転職時の業界研究はどのように進める?やり方・ポイント・注意点を詳しく解説

2024年5月17日

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Izul広報チーム

Izul広報チーム

転職活動を進める中で、志望する業界を絞り込むために有効な取り組みが「業界研究」です。業界に関する情報を集め、深堀りしていくことで自分の希望に合った転職先が次第に明確になっていきます。そのため、新卒の就職活動だけでなく、第二新卒や中途採用での転職活動にも欠かせません。また、異業種への転職を希望する人にとっても重要な作業といえます。今回は、業界研究のポイントや注意点、実際の進め方を紹介します。正しい方法で理想的な転職を実現させましょう。

業界研究とは

業界研究とは、興味がある業界や働いてみたい業界について、情報を集めて研究する作業のことを指します。企業について掘り下げて調べることで、業界の特徴や現状を理解できます。自己分析や企業研究と同様に、転職活動における重要な取り組みのひとつです。

転職においても業界研究は必要?

転職活動の中で業界研究をする目的は、前職での経験や実績を使って活躍できる場所を見つけることです。そのため、業界研究は転職希望者こそ、徹底して掘り下げるべき作業です。新卒採用の場合は多少フィールドが合わなくても転職するなど解決方法はありますが、転職の場合は入社後にしっかり活躍してくれる人材かを、採用側から厳しく問われます。転職活動をスムーズにし、自身が後悔しないためにも、業界理解を深める必要があります。

同業種に転職する場合

業界研究は、同業種への転職の場合でも必要です。転職先に同業種を選ぶと、業界の知識・経験があることや、業種特有の事情やルールを知っているという点が評価されやすく、有利になる可能性があります。面接でも具体的なエピソードやビジョンを語りやすく、即戦力として評価されやすいでしょう。そのため、業界の動向やニュースをふまえて、自身の経験・スキル・実績の豊富さをアピールできるよう業界研究を行いましょう。

異業種に転職する場合

異業種に未経験でチャレンジする場合、一から徹底した業界研究をする必要があります。業界研究の精度が、書類選考や面接質問の受け答えの質に直結するためです。特に異業種からの転職は、志望動機について「前職の業務に不満があって異業種を選んだのではないか」と面接で聞かれる可能性が高いでしょう。そこで、転職先で活かせる前職の経験や実績、入社後のキャリアプランなどを明確に伝える必要があります。そのためにも業界研究で働きたい業界を絞り込み、入社への熱意を伝えるポイントを探しましょう。

業界と業種・職種の違い

業界は「飲食業界」「ホテル業界」などのように、産業の区別を表す言葉です。
業種は業界よりも広く「同じ仕事をしている仲間」を指します。先述の「飲食業界」「ホテル業界」は、業種で分類するといずれも「サービス業」に含まれます。
職種は、企業内における仕事の役割を指す言葉です。「営業職」「事務職」などが代表例です。それぞれの違いを正しく認識しておきましょう。

職種は、企業内における仕事の役割を指す言葉です。「営業職」「事務職」などが代表例です。それぞれの違いを正しく認識しておきましょう。

転職における業界研究を行う際のポイントを解説

次に、業界研究の中でも、転職に特化したポイントを3つに分けて紹介します。ただ闇雲に調べるのではなく、効果的な進め方を学びましょう。

業界の全体像を把握する

まずは業界の全体像を知るところからスタートします。業界はどのような構造になっているのか、マーケットの規模はどのくらいなのか、代表的な企業はどんな顔ぶれなのかを知り、現状を理解することに努めましょう。

具体的には下記のような要素をリサーチし、データ等の客観的事実から見ることがポイントです。

  • 業界のビジネスモデル/トレンド
  • 業界の将来性/成長性
  • 業界に影響を与えている社会的構造
  • 業界の平均年齢や平均年収・平均勤続年数

業界の特徴を詳しく調べる

次に、業界の特徴について深く調べましょう。各企業の特徴や成長性、ビジネスモデルなどを深堀りすることで、それぞれの企業の立ち位置も明確になってきます。

業界を分析するのに有効なのは、フレームワークを使う方法です。以下で紹介しているのは、業界分析に使う代表的なフレームワークです。

PEST分析政治、経済、社会、技術の4つの観点から業界動向や市場規模を分析する。
3C分析市場・顧客、競合、自社の要因から成功要因を分析する。
SWOT分析企業から見た内部環境と外部環境をプラスとマイナスの要素から分析する。
5F分析5つの競争要因から業界内の構造を分析する。

また、業界の全体像をリサーチする際におすすめなのは「カオスマップ」と呼ばれる業界地図を活用する方法です。カオスマップを使うメリットは主に3点あります。

  • 業界のブランドを俯瞰できる
  • 業界の特定領域に強い企業やサービスがわかる
  • 業種/分野ごとの勢力関係が把握できる

カオスマップをリサーチしたい場合は「〇〇業界 カオスマップ」のキーワードで検索できます。ただし、カオスマップから詳細な情報はわからないため、あくまでも補助的資料として活用しましょう。

業界の動向を分析する

最後に行うのが、業界の動向分析です。さまざまなデータを参照しながら、業界の今後について考えます。業界のニュースや近年の動向・将来性などの最新情報は、以下の媒体で入手できます。

  • 会社四季
  • 業界誌
  • 経済センサス
  • 官公庁発表の統計データ
  • ビジネス系新聞・メディア
  • 「会社四季報 業界地図」などの書籍

「安定性は維持できるのか」「成長性はどのくらいか」「社会経済の動向はどのように影響するのか」など分析を重ねましょう。自身がその業界に身を置きたいと思えるかどうかを判断する材料になるはずです。さらに、新型コロナウイルスのような未曾有の現象が起きた際、さまざまな業界で将来性や評価・雇用に大きな影響を与えます。そのような情報をキャッチするためにも、最新のニュースには常に注視する必要があります。

業界研究のやり方

それでは、実際に業界研究を行うための具体的な方法を考えてみましょう。さまざまな手段を用いて情報を集めることで、業界への正しい理解に繋がります。

転職サイトの紹介記事を見る

転職情報が掲載されているサイトには、求職者に向けた業界の情報が多数掲載されています。業界の特徴・構造・動向・働く人たちの基本データなどが手に入るので、最初に見るべき情報源としておすすめです。

業界団体のホームページを調べる

各業界団体が運営するホームページからも、役立つ情報を得ることができます。加盟している企業や業界の概況といった最新情報を手に入れることができるので、こまめにチェックしておきましょう。

関連書籍を購入する

業界に関する書籍を読むことも、推奨したい方法です。各業界の基本情報や平均年収、最新の動向をはじめ、業界に関する細かな情報が記載された冊子は毎年最新版が発売されています。読みやすく、視覚的にも分かりやすいので、今まで知らなかった業界のことも詳しく知れる内容です。

新聞・ニュースに目を通す

新聞やテレビ・ネットのニュースでは、毎日最新の情報が報道されています。日々のニュースに触れるようになると、気になる業界の動向が目につくようになるものです。また、新聞やニュースに目を通すことで、面接で時事問題を問われた際にも役立ちます。毎日の通勤時などで手軽に情報収集をしたいなら、ニュースアプリを使うのもおすすめです。

  • Yahoo!ニュース:国内におけるさまざまなジャンルのニュースを網羅的に配信
  • スマートニュース:国内最大のキュレーションアプリで情報量が多く、ニュースの取捨選択の手間がない
  • NewsPicks:経済やビジネスのニュースや、専門家の解説やコメントが読める
  • ロイターニュース(日本語版):世界各地のニュースがリアルタイムで更新される信頼性の高さが特徴
  • INFO HUB:世界最先端の技術トレンドや、スタートアップなどのビジネス情報が多数掲載
西本
西本

これらのニュースアプリを使って、主要なニュースや志望業界関連のトレンドや最新ニュースを押さえましょう。

業界研究セミナーに参加する

新卒を対象とすることが多いものの、大学や合同企業説明会で開催される「業界研究セミナー」もおすすめです。それぞれの業界で働く人の声を聞ける、貴重な機会です。業界研究を通じて気になったことなどを、直接質問してみましょう。当事者とやり取りができるので、イメージも膨らみやすいのではないでしょうか。

転職エージェントに相談する

幅広い業界研究を一人で行うことが難しいと感じる人は、転職エージェントを活用するのもおすすめです。転職エージェントでは一人ひとりに担当のキャリアアドバイザーがつき、自身の経験やスキル、今後のキャリアステップなどを考慮して、どの業界で活かせるかを客観的にアドバイスしてくれます。業界研究についても相談できるため、効率的に作業できるでしょう。

業界研究を行う際の注意点

最後に、業界研究を行う上で注意すべき点をお伝えします。正しい情報を元にベストな選択ができるように、注意点は必ず意識しておきましょう。

入社したい特定の企業を意識しすぎない

業界研究は、あくまでも業界全体を対象とした研究です。特定の企業に入社したいという想いが強すぎると、自分にとって都合の良いデータばかりを集めてしまい、意味のない研究結果になってしまいます。企業ではなく、業界を選ぶ上で有効的であることを忘れないようにしましょう。

自己分析も入念に行う

業界研究だけをしておけば、転職活動が必ず成功するというわけではありません。確かに自分が進むべき業界は明確になるかもしれませんが、採用の可否はまた別の話です。転職を成功させるためにも、業界研究だけでなく自己分析まで徹底して行うことが大切です。

業界研究を行う目的を忘れない

業界研究を続けていると手段と目的が入れ替わってしまい、業界の情報を深堀りすることに達成感を覚えてしまうかもしれません。しかし、本来業界研究の目的は、業界について学び、志望先を絞ることです。自分の適性を判断するためにも、何のために業界研究を行うのかを忘れないようにしましょう。

まとめ

転職先を探す手段として、業界という広い範囲を詳しく調べたことはないという方も多いのではないでしょうか。入社後のミスマッチを減らすためにも、事前の業界研究は大切です。応募先に迷っている方はいくつかの業界を深く研究して、自分に合う業界を探してみましょう。

監修者・西本 威昭

西本 威昭

・国内大手SIerに新卒入社
 SEやPMとして多くのプロジェクトを経験

・KPMGコンサルティング株式会社に転職
 シニアコンサルタントとしてジョイン
 製造業を中心に複数のSCM案件に参画

・アビームコンサルティング株式会社に転職
 マネージャーとしてジョイン
 製造業を中心にSAP関連プロジェクトに参画

・株式会社Izulに転職
 副業のフリーコンサルタントとして活動する傍ら、
 同社キャリアアドバイザーとして従事

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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