IT営業に転職するには?仕事内容や活かせる経験を支援事例から解説

2024年9月17日

2026年10月10日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

【記事の要約ポイント】
・IT営業とは、IT製品やサービスを通じて顧客の課題を解決する仕事
・転職では、高度なIT知識よりヒアリング力や営業の再現性が重視される
・前職の経験を選考で評価される強みに変換することが転職成功の鍵

IT営業とは

IT営業とは、企業が抱える業務上の課題を把握し、IT製品やサービスを活用した解決策を提案する仕事です。取り扱う商材には、業務システムやSaaS、ハードウェア、通信サービスなどがあります。

一般的な営業職との大きな違いは、完成した商品を紹介するだけでなく、顧客の業務内容や既存システムを理解したうえで、必要な機能や導入方法を考える点です。

例えば、「入力作業を減らしたい」「顧客情報を一元管理したい」といった要望の背景を掘り下げ、顧客自身も気づいていない課題まで整理していきます。

IT営業というと、高度なIT知識が必要だと思われがちです。もちろん、自社商材を理解し、顧客や技術部門と会話するための知識は欠かせません。ただし、転職時点ですべての専門知識を身につけている必要はなく、入社後に学べる部分も多くあります。

それ以上に重要なのが、顧客の業務課題を聞き出すヒアリング力と、複雑な仕組みをわかりやすく説明する力です。顧客とエンジニアなどの技術部門をつなぎ、双方の認識をそろえる役割もIT営業が担います。

IT営業の仕事内容

IT営業の業務内容は、企業や取り扱う商材によって異なります。一般的には、顧客へのアプローチから課題のヒアリング、提案、契約、導入後の支援まで、幅広い業務を担当します。

主な業務内容
顧客へのアプローチ電話やメール、問い合わせ、紹介などを通じて商談の機会をつくる
課題のヒアリング顧客の業務内容や現在の運用方法、困っている点を確認する
解決策の提案課題に合ったIT製品やサービスを選び、導入効果や費用を説明する
技術部門との調整実現可能な機能や導入スケジュールを確認し、提案内容を具体化する
契約と導入支援見積もりや契約条件を調整し、導入が円滑に進むよう支援する
導入後のフォロー利用状況を確認し、運用改善や追加提案につなげる

IT営業では、顧客から聞いた要望をそのまま技術部門へ伝えるだけでは不十分です。要望の背景や優先順位を整理し、開発や導入に必要な情報へ落とし込む必要があります。一方で、技術部門から得た専門的な情報は、顧客にとってわかりやすい言葉に置き換えなければなりません。

また、提案を形にするまでには、技術部門との調整や見積もりの作成、セキュリティ要件の確認など、地道な工程が数多くあります。そのため、華やかな提案力だけでなく、関係者と粘り強く調整しながら案件を前に進める力も重要です。

IT営業の種類

IT営業は、取り扱う商材やサービスの提供方法によって、主にSaaS営業、SIer営業、ハードウェア営業、Webサービスや通信の営業に分けられます。同じIT営業でも、顧客への提案方法や契約後の関わり方、求められる知識は異なります。

転職先を選ぶ際は、業界の将来性や知名度だけでなく、「誰に何を提案する仕事なのか」「自分の経験をどのように活かせるのか」まで確認することが大切です。

SaaS営業

SaaS営業とは、インターネットを通じて利用できるクラウド型のソフトウェアを提案する仕事です。顧客管理システムや会計ソフト、人事労務システム、業務効率化ツールなど、企業の課題に応じた幅広いサービスを扱います。

SaaS企業では、営業活動をインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスなどに分けるケースが一般的です。インサイドセールスが見込み顧客との接点をつくり、フィールドセールスが商談や契約を担当し、カスタマーサクセスが導入後の活用を支援します。ただし、企業規模や組織体制によっては、一人の担当者が複数の役割を担う場合もあります。

SaaSは継続利用によって売上を積み上げるビジネスモデルです。そのため、契約の獲得だけでなく、顧客がサービスを活用して課題を解決できるかまで考える必要があります。顧客の業務を理解するヒアリング力や、利用状況に応じて提案を改善する力が求められる営業です。

SIer営業

SIer営業とは、顧客の要望や課題に合わせて、システムの開発や導入、運用・保守を提案する仕事です。SIerは「System Integrator」の略称で、顧客企業からシステム開発などを請け負う企業を指します。

営業担当者は、顧客の業務内容や既存システムを確認し、エンジニアと連携しながら提案内容や見積もりを作成します。受注後も、顧客と開発部門の間に立ち、仕様や納期、予算などを調整することがあります。

システム開発は、案件によって関係者が多く、商談から導入までの期間も長くなります。すべての技術を営業担当者が理解する必要はありませんが、顧客の要望を整理して技術部門へ伝える力や、専門的な内容を顧客にわかりやすく説明する力が欠かせません。顧客の業界知識や、複数の関係者と合意形成を進めた経験も活かしやすいでしょう。

ハードウェア営業

ハードウェア営業とは、パソコンやサーバー、ネットワーク機器、プリンター、センサーなど、形のあるIT機器を提案する仕事です。メーカーが自社製品を販売する場合もあれば、商社や販売代理店が複数メーカーの製品を組み合わせて提案する場合もあります。

製品の機能や価格を説明するだけでなく、顧客の利用環境や導入目的を確認し、必要な台数や構成、保守サービスなどを考えることが重要です。近年では、ハードウェア単体ではなく、ソフトウェアや通信環境、導入後のサポートを組み合わせて提案するケースもあります。

有形商材の営業経験がある人は、製品比較や価格交渉、販売代理店との関係構築などの経験を活かせます。一方で、IT製品は機能の更新が速いため、新製品や関連技術を継続的に学ぶ姿勢も必要です。


Webサービスや通信の営業

Webサービスの営業では、WebサイトやECサイトの制作、デジタルマーケティング支援、Web広告、各種プラットフォームなどを提案します。顧客の集客や売上、認知度などの課題を整理し、制作担当者やマーケターと連携しながら施策を組み立てる仕事です。

通信営業では、法人向けのインターネット回線やモバイル端末、社内ネットワーク、クラウド電話、セキュリティサービスなどを扱います。企業活動を支えるインフラを提案するため、料金だけでなく、通信の安定性やセキュリティ、導入後の運用まで考える必要があります。

どちらも商材の範囲が広く、企業によって仕事内容が大きく異なります。転職時には、「どのような顧客に、どのサービスを、どのような方法で提案するのか」を求人票や面接で確認することが重要です。

IT営業の平均年収

dodaの2025年調査によると、「営業-IT/通信」の平均年収は461万円です。
年代別では20代が393万円、30代が530万円、40代が703万円、50代以上が674万円となっています。

区分平均年収
全体461万円
男性493万円
女性415万円
20代393万円
30代530万円
40代703万円
50代以上674万円

IT営業の年収は、勤務先や担当する商材、営業経験によって大きく異なります。特に、大企業向けの営業や複雑なシステムを扱う営業、マネジメント経験が求められるポジションでは、年収が高くなる傾向があります。

一方で、未経験から転職する場合は、IT業界へ移るだけで必ず年収が上がるわけではありません。入社時の年収だけでなく、どのような営業経験や業界知識を身につけられるか、将来的にどのポジションを目指せるかまで確認することが大切です。

2025年のIT・通信業界全体の平均年収は466万円で、前年の460万円から6万円上昇しています。企業のDXやAI活用が進むなか、顧客の業務課題とITサービスを結びつけられる営業人材は、今後も評価されると考えられます。

ただし、商品知識だけでなく、課題解決型の提案力や成果を再現できる営業力を持つことが、年収を高めるうえでも重要です。

参照:平均年収ランキング(職種・職業別の平均年収/生涯賃金)最新版|doda
参照:平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)最新版|doda

IT営業のやりがいと大変な点

IT営業の大きなやりがいは、IT製品やサービスを通じて顧客の業務課題を解決できることです。業務時間の短縮やコスト削減、売上向上など、提案によって顧客の仕事が変わる過程に関われます。顧客から直接反応を得られるため、自分の提案がどのような価値を生み出したのかを実感しやすい仕事です。

また、顧客の業務やビジネスモデル、ITに関する知識を幅広く学べる点も魅力です。変化の速い業界で新しい知識を身につけながら、ヒアリング力や提案力、社内外の調整力を高められます。

一方で、IT営業には地道で難しい仕事も多くあります。顧客が抱えているのは、紙やExcelを前提とした古い業務フローや、複数のシステムが絡んだ複雑な課題であることも少なくありません。顧客自身も問題を整理できていない状態から、何度もヒアリングを重ねて提案を組み立てる必要があります。

さらに、顧客の希望を実現するためには、エンジニアや法務、セキュリティなどの関係部門との調整が欠かせません。顧客の要望と自社で実現できる範囲が合わず、双方の間に立って調整する場面もあります。商品を提案する華やかな部分だけでなく、こうした地道なプロセスを積み重ねる仕事であることは、転職前に理解しておく必要があります。

Izulの転職支援現場では、高度なIT知識の有無以上に、顧客の話から課題を整理する力や、複雑な内容をわかりやすく伝える力が重要だと考えています。新しい知識を学び続けながら、顧客や社内の関係者と粘り強く向き合える人にとって、大きな成長とやりがいを得られる仕事です。

IT営業に向いている人と向いていない人

IT営業の適性は、現時点でのIT知識だけでは判断できません。新しい知識を学び、顧客や市場の変化に合わせて自分の行動を更新できるかが重要です。

IT営業に向いている人

IT営業に向いている人には、次のような特徴があります。

  • 顧客の話を聞き、課題の背景まで考えられる
  • 新しい技術や顧客の業界について自ら学べる
  • 正解が決まっていない状況でも仮説を立てて行動できる
  • 顧客や技術部門と粘り強く調整できる
  • フィードバックを受けて仕事の進め方を改善できる

IT業界は、技術やサービスの変化が速く、以前の成功パターンがそのまま通用するとは限りません。変化を負担と捉えるのではなく、新しい知識を得る機会として楽しめる人は、IT営業で力を発揮しやすいでしょう。

Izulの転職支援では、IT知識の量だけでなく、顧客の課題を整理した経験や、目標達成に向けて仮説と改善を重ねた経験を重視しています。前職で培った営業経験や業界知識も、伝え方を整理すればIT営業で活かせる強みになります。

IT営業に向いていない人

一方で、次のような傾向がある人は、IT営業の仕事に負担を感じる可能性があります。

  • 決められた商品やマニュアルに沿って営業したい
  • 新しい知識を継続的に学ぶことに抵抗がある
  • 以前の成功体験や会社の知名度だけに頼ってしまう
  • 成果が出ない原因を商品や顧客などの外部環境だけに求める
  • 関係者との細かな調整を避けたい

IT営業では、顧客ごとに異なる課題へ向き合い、自分の知識や営業方法を更新し続ける必要があります。現時点で当てはまる項目があっても、すぐに適性がないと判断する必要はありません。ただし、変化や学習、地道な調整そのものを強いストレスに感じる場合は、仕事内容との相性を慎重に確認したほうがよいでしょう。
る気やポテンシャルのある人材の採用を進めていることがあります。提供している商品やサービスによっては、他業種での経験が活かせるなど、未経験でも過去の実績をアピールできる可能性があるでしょう。他業種からの転職を歓迎していることも多いため、応募する企業を徹底的に研究することをおすすめします。

未経験からIT営業に転職するポイント

未経験からIT営業へ転職することは可能です。ただし、「IT業界に興味がある」「これから知識を身につけたい」という意欲だけでは、選考を通過するのは難しいでしょう。

IT・SaaS領域への転職支援を重ねてきたIzulでは、企業が確認しているのはIT知識の量だけではなく、前職で培った経験を入社後も再現できるかどうかだと考えています。特に評価されやすいのは、次のような経験です。

  • 顧客の課題を聞き出して提案した経験
  • 目標から逆算して行動を管理した経験
  • 成果が出ない原因を分析して改善した経験
  • 顧客や社内の関係者と合意形成した経験
  • 特定業界の課題や商習慣を理解していること

高度なIT知識は、入社後の学習で補える部分もあります。一方で、顧客の課題を捉える力や、成果を出すまでの思考と行動は、短期間では身につきません。そのため選考では、これまでの経験をIT営業で活かせる形に整理し、具体的に伝えることが重要です。

前職の経験をIT営業の強みに変換する

IT営業への転職では、職種名や商材が違うという理由だけで、これまでの経験を活かせないと判断する必要はありません。

Izulの転職支援では、前職の仕事内容をそのまま説明するのではなく、「誰に対して」「どのような課題を捉え」「何を考えて行動し」「どのような成果を出したのか」まで分解します。そのうえで、IT営業の採用企業が評価する力へ変換していきます。

前職での経験IT営業で評価される強み選考での伝え方
無形商材の法人営業課題ヒアリングと無形価値の提案顧客の課題をどのように捉え、提案内容を組み立てたかを伝える
有形商材の営業商材だけに頼らない提案力価格や製品力以外にどのような工夫を行い、成果につなげたかを伝える
新規開拓営業仮説構築とKPI管理目標から行動量や商談化率を逆算し、改善した過程を伝える
既存顧客営業関係構築と追加提案顧客との関係を深め、潜在的な需要や追加提案につなげた経験を伝える
特定業界での営業や実務顧客業界への深い理解業界特有の課題や商習慣を、応募先の顧客支援にどう活かせるかを伝える
接客や医療や人材支援状況把握と説明や合意形成相手に応じて説明や対応を変え、行動や成果につなげた経験を伝える
CRMやSFAの利用数字に基づく営業管理と改善データを使って進捗や課題を把握し、行動を改善した経験を伝える

たとえば、有形商材の営業経験者が「食品を販売していました」と説明するだけでは、IT営業との接点は伝わりません。しかし、顧客ごとの販売状況を分析し、課題を仮説立てして、提案内容や行動量を改善した経験まで整理できれば、再現性のある課題解決型営業として評価される可能性があります。

営業未経験者も同様です。作業療法士や接客職、人材支援職などで培ったヒアリング力や説明力、相手の行動を促した経験は、IT営業に活かせます。重要なのは、前職とIT営業の共通点を自分で決めつけるのではなく、具体的な行動や成果から見つけることです。

前職の経験を整理するときにおすすめしているのは、次の4点に分けて振り返る方法です。過去の成果だけでなく、どのように考えて行動したのかまで整理すると、別の環境でも活かせる強みとして伝えやすくなります。

  • 顧客や相手が抱えていた課題は何か
  • 課題に対してどのような仮説を立てたか
  • どのような行動や工夫を行ったか
  • 結果をどう振り返り、次の改善につなげたか

企業が知りたいのは、過去の成果そのものだけではありません。入社後も同じように課題を捉え、考え、改善しながら成果を出せるかどうかです。

前職の経験をIT営業の言葉へ置き換えるだけでなく、行動の背景にある思考まで言語化することが、未経験転職の第一歩になります。

成果までの仮説と行動を数字で伝える

IT営業の選考では、「売上目標を達成した」「社内表彰を受けた」といった結果だけでなく、成果に至るまでの考え方も確認されます。企業が知りたいのは、環境や商材が変わっても同じように成果を出せるかどうかです。

目標に対してどこに課題があると考え、どのような行動指標を設定し、どう改善したのかを整理しましょう。売上金額だけでなく、アプローチ数や商談化率、受注率、継続率なども、営業方法の再現性を示す材料になります。

選考では、成果の数字だけでなく、目標に対してどのような仮説を立て、行動プロセスをどう管理したのかも確認されます。考え方や改善の過程まで話せると、営業としての再現性が伝わりやすくなります。

数字を無理に大きく見せる必要はありません。自分が管理していた指標と実際の行動を結びつけ、成果までの流れを説明できるようにすることが重要です。

顧客業界と応募先の商材を理解する

IT営業では、ITの知識だけでなく、サービスを利用する顧客の業界に対する理解も重要です。不動産や製造、金融、医療など、業界によって抱えている課題や商習慣、意思決定の進め方は異なります。

たとえば、製造業での営業経験がある人が製造業向けのSaaS企業へ応募する場合、現場の業務フローや業界特有の課題を理解していることが強みになります。IT業界が未経験でも、顧客側の事情を理解している人は、入社後の提案や関係構築に経験を活かせるためです。

IT商材の知識は、入社後に学べる部分も少なくありません。一方、顧客業界の課題や商習慣に対する理解は短期間では身につかないため、前職の業界知識が転職時の大きな武器になることがあります。

応募前には、企業が提供しているサービスだけでなく、主な顧客層や解決している課題まで確認しましょう。そのうえで、自分の経験をどの顧客への提案に活かせるのかを説明できると、志望動機にも説得力が生まれます。

ITを学び続ける姿勢を示す

未経験者に高度なIT知識が求められるとは限りませんが、入社後に自ら学ぶ姿勢は必要です。IT業界は技術やサービスの変化が速く、顧客のビジネスモデルや競合環境も変わり続けます。

選考では、「入社後に勉強したい」と伝えるだけでなく、すでに取り組んでいる行動を示すことが大切です。応募企業のサービスや競合製品を調べる、実際に利用できるサービスを試す、業界ニュースを継続的に確認するなど、具体的な行動が学習意欲の裏付けになります。

未経験者の場合、現時点でのIT知識の量以上に、分からないことを自分で調べ、学び続けられるかが重要です。過去のやり方に固執せず、変化に合わせて知識や営業方法を更新できる人は、IT営業でも成長しやすいでしょう。

前職の成功体験だけに頼らず、新しい環境に合わせて学び直せる姿勢を伝えましょう。知識量を必要以上にアピールするよりも、どのように学び、仕事へ活かそうとしているかを具体的に説明することが重要です。

IT営業への転職に成功したIzulの支援事例

実際のIzulの転職支援では、自分の営業経験がIT業界でも通用するのか不安を抱えていた人や、営業未経験から挑戦した人もIT・SaaS領域への転職を実現しています。

転職に成功した人に共通するのは、前職の業界や商材だけで経験を判断せず、顧客の課題をどのように捉え、どのような工夫によって成果につなげたかを整理したことです。

ここでは、異業界・異職種からIT営業への転職に成功した4つの支援事例を紹介します。

食品メーカーの有形営業からSaaS企業へ

食品メーカーで約3年間、飲食店向けの業務用商品を扱っていたTさんは、約40社の取引先を担当していました。しかし、前職では営業活動を数値で管理する文化があまりなく、転職活動を始めた当初は実績や強みをうまく言語化できていませんでした。

そこで、単に「冷凍食品を販売していた」と説明するのではなく、営業活動を次の流れに分けて整理しました。

  • どのような課題を設定したか
  • 何を優先して行動したか
  • どのような成果につながったか
  • 結果を踏まえて何を改善したか

商材そのものではなく、顧客の状況を踏まえて自ら考え、営業活動を改善してきた点を伝えることで、SaaS企業でも活かせる再現性を示しました。その結果、IT業界未経験からSaaS企業への転職を実現しています。

有形営業でも、課題設定から行動、改善までの流れを整理すれば、SaaS企業でも再現できる営業力として評価されます。

医療福祉の人材営業からバーティカルSaaSへ

医療・福祉領域の人材紹介会社で営業や拠点責任者を経験したHさんは、当初、ほかの転職エージェントを通じて応募していましたが、書類選考や一次面接を通過できずにいました。

転機となったのは、直近の人材紹介経験だけでなく、それ以前に経験していた求人広告営業までさかのぼってキャリアを整理したことです。求人広告営業では、企業の採用課題に踏み込み、継続的にサービスを利用してもらうための提案を行っていました。この経験は、顧客の業務課題を解決し、継続利用につなげるSaaS営業との共通点があります。

そこで、人材と企業を結びつけた経験だけでなく、顧客の課題を把握し、継続的な提案によって解決を支援した経験を中心に応募書類と面接内容を再構築しました。応募先も、未経験者の受け入れ体制や教育環境を考慮して選定した結果、2社から内定を獲得し、バーティカルSaaS企業のフィールドセールスへ転職しています。

選考では、直近や在籍期間の長い経験だけを使う必要はありません。応募先の業務と共通点の多い経験を選び、一貫したストーリーに組み直すことが重要です。

作業療法士からSaaSのインサイドセールスへ

病院で約3年半勤務していた作業療法士のSさんは、営業未経験からSaaS企業への転職に挑戦しました。転職活動で課題となったのは、リハビリによる成果を数値で表しにくく、自分の取り組みが結果にどう影響したのかを説明しづらいことでした。

そこで、患者の状態や課題をどのように捉え、目標達成に向けてどのような働きかけを行ったのかを細かく整理しました。さらに、院内のリハビリに対する意識を変えるために行動した経験や、学会発表へ積極的に取り組んだ経験から、周囲を巻き込みながら改善を進める力を明確にしました。

作業療法士とIT営業は異なる職種ですが、相手の状況を把握し、課題に応じた提案や働きかけを行う点には共通部分があります。職種名ではなく、仕事の進め方に注目して強みを伝えた結果、SaaS企業のインサイドセールスへの転職を実現しました。

営業経験がなくても、相手の課題を捉え、行動や変化につなげた経験があればIT営業との接点を作れます。日常的に行っていたことのなかに、評価される強みが隠れているケースも少なくありません。

メーカー営業からSaaSのフィールドセールスへ

砂糖メーカーで小売店や卸売会社への営業を担当していたNさんは、より成長できる環境を求めて転職活動を始めました。一見すると既存顧客を中心としたルート営業ですが、実際には商品を届けるだけの営業ではありませんでした。

市場シェアをさらに伸ばすために、卸売会社が商品を販売しやすくなる提案を考え、顧客の組織構造や商流、競合状況、意思決定者まで捉えながら営業活動を進めていました。こうした経験を「メーカーのルート営業」ではなく、「顧客や関係者を動かし、売上拡大の仕組みを作った経験」として整理したことがポイントです。

結果だけでなく、顧客に行動してもらうために何を考え、どのような提案を行ったのかまで説明できるようにしたことで、IT業界でも再現できる営業力が評価されました。その結果、SaaS企業のエンタープライズ向けフィールドセールスへ転職しています。

ルート営業でも、顧客組織や商流全体を捉え、相手を動かしたプロセスを示せれば、SaaSのフィールドセールスで活かせる強みになります。

IT営業への転職でよくある質問

IT営業への転職を考える際は、「専門知識がなくても働けるのか」「未経験でも選考を通過できるのか」など、さまざまな疑問が生じるでしょう。

ここでは、転職支援の現場で見られる傾向をもとに、IT営業への転職でよくある5つの質問に回答します。

ITの専門知識がなくてもIT営業に転職できますか

高度なIT知識がなくても、IT営業への転職は可能です。入社時点では、専門知識の量よりも、顧客の業務や課題を正しく捉えるヒアリング力、複雑な内容をわかりやすく伝える力が重視される傾向にあります。

ただし、IT知識がまったく必要ないわけではありません。入社後も新しい技術やサービスを学び続ける必要があるため、選考では現在の知識だけでなく、自ら学習できる姿勢も確認されます。

営業未経験からIT営業を目指せますか

営業未経験からIT営業へ転職することも可能です。その場合は、営業実績の代わりに、顧客対応や課題解決、目標達成に向けて工夫した経験などが評価材料になります。

たとえば、相手の状況を把握して適切な対応を考えた経験や、周囲を巻き込みながら業務を改善した経験は、IT営業にも活かせます。職種名だけで判断せず、これまでの仕事を「課題・行動・結果」に分けて整理することが大切です。

IT営業への転職に資格は必要ですか

IT営業への転職に必須の資格はありません。ITパスポートなどの資格があれば、基本的な知識や学習意欲を示す材料にはなりますが、資格を取得しただけで選考が大きく有利になるとは限りません。

選考では、資格の有無よりも、前職で培った経験をIT営業でどう活かせるか、入社後も必要な知識を学び続けられるかが重視されます。資格取得を目指す場合も、応募先の事業やサービスを理解するための学習と並行して進めるとよいでしょう。

異業界の営業経験や業界知識は活かせますか

異業界で培った営業経験や業界知識は、IT営業への転職でも活かせます。特に、特定業界の課題を解決するバーティカルSaaSでは、不動産・製造・金融・医療などの業界構造や商習慣を理解していることが強みになります。

有形商材の営業経験についても、何を販売していたかだけで判断する必要はありません。顧客の課題をどのように把握し、どのような提案や調整によって成果につなげたのかを整理すれば、IT営業でも再現できる経験として伝えられます。

IT営業の選考では何が評価されますか

IT営業の選考では、顧客の課題を捉える力や説明力に加えて、成果を再現できる営業プロセスが評価されます。単に目標を達成したと伝えるだけでなく、どのような仮説を立て、どのKPIを追い、何を改善して成果につなげたのかまで説明することが重要です。

また、IT営業では顧客だけでなく、エンジニアなどの社内関係者との調整も発生します。華やかな提案力だけでなく、地道な情報収集や社内調整を積み重ねられること、自分のやり方を柔軟に更新できることも確認されます。

まとめ

この記事では、IT営業の種類や仕事内容、それぞれの特徴について紹介しました。IT営業では高度な営業スキルやITに関する専門知識が求められますが、その分大きなやりがいや達成感を感じられる職種です。未経験の方でも、法人営業の経験やITに関する知識を得ることで、十分転職できる可能性があります。IT営業に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

監修者・竹節 正輝

竹節 正輝

日本郵便 本社IT新規事業→パーソルキャリアにて個人表彰、新規事業創出プログラムDrit大賞→パーソルイノベーション株式会社 地方副業Loino PdM 霞ヶ関でキャリアをスタートしたのち、転職サイトdoda、事業立ち上げも経験。キャリアアドバイザーとイントレプレナーの2つの顔を持つ。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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