インバウンドとは?業界の傾向や将来性、転職に向けた基礎知識を紹介

2023年6月27日

2023年6月26日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

昨今、国内だけでなく海外の顧客をターゲットとしたビジネスを展開する企業が増えています。海外の顧客に向けてビジネスを展開する「インバウンド業界」が注目されていることをご存じでしょうか。今回は、インバウンドという言葉の意味から、インバウンド業界の傾向について解説します。ビジネスの対象となる視点が広まった昨今において重要な知識であるため、ぜひ参考にしてください。

インバウンドとは

インバウンドとはもともと「内側」や「中心に向けた」という意味の言葉です。この意味合いが転じて、観光業界を中心に「海外から日本国内への観光客 = 訪日外国人観光客」という意味で使われています。

インバウンドが注目される背景

訪日外国人により国内消費額の減少をカバーできることを理由に、インバウンドが注目されています。少子高齢化が進む日本では、消費者自体が減少傾向にあります。それに比例して国内消費額が減少し、消費活動自体に消極的となっているのが現状です。
訪日外国人が日本に訪れることで、滞在中の食費や宿泊費、交通費やお土産の購入による国内での消費が増えます。インバウンドは、国内での消費額をアップさせる効果が期待できるという理由で注目されています。

インバウンドの現状

消費額における需要の高いインバウンドですが、新型コロナウイルスの感染拡大で、大きな影響を受けています。日本以外の各国が外国人観光客を受け入れている中、日本では2022年4月段階まで観光客の入国を許可していませんでした。訪日外国人が国内に入国できなくなったことで、国内における消費額の減少がさらに加速。観光地の宿泊・飲食・観光・サービス業は経営難に陥りました。しかし2022年10月には、政府によって個人旅行の受け入れ・入国ビザ免除の再開といった水際対策が緩和され、外国人観光客の入国数が大きく改善。コロナ禍以前の2019年頃の水準まで回復しています。観光客の多くを占める中国からの旅行客数が増えたことで入国数は回復傾向にあり、Withコロナ時代にインバウンドの需要はさらに高まると予想されています。

インバウンド増加による利点と懸念点

ここでは、インバウンドが増加することによる利点と懸念点をそれぞれ紹介します。

インバウンド増加の主な利点

インバウンドが増加することで、先ほども触れたように訪日外国人による経済的恩恵が受けられます。訪日外国人はいわゆる「旅行客」であるため、滞在中にさまざまな消費活動を行います。日本の各地域で消費活動をしてくれることで、国内の消費額がアップするのが利点です。
また、訪日外国人が各地域を訪問することで、日本国外における知名度向上も期待できます。各地域で展開される名産品の購入などを通じ、地域活性化につながるのもインバウンドの大きな利点といえます。

インバウンド増加による懸念点

インバウンドは、先ほども触れたパンデミックだけではなく、外部環境の影響を受けやすいのが懸念点です。日韓関係の悪化により韓国からの受け入れ人数が減少したことからも、外部環境の影響がいかに大きいかがわかります。日本と関わりのある国との関係性が悪化すると、さらに訪日外国人が減少する可能性があります。
また、特定の観光地に訪日外国人が集中してしまう「オーバーツーリズム」も、インバウンドの増加による懸念点のひとつです。観光インフラのキャパを超えてしまう観光客数で、混雑が起きたり、環境に悪影響を与えてしまうことなどが懸念されます。

インバウンド業界とは

インバウンド業界とは、外国人を対象としたビジネスを展開する業界のことです。訪日外国人を対象としたビジネスや、外国人がエンドユーザーとなるビジネスを展開する企業が該当します。

インバウンド業界が発展している理由

インバウンド業界が発展している理由には、やはり国内の消費額減少が挙げられます。訪日外国人による消費活動を活性化させ、国内の消費額をアップさせようと考えている企業が増加傾向にあります。また、ダイバーシティの概念が注目されているため、外国人労働者を受け入れる企業が増えているのも現状です。そのため、より訪日外国人の目線でビジネスを展開しやすいことも、インバウンド業界が注目される理由のひとつです。

インバウンドに有効な施策

インバウンド業界としてビジネスを発展させるために、既存システムや施策を訪日外国人向けに設定し直すことが施策として挙げられます。たとえば、既存のWebサイトを多言語に対応させることで、海外にいながら日本の情報を得られるようにします。結果、Webサイトを見た外国人が興味を持ち、日本を訪れることが期待できます。

インバウンド業界の将来性

インバウンド業界は、外国人観光客の需要が高まることに比例して、将来性も期待できる業界です。しかし、新型コロナウイルスの影響で、インバウンド業界は大きな痛手を受けました。外国人観光客の受け入れを慎重に見合わせていた日本のインバウンド業界においては、よりその影響が顕著に表れています。
ただし、昨今では訪日観光客も少しずつ増えてきていています。インバウンド業界は、訪日外国人を受け入れる体制が整いつつある日本において、今後の活性化が期待できるといえるでしょう。

インバウンド業界に転職するための知識

ここまで解説した内容から、インバウンド業界への転職を検討しようと思う方もいるのではないでしょうか。ここでは、インバウンド業界に転職するうえで把握しておきたい知識をまとめて紹介します。

インバウンド業界で代表的な仕事

インバウンド業界の代表的な仕事としては、主に以下が挙げられます。

  • 航空会社
  • 旅行代理店
  • 宿泊業
  • 観光客向けの飲食店・小売店
  • 翻訳
  • ツアー運営会社

ほかにも、インバウンドを対象としたマーケティングやコンテンツ作成に関わる仕事、サービス開発やエンジニアなども挙げられます。訪日外国人を対象としたビジネスを展開している企業・仕事は、インバウンド業界に該当します。

インバウンド業界のやりがい

海外の文化に触れ、外国人の方たちのニーズに応えるサービスや商品を提供していくことが、インバウンド業界最大のやりがいです。訪日外国人は日本に滞在しているとはいえ、分類としては海外の顧客です。そのため、いかに海外の文化やトレンドに響く商材・サービスを考えられるかが重要視されます。
例えば、日本の調理器具では「圧倒的に作れる量が足りない」という理由で、海外の顧客は魅力を感じません。したがってインバウンド業界では、日本人向けの商材を訪日外国人にどう売るかではなく、訪日外国人が魅力を感じる商材は何かを考えることが重要です。
国内のビジネスを超えた視点で、既存ビジネスの新たな可能性を見出すことにやりがいを感じてみたいという方は、インバウンド業界への転職がおすすめです。

求められるスキル・資格

インバウンド業界は外国人を対象とするため、ある程度の語学力を身につけることは必須条件です。TOEICの点数や一定のビジネスレベルに達している語学力があると証明できれば、転職に役立ちます。
語学力を活かしながら、外国人に向けた接客を展開できるスキルも重要です。また、異文化への理解も求められるでしょう。特別な資格を保有していなくても働ける業界ではあるものの、観光英語検定や旅程地理検定、通訳案内士などの資格をとっておくと有利に転職できます。

未経験からの転職は可能?

特別な資格がなくても働けるため、業界での経験自体はなくても転職できます。しかし、ある程度の語学力はどうしても必要です。海外の文化に関する知識が全くない状態では、転職は難しいかもしれません。未経験でインバウンド業界に転職したい場合は、自身の現状を理解したうえで転職エージェントなどに相談してみましょう。

まとめ

今回は、訪日外国人を対象としたビジネスを展開するインバウンド業界について、インバウンドの概念とあわせて紹介しました。
外国人観光客の需要がある日本において、インバウンド業界は今後も大きな経済の柱となる業界です。新型コロナウイルスの規制緩和の兆しが見えてきている昨今、インバウンド業界は改めて注目したい業界といえるでしょう。
今回は、インバウンド業界へ転職するために必要な知識も紹介しました。訪日外国人を対象としたビジネスに触れてみたいと考えている方は、本記事の内容を参考に転職を検討してみてはいかがでしょうか。

監修者・齊藤 穂奈美

齊藤 穂奈美

株式会社日本アクセスで原料の調達・営業を担当→株式会社ファミリーマートへ出向し中食部門の商品担当として従事→出産を機に会社を退職。WEBクリエイターとして独立し、経営者の集客・広報全般をサポート。 現在はIzulで両面コンサルタントと広報を担当。プライベートでは2人の子を育てる母。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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