近年、インターネットを経由したサービスを利用する人口が増えています。それに伴い、Webマーケティングを経営戦略とする企業も増加しました。今回は、Webマーケティング活動を企画・実行する「Webマーケター」について解説します。
「Webマーケターはどんな仕事?」
「Webマーケターになるには?」
「Webマーケターに必要なスキルは?」
Webマーケターを目指すうえで押さえておきたい情報を、さまざまな視点から紹介しているので、参考のうえ今後のキャリア形成にお役立てください。
Webマーケターの仕事内容とは
Webマーケターの仕事には、主に以下4つが挙げられます。
SEOの改善
- 「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」のこと
- クライアント・自社のWebページを検索エンジンの上部に表示させるための対策を施す
広告出稿
- 検索ワードに連動して表示されるリスティング広告の出稿
- 問い合わせ・購入などのコンバージョンが期待しやすい
- バナー広告などのディスプレイ広告の出稿も行う
SNSの運用
- Twitter・Facebook・Instagramなどの運用代行
- ランディングページへ誘導する効果が期待できる
- 継続的なファン層の獲得も可能
ランディングページ最適化
- リスティング広告・ディスプレイ広告などをクリックした後に表示されるページ
- 問い合わせ・資料請求・商品情報などを掲載する
- ランディングページ内でのゴール設定を明確にすることが大切
そもそもWebマーケティングとは
Webマーケティングとは、検索エンジンやブログメディア、ホームページを活用して顧客獲得を目指すマーケティング活動のことです。自社やクライアントのサービスがWeb上で活性化し、売上などのコンバージョンにつながるよう企画・実践することを指します。各種ツールを活用した効果測定や顧客層に合わせた施策の実施など、対面でのマーケティングよりも高い自由度があります。
Webディレクターとの相違点
Webマーケターはマーケティングの知識を駆使して、戦略の考案・実施・改善を行う仕事です。それに対してWebディレクターは、Webサイト制作を統括するリーダーとしての役割を担う仕事です。それぞれ「軸」が異なる点を理解しておきましょう。企業によっては、WebマーケターとWebディレクターの仕事を一貫して行う場合もあります。
Webマーケターを目指すためにすべきこと
Webマーケターを目指すうえで特別な資格は必要ないものの、Webに関する最低限の理解や経験は必要です。ここでは、Webマーケターを目指す上での準備について解説します。
- 関連書籍を活用して学習する
- データ解析の知識を身につける
- 自身でWebサイトを運営してみる
関連書籍を活用して学習する
Webマーケティングの注目度は非常に高いため、関連書籍もたくさん出ています。必要な情報を順序立てて学べることから、初心者がWebマーケターになるためのツールとしてはもっとも一般的です。ただし、Webマーケティングの情報は移り変わりも早いため、書籍を活用しつつインターネット上で最新の情報を取り入れていく必要があります。
データ解析の知識を身につける
Webマーケターには、コンバージョン率やページビュー数など、Webマーケティングにおけるデータを解析し、理解することが求められます。データアナリストやデータサイエンティストの関連書籍やWeb講座を受講し、解析士としての専門知識もある程度身につけておくべきです。Googleアナリティクスに登録し、実際に数値を把握する方法もおすすめです。
自身でWebサイトを運営してみる
実際に自分でWebサイトを立ち上げ、コンバージョン率やページビュー数の移り変わりを追い、改善してみる方法もおすすめです。市場ニーズにマッチするコンテンツの生み出し方やアナリティクスの操作方法など、実際に運営することで「経験値」として身につきやすくなります。
Webマーケターに求められるスキル
ここでは、Webマーケターに必要な以下3つのスキルについて紹介します。自身がどのスキルを保有しており、どのスキルが不足しているか理解し、Webマーケターになる道筋を立ててください。
ITスキル
Webマーケティングを円滑に行うためには、最低限のITスキルが必須です。オフィス系ソフトの操作やHTML・CSSの理解、CPA・CTAなどの知識を得ておく必要があります。先ほども紹介した解析ツールなどの使用経験や、内容を理解しておくことも大切です。
論理的思考力
Webマーケティングに重要なのは、データを基にした解決策の提案です。そのため、自身の経験値ではなく、あくまで結果をベースに解決策を考案する「論理的思考力」が求められます。ターゲット設定や分析にも論理的思考力が求められるため、Webマーケターに必須のスキルといえます。
コミュニケーション能力
Webマーケターの仕事はチームで行うことが多いため、最低限のコミュニケーション能力が必要です。また、クライアントへの要件定義を行う場合もあります。先ほど紹介した論理的思考力も合わせて、チームメンバーやクライアントに対して課題や施策を明確に伝えるコミュニケーション能力が必要な仕事です。
Webマーケターに転職する際に必要な知識
ここでは、Webマーケターへの転職を目指すうえで押さえておきたい知識を、資格・将来性・適性・やりがいの視点から解説します。
有利な資格
Webマーケターは特別な資格がなくてもなれる仕事です。ただし、以下の資格を取得しておくことで、より有利かつ確実にWebマーケターになれます。
- Web解析士
- マーケティング・ビジネス実務検定
- ネットマーケティング検定
Webマーケターに求められるスキルとあわせて、上記の資格取得も検討してみてはいかがでしょうか。
年収・将来性
Webマーケターの平均年収は、およそ550万円といわれています。とはいえ、完全未経験の場合は300万円ほど、経験豊富なマーケターで600万円ほどと、経験値に応じて年収の幅が広いのが特徴です。近年は自社内だけでなく、他社のWebマーケティングを請け負うことで収入を得る働き方も浸透しています。Webマーケターを求める傾向は今後も続くことが予想できるため、年収アップも含めた将来性が期待できる仕事です。
適性
Webマーケターに向いている人と向いていない人の特徴は、それぞれ以下の通りです。自身の特徴と照らし合わせて、Webマーケターの適性を客観的に判断してください。
向いている人
- 変化に対する好奇心が旺盛
- 数字を用いた分析が好き
- 顧客目線に立った仕事にやりがいを感じる
- アイデアや解決策を出すのが得意
向いていない人
- トレンドの移り変わりに興味を持てない
- 仕事量をなるべく少なくしたい
- 数字を扱うのに苦手意識がある
- デスクワークが得意ではない
やりがい・厳しさ
Webマーケターを目指すうえでは、以下に挙げるやりがいと厳しさも理解しておくことが大切です。
やりがい
- 自社・クライアントの利益に貢献できる
- Webに関する知識・技術を身につけられる
- Webにまつわるさまざまな領域に関われる
- データを基にしたリアルな分析・検証・改善ができる
厳しさ
- 根気強さが何より求められる
- さまざまな業界・分野の知識を幅広く取得しなければならない
- 業務内容が幅広い
- トレンドの変化に対して敏感にならなければならない
- 顧客や市場の変化に応じて即効性のある対応が求められる
キャリアパス
Webマーケターとしての知識や実績を重ねていくことで、Web事業における責任者のポジションに就くことができます。また、転職市場のニーズも高い仕事であるため、別の組織・クライアントを相手に新たなマーケティング戦略を打ち立てていくキャリア形成も可能です。
まとめ
今回は、Webマーケターの仕事内容や求められるスキルなどを中心に、転職に関して重要な情報を紹介しました。関連知識の取得やサイト運営経験など、自身である程度の準備をしておくことでより確実にWebマーケターになれます。本記事を参考に、転職市場のニーズも高く、今後も拡大が期待できるWeb業界に、マーケターとして身を置くことを検討してはいかがでしょうか。