履歴書や職務経歴書に記載する志望動機は、転職先へ意気込みや熱意をアピールできる重要な項目です。しかし、志望動機をどのように書けば効果的なアピールができるかわからず、悩んでいる方もいるでしょう。
今回は、転職活動で役立つ志望動機の書き方のコツを例文を用いて紹介します。志望動機を記載するうえで重要なポイントも紹介しているので、転職活動の成功にお役立てください。
志望動機の例文をパターン別で紹介
ここでは志望動機の例文を転職パターン別に紹介します。それぞれ、例文をもとにしたポイントも紹介しているので、転職する企業や自身の現状に置き換えて活用してください。
同業種への転職
貴社ではルート営業のみではなく、スタッフ自らが実際に製品の使用方法などをお客様に説明する機会を設けていると伺い、お客様のリアルな反応を営業技術のブラッシュアップに活かせる環境であると感じました。
現職でも、お客様に直接製品をお届けするルート営業を担当しているため、貴社での営業活動に自身の経験を活かせると考えております。
この例文では、営業スタイルなどが同様であることをアピールポイントとしています。自分の培ってきた経験が、そのまま転職後も活用できることを記載することがコツです。
第二新卒での転職
前職ではWebデザインを担当しておりました。ユーザーの意見を反映させたサイトデザインや、コミュニケーションをとる中での課題抽出など、短期間ではありますが今後に活かせるスキルや経験を身につけられたと自負しております。
貴社での業務は未経験となりますが、1日でも早くお力になれるよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。
第二新卒の場合は社会人経験が少ないため、転職先企業の業務に触れていないことも多いでしょう。その場合は、前半部分に前職の経験を「自己紹介」のように記載し、社会人経験があることをまずアピールしましょう。そのうえで、転職先の業務自体は未経験ではあるが、そのことをネガティブに感じさせない「熱意」を伝えることが大切です。
未経験職種への転職
前職では店舗での販売職を担当しておりました。お客様のニーズに合う商品の選定や、目を引く売り場のレイアウトなど、実店舗ならではの経験を積んできました。前職で経験した実店舗での経験を、貴社が重視しているECサイトの運営に活かしたいと考え、今回志望させていただきました。
ECサイト運営の経験はありませんが、これまで実店舗で重ねた経験を活かして1日も早くお力になれるよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。
第二新卒の場合と同様、前職での経験と転職先で活かせる内容を記載しています。完全に未経験、もしくは職歴なしの転職であれば、無理に自身の経験と結びつけることはせず、自身の人物像や熱意を重視して記載することがおすすめです。
出戻りの転職
貴社での経験を活かし、より広い知識を獲得すべく他社での業務を経験してまいりました。しかし、特定のニーズに絞ってサービスを展開する貴社の良さを再認識したため、再び貴社で働きたいと思い志望いたしました。
前職で培った広範囲における業務経験は、貴社の業務を発展させるうえで活かせるものと考えております。1日でも早く、再び貴社に貢献できるよう頑張ります。
一度退職することになった経緯や、なぜ戻りたいと感じたのかを明確にしてください。前職での経験を活かせるポイントなどもあれば、積極的に記載することがおすすめです。
志望動機の書き出しの例文とコツ
志望動機においては書き出しが重要な役割を果たします。ここでは、書き出しの例文と書き方のコツを紹介します。
書き出しの例文
書き出しは、以下を参考に作成しましょう。
- 〜に携わりたいと考えております。
- 〜の経験を活かして、より特化した領域の業務に取り組みたいと考えております。
- これまでの経験で学んだことを、〜の業務に活かしたいと考えております。
- 貴社の製品に強い思い入れがあります。
書き出しの書き方のコツ
書き出しを書く際は、転職先とマッチする人材かどうかアピールすることが大切です。企業が求める人材なのかをまずははっきりさせるため、業務や企業に関連するような「結論」から書くことが基本です。
自身の経歴をダラダラと冒頭から書いているだけでは、思いが伝わりにくくなります。また「事業内容に興味を持った」などの漠然とした書き方も避けましょう。「どうしても貴社でなければならない」という熱意が担当者に伝わるような、具体的かつ読みやすい書き出しを意識してください。
志望動機の締めくくりの例文とコツ
書き出しと同様に締めくくりの文章も重要です。ここでは、志望動機の締めくくりの文章ををどう書くのがよいか、例文とコツを紹介します。
締めくくりの例文
締めくくりを書く際は、以下の例文を参考にしてください。
- 実力を重んじる貴社だからこそ、自身の経験を活かせる環境だと自負しています。
- 前職の経験を活かして、貴社の求めている〜の業務に就いて能力を発揮したいと考え、志望させていただきました。
- 未経験ではありますが、どうしても貴社に所属したいと考え(資格名・実績など)を取得しました。
締めくくりの書き方のコツ
応募書類を読み終わった際、採用担当者が改めて自社に必要な人材であることをイメージできるような締めくくりを意識すべきです。自社でなければならない理由、採用後どのような活躍が期待できるか、書き出しの内容をより具体化してアピールすると伝わりやすくなります。
また未経験の場合は、未経験であることがネックにならないような書き方を意識すべきです。漠然と「未経験だけど頑張る」ではなく、未経験なりにどう行動するか、どんな努力をしてきたかを明確に記載することで担当者に熱意が伝わります。
覚えておきたい志望動機の記載ポイント
ここでは、志望動機を書くうえで覚えておきたいポイントを紹介します。
志望動機の重要性
志望動機は「数ある企業の中からなぜ自社を選んだのか」という、企業側の疑問を解消するために必要です。漠然とした志望動機では「じゃあ他社でもいいよね」と受け取られてしまいます。応募先ならではの強みや魅力を発見し、そのうえで自身の経験などを当てはめた志望動機を書くことが大切です。
基本的な書き方
志望動機は、以下の構成で作成するのが基本です。
- 書き出し(応募の理由など)
- 自身の経験・スキル
- 締めくくり(入社後のビジョンなど)
また、書き出しと締めくくりの統一性も重要です。
適切な文字数
履歴書のフォーマットにもよりますが、志望動機は200〜300文字程度に収めることがおすすめです。短すぎると熱意が伝わりにくく、長すぎると読みにくいと判断されます。限られた文字数で、いかに必要な情報を盛り込めるかが志望動機を書く際のコツであり、転職成功のカギになります。
志望動機に入れ込むべき要素
志望動機には、以下に挙げる項目を要素として入れ込みましょう。
- 転職先の魅力
- 前職で実現できないこと
- 業務に関連する実体験
志望動機を書く際のNG例
ここでは、志望動機に書くべきではないフレーズと、その理由についてまとめています。
NGフレーズ | NGの理由 |
---|---|
使い勝手がよく | ユーザー側の意見になっている |
学ばせていただく | 企業任せに聞こえてしまう |
年収・勤務地に魅力を感じた | 条件面しか見ていないと判断される |
未経験で不安 | 活躍する姿がイメージできない |
まとめ
今回は、応募書類に記載する志望動機の書き方を紹介しました。志望動機を書く際は本文だけでなく、書き出しと締めくくりも含めた全体の構成を意識することが大切です。自身が転職したい企業の特性や業務内容を理解したうえで、今回紹介した内容を参考にしてみてはいかがでしょうか。