ブライダル業界で働きたいけれど仕事内容がわからず、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。ブライダル業界で働くためには業界の魅力や課題を事前に理解することが大切です。
今回は、ブライダル業界の転職に向けた知識をご紹介します。また、ブライダル業界に向いている人の特徴も解説しているので、自分自身がブライダル業界に合っているか確認するとよいでしょう。
ブライダル業界とは
ブライダル業界とは結婚に関わる業界です。結婚式を挙げるお客様へのサービスをメインに、結婚情報サービス・ドレス・ハネムーン事業なども含みます。ブライダル業界は人生の最も幸せなイベントの結婚に関わり、一生の思い出となる日をサポートする仕事です。
ブライダル業界の魅力
ブライダル業界の最大の魅力は、一生に一度しかない結婚式に関われることです。新郎新婦、さらには式に参列した人たちにとって、一生の思い出になるような演出をサポートする魅力的な仕事です。お客様の思い描く理想のイメージをお客様と一緒に考えていくのも仕事の魅力です。辛いことがあっても新郎新婦の幸せそうな表情を見れた際はそれまでの苦労が報われ、高い充実感を得られます。
ブライダル業界の課題
ブライダル業界の3つの課題を以下に示します。
- 少子高齢化によるマーケットの縮小
- ナシ婚増加
- 高い離職率
少子高齢化によるマーケットの縮小
現在の日本では、人口減少・少子高齢化が社会的な問題となっており、若い人口の減少=結婚する人の母数が減っているためブライダルマーケットが縮小しているという現実があります。
- 2022年2月(概算値)
総人口:1億2534万人
前年同月比65万人減少
参考:総務省統計 - 2021年9月(確定値)
総人口:1億2555万9千人
前年同月比62万8千人減少
- 15歳未満:1480万4千人
前年同月比25万人減少 - 15~64歳:7455万5千人
前年同月比57万5千人減少 - 65歳以上:3620万1千人
前年同月比19万7千人増加 (※総務省統計より)
上記のデータから少子高齢化が進んでいるのがわかります。
ナシ婚増加
最近では入籍をしても挙式・披露宴をしない「ナシ婚」を選ぶ方が増加しています。結婚式の費用は350万〜600万円程度かかります。結婚式にお金をかけなくても良いという方が多く、友人とパーティーや家族だけの食事会で済ませる方が増えています。
高い離職率
ブライダル業界は離職率の高い業界です。理由は人との繋がりを大切にする業界であり、新郎新婦はもちろんその家族とも関わることがあります。加えて、式の手配や当日の段取りにおける業務も多く、必然的に業務量が増えてしまいます。特にウェディングプランナーは接客・営業以外にも事務的な仕事が多く、残業や休日出勤が多いのが特徴です。そのため、プライベートとの両立が難しくなり、離職してしまう人が多い傾向にあります。
ブライダル業界の将来性
ブライダル業界では少子化の影響を受けて市場規模が小さくなっているのが現状です。結婚式を挙げないカップルや結婚式場以外で挙式をするカップルも増えています。ブライダル業界では縮小するマーケットでの顧客獲得が大きな課題になります。
コロナ禍がブライダル業界に与えた影響
コロナ禍はブライダル業界に大きな影響を与えました。コロナ禍により、招待客を減らし少人数での挙式が多くなり、緊急事態宣言が発令された時期には挙式をキャンセルするケースも多くでました。結婚式をせずにフォトウェディングのみを行うカップルも増え、コロナの影響で新しいトレンドが生まれたといえます。
ブライダル業界の仕事
ブライダル業界の主な仕事は以下8つです。
- ウェディングプランナー
- ヘアメイクアーティスト
- ドレスコーディネーター
- メイクアップアーティスト
- フラワーコーディネーター
- バンケットスタッフ
- 音響・照明
- ブライダルアテンダー
ウェディングプランナー
ウェディングプランナーは挙式の相談から当日までをサポートする仕事です。仕事内容としては式場を案内したり、挙式の段取りを新婦・新郎に説明します。また、準備期間や予算などカップルの希望にそった理想の挙式プランを作成します。ウェディングプランナーはドレスコーディネーターなどの他の職種とも連携するので、幅広い知識を必要とします。
ヘアメイクアーティスト
ヘアメイクアーティストは新婦・新郎のヘアスタイリングを担当します。2人の希望をもとに、その方の衣装・体型に合ったヘアスタイルに仕上げます。一般的なヘアカットをする美容師とは違い、衣装・体型に合わせて髪をセットするのがメインとなります。
ドレスコーディネーター
ドレスコーディネーターは新婦のドレスをコーディネートする仕事です。新婦の希望を踏まえ、流行りのデザイン・ドレスに関する知識をもとに相談に乗ります。必要な知識としては、服飾、色彩、流行カラーなどです。新郎の衣装も担当する人の場合は、コスチュームコーディネーターもしくは、コスチュームアドバイザーと呼ばれることもあります。
メイクアップアーティスト
メイクアップアーティストは新婦の美しさを最大限に引き出せるようにメイクを施します。会場の照明も考えてメイクする必要があるため、特殊な知識を必要とします。
フラワーコーディネーター
フラワーコーディネーターは結婚式場の生花のコーディネートを行います。別名、フラワースタイリストとも呼ばれます。花のコーディネート次第では、結婚式場の雰囲気が大きく変わるので、重要な仕事です。段取りとしては結婚式を華やかに飾るためにテーマの色、予算などカップルの希望をもとに装飾します。フリーランスとして活動する人もいますが、ホテルウェディングでは、ホテル内の生花店のスタッフが担当する場合もあります。
バンケットスタッフ
バンケットスタッフとはお客様を誘導したり、一斉に料理を出したりする給仕担当者です。スムーズに宴会が進行するように、チームで連携をとって仕事をします。
音響・照明
音響・照明は式場の音響・照明を調整するスタッフです。その場の雰囲気に合わせて、細かな調整が必要とされるので巧みな技術が必要になります。
ブライダルアテンダー
ブライダルアテンダーとは介添人のことです。新郎新婦が結婚式場についてから式が終わるまで、身の回りのサポートをします。内容としては、新婦の長いドレスの裾を持ち、案内するなどします。新郎新婦の緊張を和らげることも大事な仕事です。
ブライダル業界への転職前に身につけたいこと
ここでは、ブライダル業界へ転職する際に身につけたい経験・スキルを紹介します。
コミュニケーションスキル
ブライダル業界は人との関わりが重要なので、特にコミュニケーション能力、接客スキルを必要とします。面接でアピールするのがおすすめです。
ブライダル企業での実務経験
実際にブライダル企業で経験を積んでおくことで、転職で有利に働きます。実務経験で得たことを面接で伝えられるので、やる気や仕事に対する誠意が伝わりやすくなります。
関連資格の取得
ブライダル業界の中でも必要な資格は変わってきますが、資格をとっておくと転職で有利になります。主な資格は以下のとおりです。
- ブライダルコーディネート技能検定
- ドレスコーディネーター
- ABC協会認定ブライダルプランナー検定
- 日本ウェディングスタイリスト協会(JWSA)
資格を取得しておけば意欲があることも証明できるので、採用担当者に好印象を与えられます。
ヘアメイクの知識
ブライダル業界へ転職するのであれば、職種によっては顧客のヘアスタイリングを担当することを前提とした知識も必要になります。「髪が長い場合はまとめる」「髪色は黒色がベスト」「アイメイクは控えめに仕上げる」「リップは健康的に見えるものを選ぶ」など、業界の基本的なヘアメイク技術を学んでおくと役立ちます。
ブライダル業界に向いている人の特徴
ブライダル業界に向いている人を以下にまとめます。
- コミュニケーション能力がある人
- 笑顔が素敵な人
- 接客が好きな人
コミュニケーション能力がある人
ブライダル業界で一番必要なスキルは、コミュニケーション能力です。基本的に新郎新婦と常にコミュニケーションをとって仕事を進めていきます。人と関わることが好きで、コミュニケーション能力がある人がブライダル業界に向いています。
笑顔が素敵な人
ブライダル業界に向いている人は、笑顔が素敵な人です。逆に笑顔が苦手な人だと新郎新婦に暗くネガティブな印象を与えてしまうのでよくありません。笑顔でいれば新郎新婦がよい気持ちになります。
接客が好きな人
接客が好きな人も、ブライダル業界に向いています。常に人と関わるので、接客が苦手では仕事になりません。接客が好きならば仕事が楽しくて毎日が充実します。
ブライダル業界の志望動機を書く際のポイント
志望動機を書く際のポイントとしては「なぜその会社なのか」「なぜブライダル業界なのか」を深掘りしておきましょう。その会社で働くイメージをもって志望動機を書くと、働きたいという気持ちが伝わる文章を作成できます。
自分の適性や理想とするキャリアを形成するうえで、ブライダル業界での仕事をどう活かしていくか考えていくことも大切です。自身のモチベーションを明確にすれば、より説得力のある志望動機を作成できるでしょう。
また、過去に参列した結婚式で感じたこと、やりたいと思ったことを志望動機として落とし込めば、当たり障りのない内容ではなく、実体験をもとにしたオリジナリティのある志望動機になります。
まとめ
今回は、ブライダル業界の特徴や仕事内容、転職に向けた知識を紹介しました。ブライダル業界の中でもいろいろな仕事があります。自分がどの仕事をしたいかを把握した上で転職するとよいでしょう。ぜひこの記事を参考にして、ブライダル業界に転職してください。