SPIN営業とは?取り入れるメリットや手順、成功させるポイントを解説

2023年12月9日

2023年11月12日

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Izul広報チーム

Izul広報チーム

SPIN営業とは、ターゲットに納得感を与えることで成約率を高める営業手法です。製品・サービスの魅力を営業が一方的に伝えるのではなく、ターゲット自ら必要性を認識させ、納得感を与えることで成約率を高めるのが狙いです。複数の質問を投げかけつつ、適切なプロセスを踏むことが重要です。今回は、SPIN営業の方法やメリット、成功させるポイントなどについて詳しく解説します。

SPIN営業とは

SPIN営業とは、イギリスの作家 ニール・ラッカム氏の著書「SPIN Selling(1988)」で提唱された営業手法です。35,000件の営業活動と12年にわたる調査に基づいて提唱され、発表から30年以上経過した現代においても多くの企業に用いられています。

SPIN営業の特徴は「Situation」「Problem」「Implication」「Need payoff」の順に質問を投げかけ、ターゲット自身に潜在ニーズを気づかせることです。

SPIN営業のメリット

SPIN営業と一般的な営業手法の違いを理解したうえで、取り入れるかどうか検討することが大切です。ここからはSPIN営業のメリットについて詳しくみていきましょう。

潜在的なニーズを把握できる

ニーズには、ターゲット自身が理解している「顕在ニーズ」と自覚していない「潜在ニーズ」があります。営業担当者が投げかけた共感や課題の明確化につながる質問にターゲットが回答することで、ターゲット自身が潜在ニーズに気づくことができます。

製品・サービスの必要性を訴求しやすい

SPIN営業は、ターゲットが製品・サービスの必要性を認識できるように質問を投げかけます。何となく必要性があると感じている状態で成約しても、短期間で契約を解除される可能性があるためです。一方でターゲットが必要性を十分に認識したうえで成約した場合は、長期的に良い関係を築けるでしょう。

信頼関係を築きやすい

SPIN営業で製品・サービスの成約に至った場合、ターゲットにとって営業担当者は頼れる存在になります。課題を抽出したうえでの納得感のある説明をすることで、ターゲットからの信頼を得られるのです。

信頼関係を築ければ製品・サービスで問題が発生したときに、相談せずに契約を解除して競合他社へと流れるリスクを低下させることができます。また、別の悩みが発生した際に相談されやすくなるでしょう。

SPIN営業の流れ

SPIN営業は一般的な営業方法とは異なり、ターゲット自らが製品・サービスを購入したくなるように質問を投げかけます。ここからはSPIN営業の各プロセスのポイントや質問例について詳しくみていきましょう。

1:Situation(状況質問)

まず顧客の状況を把握するために、業務の遂行方法や使用しているツールなどについて質問します。例えば営業支援ツールの営業では、次のように質問します。

・現在営業職をされているとのことですが、どのような製品・サービスを取り扱っているのですか?

・何人ぐらいの営業担当者がいるのですか?

2:Problem(問題質問)

続いて状況質問の回答内容に応じて、課題があるかもしれない項目について質問します。ターゲットから「そう。そこに困っていたんだ」と回答を得られることがベストです。例えば次のような質問があります。

・30人もの営業担当者がいると営業支援も大切ではないですか?

・○○は競合他社も強いので、それだけアプローチを増やさないといけないのではないですか?

3:Implication(示唆質問)

続いて問題を放置すると起こり得るトラブルについて気づきを与え、対策の必要性を認識してもらいます。そのためには次のような質問が有効です。

・1人の営業事務が多くの営業担当者の営業支援をすると、ミスも起きるのではないですか?

・営業のアプローチを増やすには、雑務の量を減らさないと一人ひとりの負担が大きくなりすぎませんか?

4:Need payoff(解決質問)

最後にターゲットが抱える課題を解決することのメリットや、解決方法についてイメージしてもらうための質問をします。次のように質問しましょう。

・営業支援をより効率的に行えるようになれば、さらにアプローチ数を増やせるかもしれません。それを実現できるのが弊社の○○です。

・営業支援ツールの○○を導入することで、営業事務の負担を軽減しつつミスのリスクを大きく軽減できます。

SPIN営業を成功させるポイント

SPIN営業を成功させるには、4つのプロセスにおける質問の意図を理解したうえで、優れたヒアリング力を身につける必要があります。ここからはSPIN営業を成功させるポイントについて詳しくみていきましょう。

顧客情報を入念に調べておく

SPIN営業では最初に状況質問を投げかけるため、顧客情報の事前調査は不要と思うかもしれません。しかし顧客の状況を一切理解しないまま営業に入ると、状況理解に時間がかかりすぎてしまいます。的を得ていない質問を投げかけてしまうリスクが高まるため、顧客情報は入念に調べておくことが大切です。

また顧客の課題を想定したうえで、その課題を引き出すための質問についても事前に考えておきましょう。その場で質問を考えていると、話が途切れて空白の時間が流れてしまい、ターゲットに安心感や信頼感を与えることができなくなります。

気づきを与える

SPIN営業では、ターゲットが自ら気づくことが重要です。潜在ニーズと課題に気づいたところで、自社の製品・サービスを提案することで成約率が高まります。「弊社の○○は○○という課題を解決するため、導入することで営業効率が大幅にアップします。」と最初に伝えても、ターゲットは営業効率や営業支援に課題があるとは考えていないため、成約にはつながりません。

また「営業効率や営業支援に課題がありますよね」と投げかけた場合も同様です。ターゲットに気づきを与えることを徹底し、各プロセスを適切な順序で進めていきましょう。

アフターフォローを欠かさない

SPIN営業で成約に至ると、ターゲットとの間には信頼関係が構築されます。すでに構築した信頼関係を崩さずに次のアプローチにつなげるために、アフターフォローを欠かさないことが大切です。信頼関係をさらに強めることで、より高額なプランへの切り替えや他の製品・サービスの成約につながりやすくなります。

アフターフォローでは、次のように質問しましょう。

・使用するうえで問題は起きていないか

・業務に活用できているか

・他に悩みごとはないか

・欲しい機能はないか

アフターフォローが充実していれば、担当者だけではなく企業そのものに対する信頼感が高まります。

まとめ

SPIN営業は、ターゲットに潜在ニーズや課題の気づきを与えたうえで自社の製品・サービスを提案する営業手法です。一方的な提案ではなく、根拠のある提案となるため、従来の営業方法と比べて成約に至りやすくなります。今回、解説した内容を参考に、SPIN営業を営業活動に取り入れてみましょう。

監修者・押目 隆之介

押目 隆之介

日本郵船グループにて3年間国際物流業務に従事。
リクルートに転職し、約5年間住宅・不動産領域のメディア営業およびマネジメントを経験後、前職のAbemaTV(サイバーエージェントより出向)にてコンテンツ戦略プロデューサーとして約4年間勤務しておりました。

現在は、自身の事業の経営も行いながら、リクルート時代の同僚であった中田の立ち上げたIzulにて、20~30代の方々を中心としたキャリア支援のお手伝いもさせていただいております。

著者プロフィール

Izul広報チーム

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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