法務とは?役割・業務内容・求められるスキルを解説

2023年10月15日

2023年10月6日

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Izul広報チーム

Izul広報チーム

企業の規模によっては、法務部が設置されるケースがあります。法務は法律・司法に基づく業務を行う職種で、企業が意図せずに法律に違反する、または契約面で不利な状況に陥ることを防ぐための業務を行います。本記事では将来的に法務の職種に就きたい方に向けて、法務の役割や業務内容、求められるスキルなどについて詳しく解説します。

法務とは

法務とは、法律および司法に関する業務を行う職種全般を指します。企業における法律や司法に関する業務を行う人を「企業法務」といい、企業を法的なトラブルから守るとともに、契約面でビジネスを成功に導く役割を担っています。

法務の役割

法務は、法律知識を活用して企業を法的トラブルから保護し、同時にビジネスの収益性の向上を目指して法律面でのサポートを提供します。企業における法務の役割について詳しく見ていきましょう。

臨床法務

臨床法務とは、トラブルが起きた際に対応する法務のことです。例えば、製品やサービスに問題があったことによるクレームがきた、自社の社員が何らかの問題を起こした、損害賠償請求を受けたなどの場合に対応します。

このようなトラブルは企業イメージを失墜させるリスクがあるため、法律知識を持って的確に対応しなければなりません。なるべく、トラブルによる企業への影響を抑えるように業務を遂行します。

予防法務

予防法務とは、トラブルを未然に防ぐための業務を行う法務のことです。例えば、契約書に自社が不利な内容が盛り込まれていないか、損害賠償請求を受けにくい内容になっているかなどを確認します。そのほか、法的トラブルを防ぐための社内ルールの整備や体制構築なども業務の一つです。

戦略法務

戦略法務とは、ビジネスの収益性を向上させることを目的とする法務活動を指します。収益性を向上させる際は、ときに法律面におけるリスクを取る必要があります。法律に触れることなくビジネスを成功できるように戦略の立案に関わります。

新規事業の立ち上げ、企業の買収などにおいて、経営陣が法律を遵守した行動を取っているかどうかを確認し、必要に応じてアドバイスを行うことも業務の一つです。法律知識だけではなくビジネスの知識やマーケティングスキルなども必要なため、新卒採用者が戦略法務を担うことは通常はありません。

法務の仕事内容

法務の仕事内容は、法務の種類によって異なります。複数の業務があるうえにそれぞれ異なる法律が関係するため、すべての業務をマスターするには長い時間がかかるでしょう。法務の仕事内容について詳しく解説します。

契約審査・ドラフト作成

契約審査は、契約書に必要な条項の挿入や修正の提案を行う業務です。相手方にも法務がいる場合、自社が作成した契約書に対して修正案を提案される場合もあります。自社が不利な形で契約を結ぶことがないように、法律面で企業を守る重要な仕事です。また、契約書のドラフト作成や契約審査の基準策定なども行います。

訴訟対応

訴訟対応は、トラブルや訴訟が起きた際に法律知識を活用して問題解決に取り組む業務です。製品やサービスのトラブルによる損失が発生した場合、損害賠償請求を受ける可能性があります。また、社員間の暴行や私物の盗難といった社内トラブルの対応も法務の仕事となります。

小さなトラブルであれば法務だけで解決できる可能性も十分にありますが、大規模なトラブルや訴訟ともなれば外部の弁護士と連携する必要があります。

株主総会や取締役会のサポート

株主の招集通知の送付、当日の議事録の作成など、株主総会や取締役会におけるサポートを行います。中でも株主総会は社外の株主が参加するうえに議決権を行使するため、トラブルが起きるケースが少なくありません。トラブルを想定したうえで必要な準備を行い、当日に適切に対応することが重要です。

コンプライアンス業務

コンプライアンスとは、法律や規則を守ることです。つまり、コンプライアンス業務は企業が法律や規則を守っている状態を維持するための業務を指します。例えば、コンプライアンス研修の開催、内部通報窓口の設置などが挙げられます。

企業で起こり得るコンプライアンス違反には、贈収賄、インサイダー取引、個人情報の漏洩、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、ジェンダーハラスメント等が挙げられます。

各部署からの法律相談への対応

法務は、業務における法律の相談対応も行います。例えば、「現在取引関係にあるA社の子会社であるB社と取引を行う場合、A社の許可を得る必要はあるか」「商談後に契約書を締結するのはどのタイミングか」などの質問に回答します。

債権の管理・回収

企業が貸し付けている債権の回収業務も法務が担当する場合があります。支払督促を内容証明郵便で送る、訴訟を起こす、裁判所に出廷するなどの対応を行います。また、取引先の倒産によって債権回収ができなくなった際は、破産管財人と連絡を取り合い、少しでも多くの債権を回収するように動くことも必要です。

法務担当者に求められるスキル

法務は、法律知識を持つだけでは業務を遂行することは困難です。裏方の仕事ではあるものの、多くの人とコミュニケーションを取る必要があります。法務として活躍するために必要なスキルについて詳しく見ていきましょう。

最新情報を常に収集し続ける根気

法務には、最新情報を常に収集し続ける根気が必要です。法律や規制は常に変化しており、ビジネス環境や社会の変化に合わせて法務の知識をアップデートする必要があります。最新の判例や法律改正、業界の動向などを随時チェックし、リスク管理や法的トラブルの解決に役立てることが重要です。

コミュニケーション能力

法務は、チーム内での情報共有だけではなく、他部署からの相談対応や弁護士との連携、訴訟を起こした人物との交渉など、さまざまな場面でコミュニケーション能力が求められます。難しい法律知識をわかりやすくかみ砕いて伝えたり、ときには判例を紹介したりします。円滑なコミュニケーションを取ることができれば、法的トラブルの回避や自社への影響の緩和などをうまく進めることができるでしょう。

論理的思考力

法務には、論理的思考力が求められます。問題の原因や関与する法律などを分析し、解決までの道筋を立てる必要があります。問題に関係がある判例を調査して、関係性を論理的に説明するスキルも必要です。契約書のドラフト作成においても、相手が理解しやすい順で条項を設けなければなりません。

まとめ

比較的規模が大きい企業には、法務部が設置されていることが多く、契約や訴訟の際は顧問弁護士ではなく法務がメインで対応します。場合によっては外部の弁護士とも連携を取るなど、問題解決や予防のためにさまざまな対応が求められます。法務を目指すのであれば、コミュニケーション能力や論理的思考力のほか、最新情報を収集し続ける根気も必要です。今回、解説した内容を参考に、自身が法務に向いているかどうかを考えてみましょう。

監修者・齊藤 穂奈美

齊藤 穂奈美

株式会社日本アクセスで原料の調達・営業を担当→株式会社ファミリーマートへ出向し中食部門の商品担当として従事→出産を機に会社を退職。WEBクリエイターとして独立し、経営者の集客・広報全般をサポート。 現在はIzulで両面コンサルタントと広報を担当。プライベートでは2人の子を育てる母。

著者プロフィール

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