ベンチャーキャピタルとは?投資を受ける企業の共通点やメリットを紹介

2022年9月18日

2024年2月29日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

起業直後は外部からの資金調達が難しい傾向にあります。このような状況で資金を調達する方法として活用される仕組みが「ベンチャーキャピタル」です。資金調達に興味があっても、投資方法の概要や活用方法を詳しく理解している方はそれほど多くありません。この記事では、ベンチャーキャピタルの概要や投資を受ける企業の共通点、手法のメリット・デメリットについて紹介します。

ベンチャーキャピタルとは

ベンチャーキャピタルとは、スタートアップやベンチャー企業など、急成長が予想される未上場企業へ出資する投資企業のことです。ただし、ベンチャーキャピタルの仕事は未上場企業への資金投入で終わりではありません。ハンズオンと呼ばれる経営支援を同時に行い、企業価値が向上するような支援も実施します。

ベンチャーキャピタルの目的

ベンチャーキャピタルの目的を理解するために、まずはビジネスモデルについて理解しなければなりません。
ベンチャーキャピタルは、将来的に株式公開できそうな有望企業に出資し、企業が株式を公開した後に株式を売却して得る「キャピタルゲイン」を回収する仕組みで成り立っています。キャピタルゲインとは、株式を安く買い、高く売ることで得られる売買差益のことを指します。ベンチャーキャピタルでは、このキャピタルゲインを得ることを目的としています。

ベンチャーキャピタルと銀行の違い

ベンチャーキャピタルと銀行はビジネスモデルが全く異なります。ベンチャーキャピタルから投入されるお金はあくまで「出資」であり、将来の返済義務はありません。なぜなら、株式公開時にキャピタルゲインを回収するからです。
一方で銀行から入るお金は「融資」であり、将来の返済義務が発生します。銀行は、融資したお金を返済する際に発生する金利を得ることで成り立っています。

クラウドファンディングとの違い

ベンチャーキャピタルとクラウドファンディングの違いは、次の3つのポイントが挙げられます。

  • 事業の自由度
  • 出資者への見返り内容の制限有無
  • 資金規模

ベンチャーキャピタルの場合は、経営に直接的な支援・介入を行います。一方でクラウドファンディングは寄付に近い形であり、自由に事業を展開することが可能です。
また、支援者に用意する見返りの内容にも違いがあります。ベンチャーキャピタルは見返りとして未公開株式を求められますが、クラウドファンディングは未公開株式や分派金、開発中の製品、サービス利用権などさまざまです。
さらに、資金規模にも注意しなければなりません。ベンチャーキャピタルの場合、投資からまとまった資金を集められるため、1度に数億円単位の出資を受けられる可能性があります。一方、個人投資家から少額資金を集めるクラウドファンディングは、プロジェクトの規模によって調達できる額が大きく変動します。新規企業における調達額の平均は、約3,000万円程度といわれています。

ベンチャーキャピタルから投資を受ける企業の共通点

ベンチャーキャピタルから投資を受けやすい企業の共通点として、次の3つのポイントが挙げられます。

  • 市場の急成長が見込まれる
  • 経営者が有能
  • 製品・サービスの市場優位性が高い

ベンチャーキャピタルは、経営者や事業計画などを総合的に評価したうえで、将来性の高い企業に出資を行います。そのため、市場優位性などで競合他社を圧倒できるポテンシャルを秘めていると判断されれば、資金調達を行いやすくなるでしょう。綿密な事業計画を作り込むことはもちろん、自社サービスの魅力や優位性をアピールできるプレゼン資料を用意しておくことも重要です。

ベンチャーキャピタルから投資を受ける3つのメリット

ベンチャーキャピタルの基本部分を理解したところで、企業がベンチャーキャピタルから投資を受けるメリットについて解説します。それぞれの詳しい内容について見ていきましょう。

事業の軌道修正が図れる

多くの企業に出資し、経営を支援した経験があるベンチャーキャピタルは、さまざま知識やスキル、ノウハウを蓄積しています。ベンチャー企業は経営陣が若く、特定の分野においては経験不足であるケースも少なくありません。自社にはないノウハウや経営手法を学び取れれば、事業をより良い方向へと進められる可能性が高くなります。ベンチャーキャピタルと足並みを合わせて、事業の軌道修正を図れる点は大きなメリットとなるでしょう。

投資先とのシナジー効果を得られる

シナジーとは相乗効果を意味し、協力によって単独では得られないような効果を得ることを指します。ベンチャーキャピタルは強力なシナジーを得るために、複数の企業へ出資しているといっても過言ではありません。
成長性の高いベンチャー企業の事業と、確かな経営ノウハウを持つベンチャーキャピタルの力を合わせることで、高い相乗効果を得られるケースがあります。特にお互いが得意とする事業領域が被っている場合は、急加速度的な事業成長を見込める可能性もあります。

財務状況が改善されて事業拡大が早まる

ベンチャーキャピタルによる出資によって財務状況が改善されれば、金融機関からの融資も受けやすくなるでしょう。また、有名なベンチャーキャピタルから出資を受ければ、ビジネスモデルなどが評価されるきっかけにもなります。その結果として、出資を希望する企業が増えて事業拡大が加速するようなケースも少なくありません。

ベンチャーキャピタルから投資を受ける3つのデメリット

ベンチャーキャピタルからの投資は良い面だけではなく、いくつかのリスクがあることも事実です。投資を受けてから後悔することがないように、デメリットの詳しい内容について見ていきましょう。

株式買取を迫られる可能性がある

前述の通り、ベンチャーキャピタルの目的はキャピタルゲインを得ることです。そのため、株式上場やM&Aといった会社売却が予定通りにいかなくなると、株式の買取を迫られる可能性があります。
さらに、ベンチャーキャピタルによる多額の出資で企業価値が高まり、買取を求められる株式の金額は極めて高くなっている場合がほとんどです。そのため、起業家が借金をして多額の買取を行う事態にもなりかねません。返済の義務はないものの、株式買取のリスクが常に付き纏うことは十分に理解しておきましょう。

意図しない経営介入を受ける場合がある

経営支援によって事業の軌道修正が図れる一方、意図しない経営介入によって経営陣が目指していた理想が崩れるケースもあります。最悪の場合、企業が思ったように成長せず、株式買取を迫られるケースもあります。経営支援を上手く活用するためにも、契約前に受けられるサポートの内容を入念に確認することを推奨します。

売却(EXIT)を意識した事業推進を求められる

ベンチャーキャピタルでは、出資者間で組合契約を締結し、ファンドを組成して投資を行います。ファンドには期限が設けられており、企業はファンドの満期までに売却(EXIT)を達成しなければなりません。仮に事業が計画通りに進んでいない場合は、売却(EXIT)を意識した事業推進を求められ、意図しない経営を余儀なくされる可能性があります。

まとめ

ベンチャーキャピタルはキャピタルゲインを得ることを目的に、企業の成長に着目して投資を行う企業です。「出資」という形で投資するため、銀行の融資とは違って返済する必要がないほか、多額の出資を受けられる可能性があります。経営支援によるノウハウ共有や各種サポートを有効活用すれば、考えられないようなスピードで事業拡大することも可能です。ベンチャーキャピタルの特徴やメリット・デメリットをしっかりと理解したうえで、投資を受けるかを判断しましょう。

監修者・續 慶一

續 慶一

同志社大学を卒業後、教員兼某大学サッカー部監督を経て、大手外資系金融機関へ転職。その後、国内大手人材会社の人事を経て、起業。現在は人事コンサルティング、採用コンサルティングを自身が経営する会社で行いつつ、株式会社Izulには1人目の社員として入社し、現在は執行役員として従事。また九州大学の起業部にて事務局長を務める。
現在は、急成長のベンチャー企業、第二創業期に入っている企業など、様々な企業の役員や人事責任者とやりとりを行いコネクションを築いており、また自らキャリアセミナーや人事交流会などを積極的に開催しております。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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