果につながる戦略を立案しましょう。

営業戦略の進め方

営業戦略を立案したあとは、以下の手順を参考に実際に進めていきましょう。

  1. 営業戦略実行に必要な手段を決定する
  2. KPIを設定する
  3. KPIの進捗状況を可視化する
  4. 効果の検証・改善を行う

まずは自社で達成したい中長期的な目標に対し、短期間で実行できる手段を決定します。その後「重要業績評価指標」を意味するKPIを設定し、都度進捗状況を可視化しながら効果を検証します。検証結果によっては戦略遂行の手段からKPIまで、それぞれ改善する必要が出てくるでしょう。

営業戦略に役立つフレームワーク

ここでは、営業戦略に役立つ以下のフレームワークについて、概要を解説します。

  • 3C分析
  • SWOT分析
  • パレートの法則
  • ランチェスター戦略
  • MECE

3C分析

顧客(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company​​)の3つに関して、それぞれ分析を行うフレームワークです。3つそれぞれの分析を行うことで、成功につながる事業計画を導き出せます。

SWOT分析

自社製品やサービスの強み・弱みを把握し、市場や競合の動向と照らし合わせる手法のことです。社内だけでなく、社外の状況を踏まえたうえで自社の勝機を見つけ出すために活用されます。

パレートの法則

「80:20の法則」とも呼ばれるフレームワークのことです。例えば、売上を8割・2割をリピーターとし、2割のリピーターがどのような特性をもっているのか分析し、マーケティングにおける効率を高めるうえで使用されます。分析対象にパレートの法則が当てはまることを確認したうえで実施すれば、業務効率化やパフォーマンス向上が期待できます。

ランチェスター戦略

弱者・強者の角度から分析を実施し、自社にマッチした戦略を組み立てることです。中小企業・零細企業でも実践しやすいのが特徴で、小さな市場でトップを狙うのに適した戦略といえます。

MECE

Mutually(相互)・Exclusive(重複せず)・Collectively(全体)・Exhaustive(漏れない)を意味する思考法のことです。営業戦略における、漏れと重複を防止するために使用されます。

営業戦略は立てて終わりではない

営業戦略は、ただ立てただけでは意味がありません。ここでは、営業戦略を立てたうえで意識すべきことをいくつか紹介します。

立案した戦略を実践に活かす

立案した営業戦略は、実際の活動で実践することが大切です。実践のうえで出た効果や課題を元に、より効率的かつ確実な戦略へとブラッシュアップしていく必要があります。

数値化による指標管理を徹底する

営業戦略の実現には、目標を具体的に数値化する必要があります。数値化された指標はKPIを打ち立てるのにも役立つでしょう。また、仮に設定した目標数値が達成できなかった場合、達成するのに必要な数値を客観的な目線で分析することも可能です。

PDCAサイクルを意識する

営業戦略の立案・実施・効果測定・再実施の流れを、サイクル化して繰り返し行っていくことが大切です。何度も繰り返し実践することで、課題の解決がより確実になります。営業戦略そのもののブラッシュアップにつながる視点にも気づきやすいため、ただ立てて終わるのではなく常に進化させることを意識すべきです。

まとめ

今回は、営業活動全体における中長期の方針・総合的な目標を示す営業戦略について紹介しました。営業戦略は、企業で設定した目標達成に必要不可欠な指標です。具体的な立て方や進め方、立てた後に実施すべきことを把握したうえで、自社ならではの営業戦略を考案・実施しましょう。

監修者・押目 隆之介

押目 隆之介

日本郵船グループにて3年間国際物流業務に従事。
リクルートに転職し、約5年間住宅・不動産領域のメディア営業およびマネジメントを経験後、前職のAbemaTV(サイバーエージェントより出向)にてコンテンツ戦略プロデューサーとして約4年間勤務しておりました。

現在は、自身の事業の経営も行いながら、リクルート時代の同僚であった中田の立ち上げたIzulにて、20~30代の方々を中心としたキャリア支援のお手伝いもさせていただいております。

著者プロフィール

Izul広報チーム

Izul広報チーム

株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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