事なかれ主義の特徴とは?発生する原因や職場に及ぼす影響、対処法を解説

2022年12月16日

2024年4月4日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

「事なかれ主義」という言葉を聞いて、どんな人を思い浮かべるでしょうか。「言葉は聞いたことがあるけど、実際にどんな人のこと?」と思う方もいるでしょう。事なかれ主義の人が職場にいると、知らずしらずのうちに部署やチームに大きな影響を与えてしまいます。

この記事では、事なかれ主義の特徴や原因、対処法について解説します。もしかしたら、あなたの上司・同僚・部下にも事なかれ主義の特徴に当てはまる方がいるかもしれません。事なかれ主義の人の性格や特性を理解し、正しく対処していきましょう。

事なかれ主義とは

事なかれ主義とは、ものごとを穏便に済ませて、無難にその場が収まれば良いという考え方をする人のことです。事なかれ主義の人は相手との対立を好まないため、たとえ意見があったとしても自分から発言することはありません。

一見、平和的に解決しているように見えますが、面倒な争いごとに巻き込まれたくないという気持ちが強く出ているだけです。職場に事なかれ主義の人が増えると、仕事に対する前向きな姿勢が感じられず、周囲の人のやる気がさらに低下する原因になります。

事なかれ主義に共通する特徴

事なかれ主義の人は、周りの人の目線や意見に敏感で、とにかく面倒なことに巻き込まれたくありません。例えば、上司と同僚の間でトラブルが起きていても、見て見ぬふりをする可能性が高いでしょう。

また、事なかれ主義の人は自分に自信がない人が多く、自分で責任を負ったり決断を下したりする状況を避けるため、常に他人任せの仕事をする特徴もあります。

事なかれ主義が蔓延する原因

職場に事なかれ主義が蔓延する原因は、以下のような理由が考えられます。

・成果が正当に評価されない

・失敗することに厳しい環境

・保守的な社風の会社

職場やチーム内で意見を発言しにくかったり、正直者が損をするような評価体制だと「自分の評価をさげたくない」「自分は悪くない」と考え、事なかれ主義になる人が多くなります。

また、会社全体が保守的で新しいことを受け入れられない社風だと、積極的に発言する機会すら奪われ、「どうせ受け入れてもらえない」「また非難されるかもしれない」と考える人が増えてしまうでしょう。

事なかれ主義になりやすい人の特徴

外的な要因以外にも、事なかれ主義になりやすい性格が存在します。特によく見られる5つの特徴について、ひとつずつ確認してみましょう。

・当事者意識が低い

・責任を取りたがらない

・自己主張が苦手

・受け身な姿勢

・人と揉めることは面倒だと考えている

当事者意識が低い

当事者意識が低い人には責任感がないため、社内で問題が起きても自分のこととして受け止められません。

通常社内の業務トラブルは、会社やチーム全体で協力して改善・対策を実施しますが、無駄な衝突や争いを避けるために問題から目を背けようとします。当事者意識が低い人が増えれば、責任転嫁や批判したりする場面が増え、社内の対人関係が悪化する原因にもなります。

責任をとりたがらない

「できることなら責任を取りたくない」と考え、自分を守ることを最優先する人も事なかれ主義になりやすい性格のひとつです。自分から発言すれば責任が付いて回るため、問題を発見しても目をつぶり、なるべく自分から発言することを控える傾向があります。

自己主張が苦手

自己主張が苦手な人も事なかれ主義になりやすいでしょう。対人コミュニケーションに不安を抱えているため、自分の考えを周囲に伝えることが難しくなります。また、常に他人の目を気にしており、自己主張することで人から悪く思われたり、否定されたりすることを極度に恐れる性質を持っています。

受け身な姿勢

受け身の姿勢で仕事をする人も、事なかれ主義になる素質を持っています。周りの反対や目立つことを恐れるあまり、自主的に仕事をすることはありません。多少の不満があっても反論はせず、誰かが決めたことをやるだけの“指示待ち人間”になってしまう人が多いです。

人と揉めることは面倒だと考えている

人との衝突を極度に避ける性格も、事なかれ主義を引き起こしやすいです。このタイプは人と争うことで大きな精神的ストレスを感じやすく、極力周りの人と揉めないような立ち回りを演じます。また、意見が通りそうな人を見極めることが上手く、どの意見に従えば平和に話が進むのかを常に考えています。

事なかれ主義のメリット

悪いイメージを持たれやすい事なかれ主義ですが、職場環境によっては稀に良い方向に働くケースもあります。事なかれ主義の人がいることで起こる良い変化について、詳しく見ていきましょう。

誰の意見でも一旦は受け入れられる

事なかれ主義のメリットは、誰の意見でも一旦は受け入れられることです。たとえ感情的に意見をぶつけてくる人がいても、真っ向から反論せずに受け流すことができます。話し合いの場でも自分の意見を押し付けることがないので、意見の対立によって空気が悪くなっているような状況でも冷静に判断できるのです。

争いごとが起こりにくい

争いごとが起こりにくいことも、事なかれ主義のメリットです。事なかれ主義の人は意見が対立することを嫌うため、なるべく平和的に解決できる方法を探します。

周りの空気を読み、険悪な雰囲気にならないように話し合うのが得意なので、議論がヒートアップしたときの調整役として機能します。特に主張が強く感情的な人が多い職場では、さらなる意見の対立を防ぐ役割として活躍するでしょう。

事なかれ主義のデメリット

職場環境によってはバランスを保つ役割を果たす事なかれ主義ですが、やはり増えすぎると職場に悪影響を与えてしまいます。事なかれ主義が蔓延することで起こるデメリットについても確認しておきましょう。

生産性が下がりやすい

事なかれ主義の人は、与えられた仕事をただこなすだけになりがちです。「何事もなく一日が無事に終わればいい」という考えが職場に蔓延すると、会社の生産性は徐々に下がっていくでしょう。新しいアイデアやクリエイティブな意見が求められる職場では、事なかれ主義の人がいることで成長も鈍化してしまいます。

挑戦をしなくなる

挑戦する気持ちが失われるのも、事なかれ主義のデメリットです。過去に成功事例がないと却下される社風であったり、上司が事なかれ主義である場合は、会社で新しいことに取り組む機会が奪われてしまいます。

たとえ主体的に何かに取り組もうとする人がいても、周囲の反対が大きかったり、周りが失敗を恐れて協力してくれなかったりすると、本人のモチベーションも下がっていきます。新しい技術や知識を身に付けようとする向上心もなくなるため、知識が乏しい人材が蔓延する原因になるでしょう。

自分の意見を言いにくくなる

建設的な議論や発言ができなくなるのも、事なかれ主義のデメリットです。「意見の対立=面倒なこと」という意識が職場全体に蔓延すると、異なる意見や主張があったとしても、相手の意見に合わせてしまいます。誰もが衝突を避けて問題を見て見ぬふりすることで、いつまでも同じ課題を解決できなかったり、より大きなトラブルに発展する原因につながります。

事なかれ主義を改善するには

職場に事なかれ主義の傾向が見られる場合、どのように解決すればよいのでしょうか。個人や組織全体で取り組める改善点について解説します。

正当に評価できる仕組みを作る

事なかれ主義の人は、周りからの評価を気にする傾向があります。独自の社内評価制度を取り入れている企業は多いですが、自分がどのような評価をされているかが見えにくい場合、やる気の低下につながってしまうでしょう。

結果だけで評価するのではなく、仕事の過程や本人の取り組みについても評価できる仕組みに改善することが大切です。自身の成果や努力が認められる職場であれば、衝突を回避せずに問題に取り組む意識が向上します。

自分の意見を言いやすい職場環境にする

事なかれ主義の人は、自信の無さから自分の発言に責任を持てません。上司の意見や周りの発言を常に気にするため、安心して発言できる職場環境を整える必要があります。周囲の人も、たとえ反対意見を発言されたとしても頭ごなしに否定せず、冷静に意見を交換できる雰囲気をつくることが大切です。

ミスや失敗をしても協力し合える体制を作る

事なかれ主義の人の中には、失敗やミスを極度に恐れる人もいます。仕事で失敗した場合はお互いにフォローし合い、その後の対処ができる環境を整えることが大切です。

ミスやトラブルの報告は、誰にとっても嫌なものです。しかし、失敗によって激しく叱責されたり、責任転嫁されるような環境では、問題を先送りにして隠すようになるでしょう。協力体制がしっかりしていれば、仕事による失敗や意見の対立を恐れず、課題に対して正面から取り組めるようになります。

まとめ

この記事では、事なかれ主義の特徴や職場に及ぼす影響、改善策について解説しました。

事なかれ主義の人は周りの人との争いを好まず、その場を穏便に済ませがちです。事なかれ主義の人が会社に蔓延すると、新しい考えや知識を得ようとする人材が減少し、企業の成長は見込めなくなります。社員の適切な評価基準を設け、失敗やトラブルが起きても人を責めず、問題に正しく対処できる社内環境を整えましょう。

事なかれ主義に陥りやすい性格・環境をよく理解し、少しずつ改善できる働きかけをすることが重要です。

監修者・續 慶一

續 慶一

同志社大学を卒業後、教員兼某大学サッカー部監督を経て、大手外資系金融機関へ転職。その後、国内大手人材会社の人事を経て、起業。現在は人事コンサルティング、採用コンサルティングを自身が経営する会社で行いつつ、株式会社Izulには1人目の社員として入社し、現在は執行役員として従事。また九州大学の起業部にて事務局長を務める。
現在は、急成長のベンチャー企業、第二創業期に入っている企業など、様々な企業の役員や人事責任者とやりとりを行いコネクションを築いており、また自らキャリアセミナーや人事交流会などを積極的に開催しております。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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