株式会社リクルートは、日本国内で人材関連サービスを提供する企業です。さまざまな事業を展開しているため、ビジネスモデルを理解しにくいと感じる方もいるでしょう。業界研究をしている方やリクルートへの転職を検討している方は、リクルートのビジネスモデルを理解しておくことが大切です。この記事では、リクルートのビジネスモデルから企業が目指す理想や事業体制などについて詳しく解説します。
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リクルートのビジネスモデル
リクルートのビジネスモデルは「リボンモデル」と呼ばれる、カスタマー(個人や消費者)とクライアント(企業や事業者)のベストマッチングを生み出す仕組みです。
まずは、カスタマーとクライアントを大量に集めることから始めます。リクナビに例えると、カスタマーは求職者でクライアントは企業です。カスタマーがリクルートのサービスに会員登録し、クライアントは求人広告を掲載します。
続いて、集めたカスタマーとクライアントが積極的にサービスを利用するように促します。例えば、求人サイトのリクナビにおいては、企業検索やイベントへの参加などを通じて求職者や学生はアクティブユーザーとなります。
一方、クライアントとなる企業はリクルートのプラットフォームで求職者や学生に認知され、広告や合同説明会の開催などによってアクティブユーザーとなります。
そして最終段階で、カスタマーとクライアントを結びつけ、ベストマッチングを実現するのがリボンモデルの全容です。
リクルートはカスタマーとクライアントの結びつきを「リボン」と表現し、質の高いマッチングを追求しています。リボンの質を高めることは、カスタマーとクライアントのより良いマッチングを実現することを意味します。リクルートは新しいものを積極的に取り入れ、リボンの質の向上に努めています。
【2023年度最新】リクルートの新たなビジネスモデルとは
リクルートの新たなビジネスモデルでは、販促領域と人材領域の2つに焦点を当てています。販促領域では、住宅、美容、旅行、結婚、飲食などの分野におけるクライアントに対し、集客、顧客管理、決済などのソリューションを提供しています。
人材領域では、個人ユーザーの求職活動や企業クライアントの採用活動を支援するマッチングプラットフォームと人材マッチングサービスを提供しており、人材紹介料や広告掲載課金体系などによって収益を得ています。
また両事業領域で、個人と企業を引き合わせるマッチングプラットフォームや業務運営の効率化を支援するSaaS(Software as a Service)を提供していることも特徴です。SaaSはサブスクリプションやトランザクション課金を採用しており、一部のサービスは無料で提供しています。
リクルートが目指す理想とは
リクルートはテクノロジーを駆使し、マッチングをより速く、シンプルに行いたいと考えています。インターネットとスマートデバイスの普及により、多くの情報にアクセスできる時代において、最適なマッチングの重要性が高まっています。テクノロジーを取り入れながら、社会のニーズに合ったサービスを提供し、ユーザーにとって身近で使いやすいプラットフォームを提供するのがリクルートが目指す理想です。
リクルートの事業体制
リクルートグループの事業体制を構成するのは、3つの戦略ビジネスユニット(SBU)です。リクルートホールディングスが持ち株会社機能を持ちます。SBUがそれぞれ成長することで、リクルート全体の成長につながる仕組みです。ここからは、リクルートの事業体制について詳しく見ていきましょう。
HRテクノロジーSBU
HRテクノロジーSBUは、IndeedとGlassdoorの買収により成り立つ戦略ビジネスユニットです。先進的なテクノロジーを採用したオンライン求人プラットフォームにより、求職者と企業のマッチングサービスを世界60ヶ国以上で展開しています。
また人材ビジネスに関連するソリューションにより、多くの国内企業の採用活動を支援しているのです。
マッチング&ソリューションSBU
販促領域と人材領域があります。
販促領域では、住宅、美容、結婚、旅行、飲食などで個人ユーザーと企業クライアントをつなげるマッチングプラットフォームを提供しています。また、中小企業向けにSaaS(Software as a Service)を通じた業務効率化と生産性向上の支援も行います。
人材領域では、個人ユーザーと企業クライアントのつなげるマッチングプラットフォームを運営するほか、人材紹介にも対応しています。
人材派遣SBU
人材派遣SBUは、日本を含む複数の国で、事務職から製造業務、専門職まで幅広い分野の人材派遣サービスを提供しています。変動する国際的な労働市場に適応し、求職者と企業の多様なニーズに対応する柔軟な働き方を支援しています。
リクルートのビジネスモデルから見える企業の特徴
リクルートのビジネスモデルからは、収益性や安定性、ブランド力などが見えてきます。リクルートのビジネスモデルから見える企業の特徴について詳しく見ていきましょう。
SaaS事業への注力による優れた安定性
リクルートはSaaS事業に注力し、ソフトウェアソリューションを多くの企業に提供しています。これによりリカーリング収益を生み出し、安定的なキャッシュフローを実現していることはリクルートの良い点と言えるでしょう。
ブランド力を活かした幅広い事業展開
リクルートは日本国内外で強力なブランド力を持っています。長年にわたり、求人情報媒体、ウェブサービス、人材サービスなど、多くの分野で優れたサービスを提供することで、高い信頼性と認知度を築いてきました。このブランド力は、新規事業の展開や既存事業の成長において大きなアドバンテージとなっています。
人材領域における圧倒的な強み
リクルートは日本国内で大規模な求人情報プラットフォームを提供しており、多くの企業が求人広告を掲載し、求職者が仕事を探すために活用しています。この求人情報のリーディングポジションはリクルートの強みの1つです。
また人材紹介サービスやHRテクノロジーの活用によって企業の採用プロセスを効率化し、低コストでより良いマッチングができるよう支援しています。
まとめ
リクルートは、人材紹介や人材マッチングなどの分野において大きくリードしています。また、SaaS事業に注力することで安定的な収益を確保していることから、リクルートは収益性と安定性のどちらも優れた企業といえるでしょう。またビジネスモデルを定期的に見直し、新しいものを積極的に取り入れる姿勢を持っているため、今後も収益を大きく伸ばし続けると考えられます。本記事で解説した内容を、リクルートの企業研究や業界研究に役立ててください。