アップセルとは?クロスセルとの違いや成功させるポイントを解説

2023年1月4日

2024年7月1日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

アップセルは、売上を伸ばすための効果的なマーケティング手法です。アップルセルには複数のパターンがあります。また、合わせて語られることの多い「クロスセル」との違いを理解しておくことも、導入するうえで重要です。今回はアップセルの具体例やクロスセルとの違い、メリット・デメリットについて詳しく解説します。

アップセルとは

アップセルとは、顧客単価を上げるためのマーケティング手法です。顧客が購入したものや購入を検討しているものよりも高価な商品をすすめたり、継続購入を促したりする手法を指します。売上を伸ばすために必要な手段のひとつとして、広く知られています。

アップセルの具体例

アップセルは主に、3つの手法があります。それぞれの違いを把握し、商品やサービスごとに適した方法を取り入れることで大きな効果が期待できます。

ハイグレード商品

ハイグレード商品とは、上位モデル商品の購入を促す方法です。顧客が購入しようとしている商品よりもグレードの高い商品のメリットや利便性などを伝えることで、顧客の購入意欲を掻き立てます。より多機能で高価な家電製品を勧めるようなセールスのほか、インターネット上のサービスにおける上位プランへ誘導する事例も含まれます。

定期購入コース

定期購入コースとは、割引などのメリットを顧客に提示することで、リピート購入契約を促す手法です。例えば、健康食品のお試しセットを低価格で提供し、その購入者に対して定価よりもお得な定期購入コースを示すことで継続的な購入につなげます。また、顧客1人あたりの購入額を向上させる取り組みも該当します。

まとめ買い

まとめ買いとは、一度に一定金額以上を購入した顧客に特典を与える手法です。具体的には、通信販売において一定金額以上を購入した場合に送料を無料にすることで、さらなる購入を促進させる事例が挙げられます。

クロスセルとは

アップセルと同じく顧客単価の向上を目的として、クロスセルという手法も存在します。クロスセルとは、ある商品を購入しようとしている顧客に対して別の商品を提案し、あわせて購入してもらうことを指します。ネットショッピングにおける「この商品を購入した方はこちらの商品も購入しています」と関連商品の紹介を行う手法が該当します。また、スーパーで食材に合う調味料を並べて陳列する方法も、クロスセルの一種です。

アップセルとクロスセルの違い

アップセルとクロスセルは、いずれも顧客1人あたりの単価を上げる目的で行う取り組みです。しかし、両者は手段が異なります。アップセルはより高単価、もしくはより長期間の購入を促すのに対して、クロスセルでは関連商品・商材の購入を促します。目的は同じですが、方法が異なると認識しておきましょう。

アップセルのメリット

ここでは、アップセルのメリットについて解説します。目先の売り上げだけでなく、複数の良い影響が期待できるため確認しておきましょう。

顧客単価が上がる

アップセルによって従来よりも上位モデルの商品やサービスを提供できると、その分顧客1人あたりの単価が向上します。これにより、新商品の開発や新規顧客を獲得することなく売上が向上します。高いコストを掛けずに成果を上げられる効率的な手法といえます。

顧客満足度が上がる

アップセル戦略を実行する上で大切なのは、顧客が求める提案を行うことです。さまざまなデータを分析した上で潜在的なニーズに対応できると、顧客にとっては高い金額を払っていてもそれ以上の満足感を得ることができます

営業効率が上がる

アップセルの実施によって、営業の効率も向上します。アップセルでは既存の顧客に対して働きかけるため、同じ商品を売る場合でも新規顧客の開拓に比べて低コストで成果をあげることが可能です。特に一度自社の商品を使用して良さを感じている顧客は、高い信頼がある状態で提案を聞くため受け入れられやすくなるでしょう。

アップセルのデメリット

アップセルには、デメリットもいくつか存在します。リスクを把握した上で、正しい戦略を考えましょう。

受注に失敗するリスクがある

アップセルを狙って強引な営業活動を続けると、失注してしまうリスクがあります。単価向上だけを考えた提案は、顧客のニーズにそぐわないものになりがちです。「この商品が良かったのに、高いものを押し付けようとしている」と思われると、単価アップどころか元の商品すら購入されなくなるため注意が必要です。

顧客の信頼度が減るリスクがある

アップセルのために複数の選択肢を提示することで、顧客からの信頼を失ってしまうことも考えられます。顧客にとって、商品を比べてどれを買おうか判断する行為には労力がかかります。「選択肢が余計に増えて大変」「面倒だから今日は買わない」と思われる可能性もあるでしょう。購入意欲があった顧客を満足させられないと、信頼を失い、次第に足が遠のいてしまう恐れもあります。

アップセルの提案を成功させるポイント

アップセルには良い面だけでなく、リスクも考えられることがわかりました。アップセルの戦略を失敗しないためには、どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。ここでは、アップセルを成功させるためのポイントを紹介します。

価格帯ごとに商品の特徴を分ける

上位のモデルを提案する際「どのような性能の違いによりこの価格差があるのか」「あなたにこの上位モデルがふさわしい理由」をはっきりと説明できると、顧客に受け入れられる可能性は高まります。そのためにも、商品設計の段階から差別化を図っておくべきです。

ターゲットを定める

アップセルは、ただやみくもにすべての顧客に対して行えばいいものではありません。「このタイプの人なら信頼を損なわず、受け入れられるだろう」という顧客へ優先的に提案を行うべきです。具体的には、自社の商品・サービスに愛着を持っている顧客や、自社に対して高い信頼を持っている顧客にアップセル戦略を働きかけることで、成功確率が高まります。事前調査やアンケートを活用して、ターゲットを絞ってアプローチしましょう。

お得感を演出する

アップセルを提案された顧客にとって、支払う金額は当然大きくなります。それでも高い満足感を提供するためには、お得感の演出が欠かせません。「1個だと◯◯円のものをまとめ買いして割引された」「上位モデルだけのサポートを得られた」「おまけが付いてきた」といった事実があると、お金の使い方に納得して満足度が高まるでしょう。

まとめ

アップセルの内容や成功のためのポイント、クロスセルとの違いについて解説しました。新規開拓よりも低コストで大きな成果を得られる営業方法として、既存顧客へのアプローチは大切です。自社が展開するビジネスに適した手法か見極めた上で、業績向上のためどのように導入すべきか具体的に考えてみてはいかがでしょうか。

監修者・中田 潤一

中田 潤一

株式会社キーエンス株入社後、サントリー株式会社→アリババ株式会社→株式会社リクルート住まいカンパニー リクルート在籍時に株式会社Izulを立ち上げ、現在に至る。株式会社Izulを含め4社の代表取締役を勤める。スキルシェアサービス「タイムチケット」では就職・転職カテゴリーで46ヶ月連続1位獲得、年間アワードを3年連続受賞。

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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