履歴書は、氏名・住所・連絡先・学歴などを記載する書類です。自身をアピールする大切な書類であるため、書き方やポイントを押さえておきましょう。今回は、職歴がない場合に履歴書にどう記載すべきか、書き方について解説します。また、記載できない場合に用いられる他のアピール方法も紹介しているので参考にしてください。
そもそも職歴はどうやって記載する?
履歴書の職歴欄には、正社員・契約社員などを問わずこれまでの就業に関する項目を記載します。入社年月や、退社年月を記載することが原則です。また、履歴書と混同しやすい書類に職務経歴書があります。職務経歴書に記載する項目と、履歴書に記載する項目には以下の違いがあるので覚えておきましょう。
履歴書 | 職務経歴書 |
---|---|
日付 | 日付 |
名前、生年月日などの個人情報 | 名前、生年月日などの個人情報 |
学歴、職歴 | 職歴 |
免許、資格 | 資格、スキル |
志望動機、自己PR | 自己PR |
このように項目を比較した場合、両者に大きな差はありません。ただし、履歴書の職歴欄は端的に概要をまとめるのに対して、職務経歴書にはこれまでの経験を詳細にまとめなければならない違いがあります。見出しや箇条書きを適切に使い、分かりやすいレイアウトにしましょう。
職歴がない場合は履歴書に「職歴なし」と記載する
履歴書の記載欄は、どの項目も空白のまま作成・提出することを避けるのがマナーです。一般的なマナーとして空白を避けなければならないことを認識しつつ、職歴がない場合の対処法もあわせて覚えておきましょう。
「職歴なし」の場合の書き方
履歴書に書ける職歴がない場合は、職歴欄に「職歴なし」と記載してください。留年や就職浪人などの理由で職歴がない人もいるため、職歴がないこと自体はマイナス要因にはなりません。空白ではなく「職歴なし」と記載しておきましょう。履歴書は正式な書類として求められるものであるため、何も書かないことのほうがマイナス評価につながるので注意してください。
また、アルバイト経験がある場合は、その経験を記載するといいでしょう。一年以上のアルバイト経験がある場合や、アルバイトリーダーで社員・契約社員にも劣らない働きぶりを経験した場合も、積極的に記載することを推奨します。
「職歴なし」に該当しやすい状況とは
ここでは、職歴なしに該当する状況を3つ紹介します。
- 新卒
- 既卒
- フリーター
新卒
新卒の場合だと、就業経験はないことが一般的です。学歴欄に現在就学している学校名を書き、その後「卒業見込み」と記載しましょう。先ほど触れたアルバイト経験などで、求職先にアピールできるものがあれば記載しておくことがおすすめです。
既卒
既卒とは、学校を卒業した後に就職していない状態のことで、就活を続けている方やフリーターの方が該当します。卒業後に職歴として記載できるものがない場合は「なし」と記載しておきましょう。
フリーター
フリーターはアルバイト経験が多いため、履歴書を作成する際は注意が必要です。明確なルールはありませんが、一般的にアルバイト経験は職歴とみなされにくいため、過去に正社員雇用された経験がない場合は、職歴欄に「なし」と記載しましょう。
ただし、応募先企業に関係するアルバイト経験がある場合や一年以上のアルバイト経験がある場合、アルバイトリーダーで社員・契約社員にも劣らない働きぶりを経験した場合は、記載することでアピール材料として活用できる可能性があります。
「職歴なし」の場合に押さえておくべきポイント
ここでは、職歴なしの場合に把握しておきたい以下のポイントについて解説します。
- 職歴欄を空白にすることは避ける
- 職歴に該当する経験について理解しておく
- 自己分析や企業分析により力を入れる
職歴欄を空白にすることは避ける
職歴がないからといって、空白のままにすることはマナー違反と捉えられ、印象を下げることになるので避けましょう。空白のままだと、空白期間に何をしていたのかわからず、未完成の履歴書を提出していることになります。職歴がなくても空白にせず、「職歴なし」と記載するのが一般的な履歴書のマナーです。
職歴に該当する経験について理解しておく
職歴とは一般的に、正社員・契約社員・派遣社員として就業した経験が該当します。ただし、アルバイト経験しか積んでいなくても、1年以上長期で働いていれば、職歴として認められることもあります。また、志望業界に関する仕事をしていたと、経験面のアピールになる場合も多いため、求職先に合わせて自身の経験を書くかどうか判断してください。
自己分析や企業分析により力を入れる
自己分析や企業分析は、応募先企業に対して自身を効果的にアピールする材料になります。自分の性格や長所などを自己分析し、わかりやすく伝えられるようにまとめられれば、応募先企業に向いている・合っていると自身をアピールできるでしょう。
また、企業分析をしておくことで、企業理念や売上高、詳細な業務内容などに関する質問に対して明確な回答ができるようになります。自身の熱意も伝わるため、職歴以上のアピールにつながるかもしれません。
職歴がない場合にアピールしたい項目
職歴がない場合は、自身でアピールできる以下の項目を職務経歴書などに記載しておきましょう。
- 免許・資格
- スキル
- 自己PR・志望動機
職務経歴書は履歴書とは異なりフォーマットが決まっていないため、自身がアピールしやすい書式を選択しましょう。
免許・資格
免許や資格はもちろん、志望動機や自己PRと同様に重要なアピールポイントとなるためしっかりと記載しておきましょう。また、応募先企業の業務内容に関連した項目から順に記載するようにしましょう。免許や資格について記載する際は、正式名称で書くことがマナーです。
履歴書に記載することの多い免許・資格の正式名称は、以下の通りです。
運転免許
- 普通自動車運転免許(AT限定)
- 大型自動車運転免許
資格
- TOEIC:TOEIC公開テスト〇〇点
- 英検:実用英語技能検定
- 日商簿記:日本商工会議所簿記検定
免許証や資格の名称は略して使われることが多いものの、応募先企業に提出する書類には正式名称を記載しておく必要があります。自身の保有している免許や資格の正式名称は事前に把握したうえで、履歴書を作成しましょう。
スキル
職歴なしの場合、応募先企業にアピールできるスキルを記載するといいでしょう。アルバイト経験で培った接客力や傾聴力、提案力などは多くの企業から求められるスキルといえます。ほかにも、海外留学やボランティア活動の経験、語学力やコミュニケーション力も、働くうえで重宝されやすいスキルです。
自己PR・志望動機
職歴がない場合は、自己PR・志望動機に注力して履歴書を作成してください。応募先企業にとって、「自身を採用することはメリットがある」と思ってもらえるような自己PR・志望動機を記載しましょう。また、応募先企業に就くために勉強して身に着けたものや、経営理念への共感など、自身をアピールするためのツールとして履歴書を作成しましょう。
まとめ
今回は、職歴がない場合の履歴書の書き方について解説しました。
職歴がない場合は空白にはせず、職歴なしと記載することが一般的です。空白のまま提出するのは、熱意が伝わらないばかりかマナー違反と認識されることも多いので注意してください。万が一履歴書に職歴を書けず不安に感じるのであれば、職歴に該当するような自身のアピールポイントを抽出し、自己分析のうえ履歴書に記載しましょう。
今回の記事では、職歴がない場合でも応募先企業にアピールできる項目にも触れています。そもそも職歴欄をどのように記載するのかおさらいしたうえで、自身を効果的にアピールできる履歴書を作成してください。