Webコンテンツにおける進捗管理や、品質向上を担うのがWebディレクターという仕事です。コロナ禍以降Web業界に身を置く方が増えている中で、Webディレクターを目指そうと考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、Webディレクターの仕事内容や必要なスキルを把握しきれておらず、悩んでいる人もいるでしょう。
今回はWebディレクターになるための方法ややりがい、適性などの観点から職種としての詳細を深掘りします。フリーランスの需要が高まっている昨今において、Webディレクターがどのような動きを見せているかもあわせて解説しているのでぜひ最後までご覧ください。
Webディレクターとは
Webディレクターとは、Webサイトやコンテンツなどにおける、進捗管理や品質管理を担う仕事です。インターネットの普及により需要の高まるWeb業界において、Webディレクターは必要不可欠な存在として注目されています。ここでは、Webディレクターの仕事内容や必要なスキル、Webプロデューサーとの違いについて解説します。
仕事内容
Webディレクターが担当する仕事には、Webサイトの設計における企画や提案が挙げられます。「自社サイトを活性化させたい」「SEO対策を施したい」など、クライアントのWebサイトに関連する要望を実現する役割として知られています。
ほかにも、サイト内で掲載するコンテンツの進捗や品質を管理することもWebディレクターの仕事です。Webディレクターを中心に、ライターやエディターなど、コンテンツに関わる人の動きを把握しつつ、自らがコンテンツ制作に関わることもあります。コンテンツの更新やブラッシュアップなど、リアルタイムのニーズに対応する業務が発生することもあるでしょう。
このようにWebディレクターは、クライアントが抱えるWebサイトに関する要望に応えることが主な仕事となっています。
求められるスキル
Webディレクターには、進行管理や製作チームへの指揮をとるディレクション能力が求められます。さらに、顧客折衝の経験や成果物のクオリティをチェックする能力、ワイヤーフレームを作成する能力があればWebディレクターとして活躍できるでしょう。ほかにも、WebマーケティングやWebデザインの知識があると、より説得力のあるディレクションができるようになります。
Webプロデューサーとの違い
WebディレクターとWebプロデューサーには、サイトへの関わり方や責任における違いがあります。サイト運営の「実務」を担う人材であるWebディレクターに対し、Webプロデューサーは方針や予算など、サイトの「計画立案」に関わる人材です。Webプロデューサーが立ち上げたサイトを、Webディレクターが回していくような流れをイメージしてください。
Webディレクターになるための方法
ここでは、Webディレクターになるための方法を、資格や経験の観点で解説します。
必要な資格・経験は?
Webディレクターになるのに必須の資格はありませんが、以下の資格を保有していると有利です。
- Web解析士
- Google Analytics Individual Qualification(GAIQ)
- Webアナリスト検定
また「求められるスキル」の項目でも触れたディレクション能力や、それらに関連する経験を身につけておけばWebディレクターになれる可能性が高くなります。
未経験からでもなれる?
Webディレクターを採用したいと考えている企業のほとんどが、経験者を求めています。ただし、明確な「Webディレクター」としての経験ではなくても、デザインやコーディング、コンテンツ制作の経験があればWebディレクターとして採用される場合があります。Webディレクターは、スキル面はもちろんクライアントや現場スタッフとスムーズにやり取りできることが大切です。そのため、こういった能力や適性があると、未経験でもWebディレクターになれる可能性はあります。
Webディレクターのやりがい
担当したサイトが上位表示されたり、クライアントから評価されることが、Webディレクターのやりがいです。仕事の成果を直接実感できることがモチベーションにつながります。また、プロジェクトメンバーをまとめ上げて成果につなげられれば、大きな達成感を味わえるでしょう。自分だけでなく、メンバーの仕事が評価に直結しやすいため、幅広い視野が身につきます。
コロナ禍において重要度のアップしたWeb業界において、専門的な知識を実践で身につけられる点もWebディレクターの魅力です。
Webディレクターに向いている人の特徴
Webディレクターの適性があるのは、以下の特徴に該当する人です。
- 問題解決能力がある
- 細かい作業・チェックが得意
- 新しい知識を得るのが好き
- 発想力がある
- 交渉・調整が得意
- マルチタスクをこなせる
- 臨機応変に対応できる
- ストレス耐性がある
一つの作業に集中しすぎてしまう職人気質の人は、Webディレクターには向いていないかもしれません。
Webディレクターの将来性
Webディレクターは、Webサイトの方向性を担う重要な仕事です。インターネットに関連した商材が多くなっている現在において、将来性が期待できる仕事といえます。
ただし、クライアントの要望にしっかり応じることができなければ、増加傾向にあるWebディレクターの中に埋もれてしまうかもしれません。クライアントと企業の仲介役として、確かな品質や成果を担保できれば、将来の不安は少なくなるでしょう。
ちなみに、正社員として働くWebディレクターの平均年収は496万円でした。月給換算だと41万円となるため、比較的高い傾向にあります。スキルや適性などが求められるものの、収入面での将来性も高い職種といえるでしょう。
フリーランスで活躍するWebディレクターも増加中
近年、フリーランスのWebディレクターとして活躍する人も増えています。ここでは、フリーランスのWebディレクターを目指すうえで押さえておきたいポイントを紹介します。
フリーランスとして独立するメリット・デメリット
フリーランスのWebディレクターとして活動するメリットとデメリットは、以下を参考にしてください。
メリット
- 高い収入を得やすい
- 働き方の自由度がアップする
- スキルアップが期待できる
デメリット
- 収入・仕事量が安定しにくい
- 確定申告などの手間がかかる
- より高いレベルの知見が必要
必要なスキル
フリーランスのWebディレクターに求められるスキルも、正社員で働く際に必要なスキルと違いはありません。Web制作における経験やマネジメントスキル、コミュニケーションスキルやコピーライティングの知識を得ておきましょう。ただし、フリーランスの場合は自分で案件を獲得することになるため、案件取得でアピールできるレベルのスキルが必要です。
案件の獲得方法
フリーランスのWebディレクターが案件を獲得する際は、以下に挙げる手法を活用するのが一般的です。
- フリーランスエージェント
- クラウドソーシング
- 直接営業
また、すでに関わりのあるクライアントから、別の案件を紹介してもらえる場合もあります。成果を上げたり、高いスキルをアピールすることで、活躍の場が広がるでしょう。
年収・案件相場
フリーランスの場合、年収の相場は600〜900万円と、正社員の場合よりも高額です。しかし、あくまで単価の高い案件を安定して確保できる経験・能力が重視されることを認識しておきましょう。
また案件相場ですが、50〜80万円、高いものだと100万円を超えるものもあります。平均年収と同様、高単価の案件を確保できる環境をいかに整えるかが重要です。
まとめ
Webディレクターは、Webサイト制作における重要なフェーズの多くを担う仕事です。能力や経験が重視されるものの、やりがいや将来性などメリットの多い仕事といえるでしょう。近年は、フリーランスのWebディレクターとして活躍する人も増えています。市場としてのニーズが高い仕事であるため、本記事を参考にWebディレクターへの転向を検討してみてはいかがでしょうか。