属人化とは?発生の原因・リスク・対策方法を紹介

2022年9月26日

2024年3月7日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

業務に関する情報について、特定の担当者しか把握できていない状態を属人化といいます。日々の業務進行において、属人化が課題になっている企業も多いのではないでしょうか。今回は属人化とは何か?発生の原因やリスク、対策について詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。

属人化とは

属人化とは、業務の進め方が担当者以外に共有されていない状態のことです。一定の仕事に特化した従業員を育成できる反面、担当者不在時の対応に困る恐れがあります。属人化することで、担当者の休暇・退職・異動時に業務進行が滞ります。また、特定の業務に関する負荷が偏ることも懸念されます。

属人化の対義語・類義語

属人化の対義語には、マニュアル化を意味する「標準化」があります。業務の標準化を進めることで、業務効率やクオリティが安定するでしょう。業務を標準化すればノウハウを蓄積できるため、属人化の解消につながります。また、テレワークが原因の業務のブラックボックス化や、働き方改革による人材の流動化対策としても有効です。
属人化について把握するためには、類義語とされる「属人的」についても覚えておく必要があります。「属人的」は、属人化と異なり「業務」ではなく「人」が基準であることが特徴です。属人化は、担当者がいないと滞ってしまう業務のことを指します。対して属人的は、特定の人にしかできない業務(顧客対応など)を表す言葉です。
属人化について理解し、対策を取るうえでは、対義語と類義語の意味も含めて理解しておく必要があるでしょう。

属人化が起こる理由

属人化は、意図していなくても発生するリスクがあります。ここでは、属人化の主な原因を3つ紹介します。

専門的な業務の適任者が不足している

専門スキルや知識が必要不可欠な業務は、属人化しやすい傾向にあります。エンジニアやプログラマーなど、一定の従業員にしかできない業務がある企業は、属人化に注意しなければなりません。また、専門的な業務を担う後継者の育成を怠ることで、属人化が加速する可能性もあります。現時点で属人化しているのであれば、適切な育成を通じた標準化を目指しましょう。

個人成果主義を重視しすぎている

業務評価に個人成果が反映されやすくなった昨今のビジネスシーンでは、属人化が発生しやすいといえます。個人の成果を重視しすぎると、スキルを共有する風土が形成されません。年功序列制度などの従来の働き方から脱却するために、個人成果主義は非常に重要です。しかし、個人成果主義の浸透にばかり目を向けて、属人化を防げないのでは意味がありません。

情報共有が行き届いていない

属人化されている業務は、ある程度の情報共有が必要不可欠です。情報共有を怠ってしまうと、担当者の不在時に業務進行が滞ってしまいます。不在時にどのような対応をすべきかをすり合わせることはもちろん、退職や異動を想定した情報共有を実施しましょう。

属人化によるリスク

属人化には、企業全体におけるさまざまなリスクが懸念されます。主な3つのリスクについて解説します。

担当者が不足しやすい

属人化が当たり前になってしまうと、特定の業務をこなせる人材が偏ってしまいます。スペシャリストが増えると捉えればメリットですが、担当者がいなくなった場合のリスクは計り知れません。担当者が不測の事態で不在になった場合、属人化している業務は完全にストップしてしまいます。

業務の負担が増加

属人化をよしとしてしまうと、特定の業務に就く従業員の負担が増加します。業務負担の増加は、業務効率の低下につながるため避けなければいけません。また、担当者の不在をカバーする従業員に、余分な負担がかかることもあります。特定の業務に関する引き継ぎなどを適度に実施しておかないと、代行者への負担が大きくなってしまうでしょう。

ミスの隠蔽や発見漏れが起こりやすい

属人化された業務はミスを発見しづらく、隠蔽が起こる恐れも見逃せない観点です。属人化は、特定の業務に特化した従業員が増えることで発生します。
反対に、それ以外の従業員や経営層は、対象の業務について理解しきれていないともいえます。対象の業務に関する基礎知識をある程度身につけておかないと、ミス・隠蔽の発見が遅れて企業全体の損害につながることがあります。

属人化を防ぐべき業務

企業にとって属人化させてはいけない業務について把握しておくことも重要です。ここでは特に属人化を防ぐべき4つの業務について解説します。

説明業務

自社サービスや製品などの説明は、全従業員が実施できるようにしておきましょう。担当者ごとに説明の仕方が変わる程度であればさほど問題はありませんが、説明できる従業員が偏ってしまうのは避けてください。

顧客対応

問い合わせや来客など、顧客対応を属人化させることは企業にとってデメリットです。顧客対応が属人化してしまうと、初歩的なヒューマンエラーが発生します。また顧客対応は、情報共有の観点でも重要です。顧客に関する情報を部署全体で把握し、多くの従業員が顧客対応できる体制を作ると良いでしょう。

インシデントレスポンス

セキュリティの観点で重要なインシデントレスポンスも、属人化を避けたい重要な業務です。インシデントレスポンスが属人化してしまうと、重大な損失につながる可能性があります。従業員全体が業務に対して高いセキュリティ意識を持てる環境を構築する必要があります。マニュアル作成や研修などを実施し、業務の標準化を目指しましょう。

バックオフィス業務

バックオフィス業務には、発注業務や在庫管理、事務対応などさまざまな種類があります。種類が豊富な反面、担当者を絞ってあえて属人化している企業も多いでしょう。しかしバックオフィス業務は、担当者ごとに異なる進め方が確立されやすい側面があります。業務のマニュアル化やツールの導入などを実施し、事前に属人化を防止することが得策です。

属人化の対策方法は?

ここでは、属人化を防止するために実施すべき対策を解説します。

業務の流れを見直す

属人化しやすい業務の進め方を見直し、誰が担当しても滞りなく進められるような体制を整えましょう。専門知識を要する業務であれば、業務の簡素化や教育体制の見直しが大切です。

ツールを活用して情報を共有する

業務の引き継ぎや育成がスムーズに実施できるよう、コミュニケーションツールを導入しましょう。適度な情報共有を実施することで、属人化しやすい業務への理解度や責任感が高まるでしょう。

マニュアルを準備する

担当者ごとに業務レベルの差が出ないよう、マニュアルを用意することも大切です。業務の流れを見直す機会にもなるため、属人化防止対策として非常に有効といえます。

引き継ぎの体制を整える

担当者の不在時に業務が滞らないよう、サブ担当を配置して引き継ぎを進めておきましょう。引き継ぎの体制を整えておくことで、業務の標準化にもつながります。

属人化には良い面もある?

属人化には悪い面だけでなく、良い面もあります。例えば、特定の業務を任命されることで、モチベーションアップにつながる点がメリットです。また専門性が高まることで、一つひとつの業務効率がアップします。個人としてのスキルや経験値が身につく点も、属人化によるメリットでしょう。

まとめ

特定の業務を担当できる人材が限られることで発生する属人化。専門業務の適任者不足や個人成果主義、情報共有の不足が原因で発生します。属人化により、業務負担の増加やミスの発見遅れなどさまざまなリスクが発生します。属人化させてはいけない業務を把握したうえで、企業全体としての標準化を目指しましょう。
属人化には、モチベーションやスキルの向上につながるなど、良い面もいくつかあります。しかし、属人化を見過ごしてしまうことで、担当者の不在により業務がストップする可能性があります。
今回紹介した内容を参考に、標準化できる部分は進めていき、属人化によるリスクを減らしていくように意識しましょう。

監修者・植草 陽光

植草 陽光

日本製鉄株式会社⇒株式会社リクルート⇒株式会社Izul

1社目では製鉄所での生産管理、本社でのグローバル購買職などバックオフィス系の業務に従事。29歳で営業未経験でリクルートに入社し、地場大手会社の深耕営業を実施し入社半年で表彰を獲得。自身が転職を通じて人生を変えた経験から、Izulのビジョンに共感し、現在は同社のキャリアアドバイザー職として従事。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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