ニューノーマルとは?新しい時代の働き方や注目度が高まる業界について解説

2022年11月3日

2024年4月26日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

2020年に新型コロナウイルス感染症が世界中に広がり、ニューノーマル時代が到来しました。ニューノーマル時代の到来は、これまでの働き方や常識を根底から変えてしまうもので、オンライン上で完結する商談やサービスが多く登場する特徴を持っています。この記事では、ニューノーマルの概要や新しい働き方に見られる特徴、今後注目度が高まる業界について解説します。

ニューノーマルとは

ニューノーマルとは、社会に大きな変化が起こり以前とは変わった状態・常識が定着することを指す言葉です。「新しい常態」「新常態」とも呼ばれます。新しい常態というと最近ではコロナウイルスの影響が思い浮かびますが、コロナ禍の以前にもニューノーマルはありました。
ニューノーマルが初めて登場したのは、世界中にインターネットが普及してテックカンパニーが台頭し始めた2000年代初頭のことで、投資家のロジャー・マクナミー氏により提唱されました。ネット社会が到来したことによりこれまでのビジネスモデルや経済論理が通用しなくなるという考えでした。
第二のニューノーマルは2008年に起こったリーマンショック後といわれています。エコノミストであるモハメド・エラリアン氏が著書内で、経済が深刻な金融危機から回復したとしても根本的な課題解決に至らない限りは元の社会には戻らないと論じたのです。実際に人々の意識は大きく変わり、従来の資本主義社会から持続可能な社会への変革が進みました。

ニューノーマル時代の働き方

コロナウイルス感染拡大の影響により、世界規模でニューノーマルな働き方が増えてきました。代表的なものにテレワーク環境の推進や、オンライン中心のコミュニケーション、業務のDX化などがあります。それぞれの中身を見ていきましょう。

テレワーク環境の推進

直近のニューノーマル時代の働き方の代表として、テレワーク環境の推進があります。従来のように従業員が1ヵ所に集まって仕事をすると、コロナウイルス感染者が出た場合にクラスターが起こる可能性が高くなります。また、通勤・退勤時における公共交通機関の混雑なども懸念され、政府も積極的にテレワーク化を推進しています。
IT・Web技術の発達により、オンライン会議システムやチャットツールなど、非対面でも情報共有・コミュニケーションを行うことができるツールが多数登場しています。業務によってはどこにいてもオフィスと同様の環境で仕事ができるため、今後も多くの企業でテレワークが推奨されていくでしょう。

オンライン中心の商談

社内ミーティングや顧客との商談など、これまで対面で行っていた仕事をオンラインに移行したこともニューノーマル時代の特徴です。企業の営業活動はオンラインで行う方法が徐々に主流になり、受付や店舗での接客などもオンラインやチャットボットによる対応が増加しています。
ソーシャルディスタンスを保つ感染防止施策によって起こった変化ですが、2022年時点では一般常識化しつつある事例です。場合によっては出社せずに自宅から商談を行うことも可能なので、移動にかかる時間を大幅に短縮できます。

加速するDX化

「DX(デジタルトランスフォーメーション」とは、デジタル技術を浸透させて人々の生活をより良いものに変え、既存の価値観や枠組みを変える革新的なイノベーションをもたらす考え方です。IT技術とデータを活用したサービスは多くの企業が推進しており、営業ツールやデータ管理システムなど、わたしたちの働き方にも強い影響を与えています。Amazon・Uber・Netflixなど、業務やサービスのDX化によって大きく業績を伸ばす世界的企業の数も増えています。IT企業の競争により、今後国内においてもDX化はさらに進んでいくことでしょう。

ニューノーマル時代に必要なスキル

ニューノーマル時代の働き方は、これまで以上にさまざまな知識やスキルが必要とされます。必要なスキルは業種によってさまざまですが、本項目では「自己管理能力」「オンラインコミュニケーション能力」「ITリテラシー」の3つに絞って紹介します。

自己管理能力

オフィス以外の場所で働くことが多くなるニューノーマル時代の働き方では、上司・同僚・部下など周りからの視線やプレッシャーを受けることがありません。そのため、自己管理がしっかりできていないと生産性の高い仕事をすることは難しいでしょう。
パフォーマンスを最大化させるため、目標管理やタスク管理をはじめ、時間、行動、モチベ-ション、感情など、さまざまな自己管理の精度を高めることが求められます。自己管理能力は「セルフマネジメントスキル」とも呼ばれ、前述したテレワークでは特に重要な要素になります。

オンラインコミュニケーション能力

オンラインでの商談やミーティングが増えたことで、対面とは違うコミュニケーション能力が必要になりました。現在のオンラインコミュニケーションでは、パソコンやスマートフォンなどのデバイスを介して資料を共有しながら行う場合がほとんどです。
また、これまでは直接対話によって効果を発揮するボディランゲージや、言葉の温度感などが伝わりやすかった反面、オンラインでは伝わりにくくなります。そのため、わかりやすい資料の作成能力や、誤解を生まない適切な言葉選びなどがより重要視される傾向にあります。

ITリテラシー

ITリテラシーとは、ネットワークやセキュリティなどITに関連する知識を習得し、操作する能力のことです。オンライン業務を便利にするサービス・ツールを使いこなすためには、最低限のITリテラシーが必要になります。企業への普及が進むほど求められる基礎知識のレベルも上がっていくため、いつまでも新しい技術やサービスを拒絶しているようでは、ニューノーマル時代の業務に対応できなくなるでしょう。
特にオフィス以外の場所で働く機会が増えるテレワーク環境下では、プライバシー保護や情報のセキュリティ対策は従来よりも厳しく管理する必要があり、一定のITリテラシーが求められます。

ニューノーマルがもたらす変化とは?

ニューノーマル時代の到来によって、企業活動やライフスタイルなどにさまざまな変化がありました。従来と比較して今後どのような変化が起こる可能性があるのか、それぞれのシーンごとに見ていきましょう。

企業活動

ニューノーマル時代の働き方は、従来の企業活動の在り方を大きく変えました。これまでは従業員が出社して同じ場所・同じ時間で働くことが一般的でしたが、テレワークの推進によって場所に関係なく働ける環境が整いました。それに伴い、タスクの可視化や評価制度、在宅ワーカーのメンタルヘルスケアなど、企業がとるべき新しい施策や制度も必要になっています。
また、実施すべき施策は売上活動だけではなく、採用活動なども範囲に含まれます。ニューノーマル時代では求職者からテレワークやフレックスタイム制の導入を求める声が多く、企業は優秀な人材を確保するために労働環境の整備が必要になっています。

社会情勢

コロナウイルスの影響により、企業間の競争や、雇用・働き方、個人のキャリアパスなど、社会情勢も大きく変化しました。観光業界や航空業界、宿泊・飲食業界などへの影響は特に大きく、他業界に転職をして新たなキャリアパスを歩み始めた人がいる一方、IT・Web業界などは大きく業績を伸ばしました。
雇用に関しては、経済の縮小に伴い非正規雇用の雇止めが加速し、生活面に支障が出る人が増えています。こういった状況のなかで注目されはじめたのが「副業」「複業」です。1社に勤めているだけでは収入が安定しないリスクが浮き彫りになり、政府も企業に対して副業を解禁するよう呼びかけを行うなど、第二の収入源を持つことを推奨しています。
終身雇用が崩壊している現代では転職によるキャリアチェンジやダブルワークが当たり前になっており、個人が複数の仕事を行う流れは、今後より強くなっていくでしょう。

ライフスタイル

テレワークを実施する企業が増えた影響で家にいる時間が長くなり、家族と過ごす時間が多くなったことも大きな変化のひとつです。家事・育児との両立や、プライベートな時間との切り分けなど、オフィスワークとは異なる自己管理能力が求められるようになりました。また、家族と過ごす時間が増えることは喜ばしい側面がある一方で、在宅勤務によるストレスやコミュニケーションの低下など、ネガティブな要素も存在します。
コロナ禍による巣ごもり需要の増加で、今後はデリバリーサービスやゲーム機などの消費が加速していく傾向も表れています。テレワークの普及によって地方に居住地を移すケースや、仕事と休暇を組み合わせたワーケーションと呼ばれる働き方に注目が集まっていることも、ライフスタイルの変化として挙げられるでしょう。

ニューノーマルで注目されている業界

コロナ禍によって訪れたニューノーマル時代では、IT・Web業界が特に高い注目を集めています。ここからは、今後業績を伸ばす可能性が高い業界やサービスについて解説していきます。

ECサイト

インターネットの普及により、EC市場は2010年以降から拡大の一途を辿っています。ニューノーマル時代では非接触による物流・売買の流れが一般化したため、今後も規模が拡大していく傾向は変わらないでしょう。
EC業界の国内大手3社(Yahoo!・楽天・Amazon)を中心に、近年もさまざまな企業が自社サイトを立ち上げてEC市場に参画しています。コロナ禍においては、営業ができない飲食店や小売店のEC化も進んでおり、教育業界・宿泊業界からもオンライン化、EC化を推進する企業が増えています。

ビジネス系SaaSサービス

SaaSとはソフトウェア・アズ・ア・サービスの略語で、「サーズ」または「サース」と呼ばれています。SaaSはインターネット環境があればどこからでもアクセスできる特徴があり、アカウントごとにデータが管理されています。
オフィス・外出先・自宅と異なるデバイス環境でも利用できるため、テレワーク中心の働き方に親和性が高く、現代に大きな影響を与えています。SaaSサービスは「買い切り型」ではなく「サブスクリプション型」による利用形態が多く、一般ユーザーが使いやすいこともサービスが普及している要因のひとつです。

動画配信サービス

動画配信サービスは、コロナ禍の巣ごもり需要によって大きな注目を集めた業界・サービスのひとつです。世界では、「Netflix」に代表される有料の動画配信サービスの加入者が大幅に増加し、国内では「TVer」によるTV番組の見逃し配信が人気を集めています。今後も動画配信サービスの需要は拡大していくと見られ、個々にパーソナライズされた動画を、好きなときに楽しむ視聴スタイルが定着していくと予想されています。

オンライン決済システム

ECサイトや動画配信サービスなどの需要増加に合わせて、オンライン決済システムも大きな注目を集めています。テレビCMやインターネット広告でも頻繁に宣伝されており、オンライン決済システムを利用する層は年々増加しています。
コンビニなどの実店舗でも使える場所が増えているため、今後も需要の拡大が見込まれるでしょう。また、オンライン決済システムは決済方法が簡単なことに加えて、ポイント還元率が高いことも多くの人から利用されている理由のひとつです。

まとめ

この記事では、ニューノーマル時代の特徴や働き方の変化、注目度が高まる業界について解説しました。近年ではコロナ禍以前の働き方と、コロナ禍以降の働き方の違いに大きな変化が表れています。テレワーク中心の働き方による変化は、企業にとっても従業員にとっても大きなインパクトを与えています。ニューノーマル時代の働き方の特徴を押さえて、時代に取り残されないような立ち回りを意識して行動してみましょう。

監修者・安藤 優也

安藤 優也

大学院まで英語教育を学び、公益財団法人 日本英語検定協会に入社。
教育委員会・大学へのセールス、アメリカでの教員研修、公開試験実施の企画運営等に従事。

その後株式会社リクルートに入社し、営業経験者へのキャリアアドバイザーとして複数回の表彰もいただきました。
チームリーダー・育成者としての実績が認められ、キャリアアドバイザー育成を行う部署に異動。全社のキャリアアドバイザー向けの研修企画や研修講師を経験しました。

大手人材会社でのサービスを経験したからこそのもどかしさや限界を感じ、現在はIzulでコンサルタントを行っています。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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