辞令とは?効力や交付の流れ、拒否できるケースについて解説

2022年12月18日

2022年12月1日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

社会人になると、「辞令」という言葉を耳にする機会があることでしょう。実際に会社では、さまざまな辞令が交付されています。しかし、「どのような決定事項に対して辞令を交付するのか?」「どのように辞令を作成すればよいのか?」など、詳しい実務や内容までは把握していないという方が多いのではないでしょうか。この記事では、辞令の効力や交付の流れ、さらには辞令の拒否に関する内容まで詳しく紹介します。会社との間で起こるトラブルを防止するためにも、しっかりと内容を把握しておきましょう。

辞令とは

辞令とは、会社が従業員に対して通知する公式文書のことを指します。例えば人事異動や転勤があったときに、その決定事項を辞令書に記載します。辞令を従業員に渡す際は、その行為を「交付」と呼ぶのが一般的です。人事異動などの大きな決定事項について、口頭ではなく文書を用いて出される命令のことを指すと覚えておきましょう。

辞令の記載事項

次に、実際の辞令に記載される基本的な内容について解説します。

発令日

まずは、辞令の発令日を記載します。発令日とは、会社が辞令を出し、対象となる従業員に伝える日のことです。

例:2022年3月15日

発令者

次に、辞令を発令する責任者を記載します。人事部門の責任者を記載する場合もありますが、多くの場合はその企業の代表者や社長が発令者となります。

例:株式会社◯◯ 代表取締役社長◯◯◯◯

受令者

続いて、辞令の対象となる従業員の役職と氏名を、受令者として記載します。

例:◯◯部◯◯課 課長 ◯◯◯◯殿

辞令の内容

最後に、「採用」「異動」といった辞令の内容、そして適用される日付を記載します。辞令の種類については次の項目で詳しく解説します。

例:◯年◯月◯日をもって、◯◯に任命します。

異動や給与変更もある?辞令の種類とは

ここまでは辞令の内容として人事異動や転勤などを挙げてきましたが、辞令にはほかにどのような種類があるのでしょうか。

まず挙げられるのが、新しく入社する方に向けた「採用辞令」です。採用日のほか、基本給や就業時間、試用期間などを記載するのが一般的です。

従業員の待遇に関わるものでは「昇格・降格辞令」「昇給・減給辞令」、人事異動に関わるものでは「転勤辞令」「出向辞令」などがあります。

また、従業員に対する懲戒処分についても、辞令として交付します。例えば、「戒告」「停職」「免職」「解雇」といった内容です。そのほか、定年を迎えた従業員を再雇用する際に「退職辞令」を交付するケースも見受けられます。

辞令の効力

次に、会社が交付する辞令の効力について考えてみましょう。会社からの命令である辞令には、法的な拘束力があるのでしょうか。結論から述べると、辞令には法的効力や拘束力はありません。辞令を交付しないことや、辞令に従わないことによる法的な罰則規定は設けられていないのです。

法的に定められていないにもかかわらず企業が辞令を交付するのは、命令系統の管理やトラブル防止といった狙いがあります。特に多くの従業員を抱える企業になると、口頭での命令だけで内容を管理するのは困難で、トラブルの元にもなります。そこで辞令として書面に残すことで、命令の内容をわかりやすく確実に従業員へ伝え、さらに文書として管理できるのです。

辞令は断れる?

辞令には法的効力がないとお伝えしました。しかしそれならば、従業員側は辞令を拒否しても問題はないのでしょうか。

交付後に断ることはできない

いくら辞令に法的な拘束力がないとはいえ、原則的に辞令を拒否することはできません。従業員は勤め先の企業と労働契約を結んでおり、辞令を含む業務上の命令には従うという約束をしている立場になるのです。

例えば、面接時や契約を交わす際に「転勤がある」という条件を確認したうえで契約しておきながら、いざ転勤の辞令が出ると一方的に拒否するといった考えはまかり通りません。

辞令を断ると解雇になることがある

会社からの辞令を断った場合は、一度取り交わした労働契約の内容に背いたことになるため、解雇される可能性もあります。辞令の内容がどれだけ自分の意向に沿わないものだとしても、辞令を断ることの重大さは認識しておく必要があるでしょう。

辞令を拒否できるケース

辞令は断れるものではないと説明しましたが、だからといって企業がどのような内容でも命令できるわけではありません。例えば、最低賃金を下回る金額への減給辞令など、法律に反した内容の辞令はそれ自体が違法です。このような場合には、従業員は辞令の内容に従う必要がありません。

どうしても辞令を拒否したい場合

辞令の内容を受け入れられず、解雇されるリスクを承知のうえでどうしても拒否したいケースがあるかもしれません。その場合は強硬な姿勢で拒否を続けるのではなく、まずは企業と話し合ってみることをおすすめします。

企業がその辞令を交付する理由や、従業員として受け入れられない理由をお互いに理解し、話し合う場を設けてもらうように働きかけましょう。場合によっては、双方が納得できる折衷案に辿り着けるかもしれません。

辞令交付の流れ

辞令の交付が決まった場合、どのような流れで実施されるのでしょうか。従業員が辞令を受け取るまでの具体的な内容を紹介します。

内示

まずは会社が決定した辞令の内容を、交付に先立って本人や直属の上司などに伝えます。このことを「内示」と言います。内示は内容にもよりますが、辞令交付の1ヵ月〜1週間ほど前までに出されるのが一般的です。すぐに交付せず前もって伝えるのは、業務の手続きや引っ越しの準備などにかかる時間への配慮によるものです。

内示は会社からの正式な命令ではなく、あくまでも事前の連絡です。発令までの間に状況が変わり、内示された内容が変わってしまう可能性も考えられます。そのため、内示を受けてすぐの段階で、従業員が社内外へ内容を広めることは推奨できません。業務上前もっての引き継ぎが必要な場合など、必要最小限の相手にのみ伝えるように努めるべきでしょう。

発令

内示によって辞令内容を従業員に伝え問題なく準備に移ると、いよいよ正式に辞令書が作成されます。発令の手続きをもって、辞令書に発令日が記載されます。

辞令交付式

ここまでの段階を経て、正式に辞令が従業員へと交付されます。辞令の内容や規模にもよりますが、例えば年度の初めには「辞令交付式」として対象者へ一斉に辞令を交付するセレモニーを開催することが多いです。辞令交付式は企業の式典として扱われるため、服装などのマナーを守り、緊張感を持って参加することが望ましいでしょう。

まとめ

多くの場合、企業が人事などに関する辞令を交付する目的は、従業員の要望を叶えるためではなく業績を伸ばして大きな成果を出すためです。そのため、従業員にとっては望まない変化を命令されるケースもあり、辞令の交付には細心の注意を要することもあるのです。

企業側と従業員はお互いに納得のうえで辞令の交付を迎えられるように、辞令の意味や内容、それぞれの立場についてしっかりと理解を深めておきましょう。

監修者・植草 陽光

植草 陽光

日本製鉄株式会社⇒株式会社リクルート⇒株式会社Izul

1社目では製鉄所での生産管理、本社でのグローバル購買職などバックオフィス系の業務に従事。29歳で営業未経験でリクルートに入社し、地場大手会社の深耕営業を実施し入社半年で表彰を獲得。自身が転職を通じて人生を変えた経験から、Izulのビジョンに共感し、現在は同社のキャリアアドバイザー職として従事。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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