転職やスキルアップのために資格取得を目指している方は多いでしょう。資格には需要と供給のバランスがあるため、できるかぎり需要が多い資格を選んで取得することが重要です。この記事では、転職時に使える資格の選び方やメリット、定番の資格について詳しく紹介します。
使える資格を選ぶ3つの方法
転職シーンなどで役立つ資格を選ぶには、次に紹介する3つのポイントを押さえる必要があります。それぞれの資格に関する特徴について詳しく見ていきましょう。
1.需要が高い資格を取得する
資格取得を目指すときは、需要が高い資格を選ばなければなりません。例えば、「需要が高くて取得者数の少ない資格を持つ人材」と「需要が低くて取得者数の多い資格を持つ人材」がいる場合、企業として採用したいのは当然前者であるといえます。需要が低く取得者の多い資格は、取得しても自分の強みにならないケースがほとんどです。
2.専門性の高い資格を取得する
手に職をつけて仕事をしたい方、キャリアアップを目指す方は、専門性の高い資格を取得することをおすすめします。専門性の高い資格はそれだけ希少価値が高く、転職時に評価されやすくなります。ただし、専門性の高い資格は活用できる業種が限定されるため、資格取得の難易度や業務への活用方法などは、事前に調べておく必要があります。
3.難易度が低すぎない資格を取得する
難易度が低すぎない資格を選んで取得することも大切です。簡単に取れる資格は取得者数が多くなりやすく、転職で役に立たない可能性が高いです。中にはテキストを読んだだけで合格できてしまうほど簡単で、価値がほとんどない資格も存在します。また、新設されたばかりの民間資格などは歴史が浅く、企業側も判断材料に使えないケースがあるので避けた方が無難です。
使える資格を取得するメリット
資格の取得は転職活動にさまざまなメリットをもたらします。ここでは代表的な3つのメリットを取り上げました。それぞれの詳しい内容について見ていきましょう。
知識や技術を客観的に証明できる
資格を取得すると、該当する分野の知識や技術を保有することの客観的な証明になります。場合によっては、面接時に給与や待遇などの労働条件を優遇してもらえる可能性が高いです。
転職・就職時に強みをアピールできる
資格は転職・就職時に強みのひとつとしてアピールできます。異なる業界に転職する場合、過去に取得していた資格が役に立ったというケースも少なくありません。将来的に働きたい業界があるのであれば、業界に関連する資格を事前に取得することをおすすめします。
仕事の選択肢が広がる
資格を取得することで仕事の選択肢が広がるのもメリットです。携われる仕事が増えたり、新しいポジションに抜擢されるなどの可能性も増えます。転職に有利なのはもちろん、資格・スキル・経験・知識を組み合わせて、将来的に独立してフリーランスとして活躍することも可能です。
転職時に使える定番・人気の資格10選
資格と一言にいっても、その種類はさまざまです。この章では、転職時に使える定番・人気の資格をピックアップしました。各資格ごとの詳しい特徴について解説します。
1.MOS
MOS(Microsoft Office Specialist)は、officeアプリの知識を証明できる世界共通の資格です。WordやExcel、PowerPointなどのスキルは、営業・事務・人事など幅広い業種で活用できるため、取得しておけば転職時に強みとしてアピールできます。一般レベルを選べば難易度もそれほど高くなく、パソコンスキルを身につけたい方にもおすすめです。
2.ITパスポート
ITパスポートは、IT管理・IT技術といった知識に加え、経営に関する知識が問われる国家資格です。一般業務に携わるうえで欠かせないITの基礎知識がメインで、取得すればIT業界に転職するときに役立ちます。国家資格ながら合格率が平均50%と高く、出題形式も4つの選択肢から1つを選択する方式となっています。IT企業への転職時に武器として取得しておきたい資格のひとつです。
3.コミュニケーション能力認定
コミュニケーション能力認定とは、「聴く」「質問する」「説明」「協調性」の4つの力をもとに能力を分類し、各カリキュラムを習得することでコミュニケーション能力の向上を目指す資格です。営業や接客などの場面で相手の意図を理解する力や、自分の考えをわかりやすく説明する力が養われます。転職時のみならず、実用的なスキル習得にも役立つ資格として有名です。
4.基本情報技術者試験
基本情報技術者試験とは、IT技術や活用方法に関する知識が問われる国家資格です。取得者に資格手当を給付する企業も少なくありません。ITの基礎知識に関する試験ですが難易度は高く、合格率も25%程度と低い傾向にあります。基本情報技術者試験の取得が難しいと感じる場合は、ITパスポートから挑戦してみましょう。
5.衛生管理者
衛生管理者とは、労働者の健康障害を防止するために衛生管理の担当者が取得する国家資格です。事業労働者数が50人以上の企業の場合は、専属の衛生管理者を必ず雇用しなければならず、一定の需要がある資格といえます。また、衛生管理者には第一種と第二種があり、第一種であれば有害業務を含む業種も取り扱えます。
6.TOEIC
TOEICとは、英語の能力をスコア表示した資格です。一般的に広く知られている資格で、受験した経験がある人も多いでしょう。試験では、リスニング・リーディング・スピーキング・ライティングの4つの要素から客観的に英語スキルを判定します。グローバル化が進む現代においてTOEICスコアの高さは強みとなり、転職時に英語力をアピールできます。
7.秘書検定
秘書検定とは、社会人として基本のビジネスマナーや知識を証明する資格です。秘書検定は3級・2級・準1級・1級の4種類に分かれており、3級~準1級の合格率は50%程度といわれています。秘書志望の方だけでなく、ビジネススキルに自信がない方、資格勉強を通じて最低限のビジネスマナーを身につけたい方は、ぜひ取得を目指してみてください。
8.ビジネス著作権検定
ビジネス著作権検定は、プライベートやビジネスに関係する著作権の知識を問う検定です。BASIC・初級・上級の3種類があり、合格率は72%程度といわれています。取得すれば、著作権の保護や尊重といった観点への理解が深いことをアピールできます。広報やマーケティング、企業のSNS担当者など、情報発信の業務に携わりたい方におすすめの資格です。
9.日商簿記検定
日商簿記検定は、簿記という名称で知られる人気の高い資格です。基礎的な経理知識の習得に加え、貸借対照表・損益計算書などの企業データも理解できるようになるため、非常に汎用性が高いです。簿記は1級・2級・3級の3種類があり、転職などで評価されるには2級以上の取得が必要です。ただし簿記の知識がない方は、簿記の全体像を掴みやすい3級試験から始めることをおすすめします。
10.情報セキュリティマネジメント
情報セキュリティマネジメントは、経営・監査・法務といった観点のセキュリティ知識を証明する資格です。IT化が進む現代において企業のセキュリティ対策は最重要課題であり、リスク管理の観点から需要が高まっている資格です。IT業界への転職はもちろん、セキュリティ関連の業務に携わりたい方にも人気です。
まとめ
今回は転職時に使える資格の選び方やメリット、定番の資格について紹介しました。自分が携わりたい業界とは関係のない資格を取得しても、強みにつながらない可能性があります。資格で転職を有利に進めるには、業界が求める知識や技術を理解し、それに該当する資格を選んで取得することがポイントです。