IT技術が発展している現代では、プログラマーの需要が年々高まっています。しかし、実際にどのような業務を行うのか、具体的に把握できていない方もいるのではないでしょうか。この記事では、プログラマーの仕事内容や求められるスキルについて解説しています。プログラマーへの転職を検討している方はぜひ参考にしてください。
プログラマー(PG)とは
プログラマーとは、コンピューターを動かすプログラミング言語を使用して、さまざまなプログラムを作る職業です。プログラマーが制作したプログラムは、システムやソフトウェアとしてテレビ・スマートフォン・アプリなどあらゆる場所で活用されています。プログラミング言語の種類は非常に多く、その分専門性が高い職種といえるでしょう。
システムエンジニア(SE)との違い
プログラマーと混同されやすい職業としてシステムエンジニアが挙げられますが、その違いは担当する役割にあります。システムエンジニアの主な役割は、システム全体の設計図である仕様書を作ることです。対してプログラマーは、システムエンジニアが作成した仕様書どおりにシステムが動くようにプログラミングを行います。システムエンジニアには高いスキルが求められるため、まずはプログラマーとして技術を磨くことが一般的です。
プログラマーの仕事内容
プログラマーの仕事内容は、上述のとおり仕様書に基づいてプログラミングを行うことです。具体的には、コンピューターに対して「このボタンを押すとAの画面が表示される」といったような命令文をプログラミング言語で記述していきます。その他にも、制作したプログラムが仕様書どおりに動作するかチェックする業務も重要です。複数回のテストによってバグを発見し、正常に動く状態での納品を目指します。
プログラマーの種類
ひとくちにプログラマーといっても、作業内容によって大きく8種類に分かれます。具体的な分類については以下のとおりです。
種類 | 業務内容 |
---|---|
Web系 | ECサイトのような、WebサイトやWebサービスのシステム開発 |
アプリ系 | PCアプリやスマホアプリの開発 |
ゲーム系 | テレビゲームやスマホゲームなど、ゲームのプログラミング |
組み込み・制御系 | テレビ・エアコン・パソコンなど、家電製品や電子機器の制御プログラム構築 |
設備制御系 | 交通機関や工場など、設備を制御するためのプログラム構築 |
オープン・オンラインシステム系 | ネットワークシステム環境を活用した、業務用アプリケーション開発やサーバーのシステム構築 |
通信系 | Wi-Fiなどのネットワークやクラウド型サービスに関するシステム開発 |
汎用系 | 金融機関や官公庁で使われるような大規模システムの開発 |
プログラマーの平均年収
プログラマーの平均年収は約430万円です。正社員の場合は月給36万円、派遣社員やアルバイトの場合は時給2,200円程度に換算されます。システム開発の中でもプログラミングは下流工程にあたるため、他のIT職と比べて年収が低くなりやすい特徴があります。二次請け・三次請けの案件となると、さらに作業単価が下がる傾向にあります。
プログラマーのやりがい
プログラマーは専門的な知識が必要な分、多くのやりがいを感じられる職業です。ここでは、代表的なものを3つご紹介します。
開発の喜びや達成感を味わえる
仕事を通じて開発の喜びや達成感を味わえる点は、プログラマーの大きなやりがいの1つです。プログラムによって開発されたシステムやアプリは、今や生活にとって欠かせないものとなっています。苦労して作り上げたものが自分の意図したとおりに動作し、それが世の中で人々の生活を支えていると実感できた時は、仕事に対する誇らしさを感じられるでしょう。
最先端の技術を学んで活躍できる
最先端の技術を学べることも、プログラマーの魅力です。最新のスマホや家電製品も、プログラミングによって開発されたシステムによって動作しています。新しい製品の開発に自ら携わり、スキルを身に付けていけるのは大きなやりがいにつながるでしょう。
将来フリーランスとして活動しやすい
会社員としてだけなく、将来フリーランスとして活動しやすいこともプログラマーならではの強みです。スキルや経験を身につければ、個人として仕事を受注することも目指せるようになります。時間や場所にとらわれない働き方を理想としている方にもぴったりです。
プログラマーの厳しさ
プログラマーの仕事にはやりがいだけでなく、当然厳しい側面も存在します。ここでは、代表的なものを3つご紹介します。
残業や休日出勤が多くなりやすい
プログラマーの仕事は納期が決められている分、残業や休日出勤が多くなりやすい傾向にあります。システム開発には多くの人が関わっているため、納期は必ず守らなければいけません。そのためどうしても繫忙期には業務時間が長くなり、ストレスに感じることも少なくありません。
突発的なトラブルに追われる
突発的なトラブル対応に追われることがあるのも、プログラマーの厳しさの1つです。開発途中の仕様変更や予期せぬバグが発生することも多く、その都度柔軟な対処が求められます。難しい問題にあたってしまうと、強い焦りやプレッシャーを感じてしまうでしょう。
常駐先が合わないことがある
仕事自体は順調でも、常駐先と相性が合わずに日々の業務がストレスに感じてしまうことがあります。多くのプログラマーは顧客先に出向して作業を行いますが、なかにはシステム開発について理解しきれていない人がいる場合もあるでしょう。プログラマーには、常駐先と円満な関係を築く努力も求められます。
プログラマーの将来性は?
IT技術のめざましい発展に伴い、プログラマーの需要は今後もますます高まっていくことが予想されています。ただし、新技術の開発に伴って高い専門性も求められるため、常に新しい技術や情報を勉強し続ける姿勢が大切です。また、プログラマーからシステムエンジニアにキャリアアップしたり、フリーランスとして個人で活動したりと、さまざまな働き方を視野に入れておくとよいでしょう。
プログラマーに必要なスキル
プログラマーとして活躍するためには、プログラミングスキルだけでなくさまざまな能力が求められます。ここでは、特に重要なものを解説します。
問題解決能力
プログラマーとして効率よく作業を進めるためには、問題解決能力が必要不可欠です。具体的には、バグが発生した際に「どこに原因があるのか」「どうすれば正常に動くようになるか」を素早く見つけ出し、的確に解決することが求められます。
論理的思考
プログラミングにおいては、物事を順序立てて考える「論理的思考」が重要です。論理的思考を高めることで、コンピューターに対してムダなく正確に命令を伝えられるようになります。上述の問題解決能力の向上にもつながるため、積極的に磨いておきましょう。
コミュニケーション能力
プログラマーとして活躍するには、専門知識だけでなくコミュニケーション能力も必要です。システム開発はチームで行うため、プロジェクトマネージャーやシステムエンジニアが求めることを正確に汲み取って作業に反映させなければいけません。また、常駐先と円満な関係を築いて業務を遂行することも求められます。
未経験からプログラマーになるには?
プログラマーは需要が高いため、未経験からでも十分なれるチャンスのある職業です。ただし、転職においてはスキルがあった方が当然有利になります。プログラミングは独学でも身に付けられますが、スクールや通信教材を活用すると効率よく学習を進められるでしょう。また、職業訓練を受けることも選択肢の1つです。
まとめ
この記事では、プログラマーの仕事について解説しました。プログラマーは専門知識が身に付く上、やりがいの多い仕事ですが、下流工程のためどうしても収入は上がりづらい傾向にあります。プログラマーとしてスキルを磨いたあと、上流工程を目指していくとよいでしょう。