導入あらゆる情報やコンテンツをWeb経由で入手できる時代になりました。私生活において当たり前の存在になっているWebを、仕事にしたいと考える人もいるのではないでしょうか。
今回はWeb業界へ転職したい人向けに、業界の特徴やサービス分類、混在しやすいIT業界との違いについて解説します。主な仕事内容や職種、転職に関連する基礎知識もまとめているので、今後のキャリアビジョン形成にお役立てください。
Web業界とは
ここではWeb業界の特徴やサービス分類、IT業界の違いに触れています。Web業界に転職するうえでは、業界の基礎知識を得ておくことが必須です。どのような業界なのか、最低限把握するうえでの参考情報にしてください。
業界としての特徴
Web業界とは、WebサイトやWebサービスにおける制作事業を担う業界のことです。1990年代後半に起きた「IT革命」以降一般化した業界で、意外にも20年ほどの歴史しかありません。しかし、今やWebなしでは充実した生活は送れないといっても過言ではない時代となり、社会にとって不可欠な存在となりました。
Web上では、情報通信技術である「インターネット」と組み合わせることで、日々の生活やビジネスに役立つさまざまなコンテンツが提供されています。あらゆる視点における「必須項目」となったWebを取り扱うのが、今回紹介するWeb業界です。
主なWebサービス分類
Web業界の主なサービス分類は、以下のとおりです。実際にWeb業界へ転職する際は、転職先企業がどのようなサービスを取り扱っているか把握したうえで臨む必要があります。
サービス分類 | 概要 |
ポータル | インターネット利用時の「入口」検索エンジン・リンク集などが掲載されているサイトのことインターネット上の情報を集約・選別できるGoogle・Yahoo ! など |
キュレーション | 情報を選別・収集するサービス主にニュースサービスを指す収益化可能である |
Web広告 | インターネット上に表示される広告SNS・動画・リスティング・アフィリエイト・ディスプレイ・リターゲティングなど種類はさまざま |
eコマース | EC(Electric Commerce)インターネット上で商品を購入できるサービス通信販売とも呼ばれるAmazon・楽天など |
eラーニング | インターネットを経由して学習するサービス通信教育とも呼ばれる |
SNS | インターネット経由で登録者同士がコミュニケーションを取れるサービス情報のシェアも可能Twitter・facebook・LINE・Instagramなど |
ソーシャルゲーム | パソコン・スマートフォンでプレイするゲーム不特定多数の人と交流可能ブラウザ・アプリでのプレイが可能 |
電子書籍 | 電子化された書籍を購読するサービス電子書籍専用のタブレット端末も流通している |
IT業界との違い
Web業界は、IT業界の中にある業界のひとつです。ITは「Information Technology」の略称で「情報共有」を意味します。ITを通じ、サービスを提供する企業のことを広義で分類するために「IT業界」という単語が使用されます。Web業界は「通信インフラ業界」「ソフトウェア・ハードウェア業界」「情報処理業界」と同様、IT業界に分類される業界のひとつだと覚えておきましょう。
Web業界の仕事内容
Web業界で行う主な仕事内容は、以下のとおりです。
- Webサイト制作・運営
- Webサービス制作・運営
- Webデザイン
- コーディング
- システム開発・保守
- アプリケーション開発
- インターネットメディア運営
Webブラウザを使用し、さまざまな制作・サービスに関わるのがWeb業界の仕事です。また、クライアントとの打ち合わせや商談など、営業活動に近い仕事を担うこともあります。
Web業界の職種
ここではWeb業界の代表的な以下の職種5つと、その他に分類される職種を紹介します。自分が転職したい職種を決めるうえでの参考にしてください。
- Webディレクター:Web制作のおけるプロジェクトのまとめ役
- Webデザイナー:Webサイト・アプリのデザインや制作担当者
- Webマーケター:Webを通じた販促活動・集客・ブランド認知向上を担う役
- Webエンジニア:Webサービスの開発・保守担当者
- Webプランナー:Web制作に関する企画・設計者
Webディレクター
Web制作において発足した、プロジェクトをまとめる役割です。メンバー確保やスケジュール管理、成果物の品質管理などさまざまな業務を担当します。Webディレクターの経験を積み重ねれば、Webプロデューサーの職に就くことも可能です。
Webデザイナー
WebサイトやWebアプリケーションの制作を担当する仕事です。主に、サイトやアプリのレイアウト・配色を担当します。最近はノーコードでサイトやアプリを制作できるツールも増えているため、業務範囲が広くなりやすい職種です。
Webマーケター
Webサービスにおける販促活動や集客、ブランド認知向上につながるマーケティングを担う職種です。SEO最適化や広告運用など、クライアントの意向や特性に応じた施策で利益の最大化を目指します。
Webエンジニア
Webサービス関連のシステムを、開発・保守するのがWebエンジニアの仕事です。「フロントエンジニア」、「バックエンドエンジニア」、「インフラエンジニア」の3つに分類され、それぞれ業務内容や適性が異なります。
Webプランナー
Web制作における企画・設計を担当するのがWebプランナーです。全体の方向性を定める役割を担うため、責任の大きいポジションといえます。WebディレクターとWebデザイナーの中間に位置し、プロジェクト全体を管理するのがWebプランナーの仕事です。
その他の職種
Web業界には他にも、以下に挙げるさまざまな職種があります。
- Webプロデューサー
- アートディレクター
- UI/UXデザイナー
- 営業職
自身の進みたいキャリアや得意な領域に応じて、最適な職種を選択したうえで転職活動を進めましょう。
Web業界への転職に向けて
Web業界へ転職するうえで、平均年収や将来性、適性やネガティブな意見も把握しておく必要があります。ここでは、Web業界への転職活動を進める際に知っておきたい情報をまとめています。
平均年収・将来性
Web業界の平均年収は、職種によって異なります。主な職種の平均年収は以下のとおりです。
- Webディレクター:450万円
- Webデザイナー:361万円
- Webマーケター:511万円
- Webエンジニア:555万円
- Webプランナー:450万円
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、Web業界の仕事は増加傾向にあります。IT企業以外の企業も、インターネットを利用して顧客獲得・拡大を検討しているためです。コロナが終息しても、Webを活用したサービスの需要は高まり続けると予想できます。そのため、Web業界は将来性が期待できる業界といえるでしょう。
向いている人の特徴
Web業界での仕事はチームメンバーや別職種の人と関わることが多いため、コミュニケーション能力が必要です。常に新しい情報を仕入れられる人がWeb業界に向いています。他にも、Photoshop・Illustratorといったソフトを活用できるスキルがあり、Web関連の資格を取得しているとWeb業界への転職が有利になります。
「やめとけ」という意見もある?
Web業界について検索していると「やめとけ」という意見も出てきます。これは、以下の理由によるものと考えられます。
- 人手不足により残業・休日出勤が発生しやすい
- 下請け会社や孫請け会社だと給与が安い
- クライアントの意向に振り回されやすい
上記の理由はWeb業界に限らず、あらゆる業界でも起こりうることです。転職活動を進める際に企業研究などをしっかり行えば、防止できる可能性もあります。また、自身のスキルを磨くことで残業や休日出勤を回避できることもあるため、自己分析と研鑽を徹底して行ったうえで最適な企業へと転職しましょう。
まとめ
今回はWeb業界への転職を検討する人に向けて、業界の特徴や主なサービス、職種について紹介しました。平均年収や将来性、適性にも触れているので、ぜひ参考にしてください。日々の生活やビジネスにおいて、必要不可欠の存在となったWeb。本記事が、Web業界を目指すうえでのきっかけになれば幸いです。