メガバンクとは、いわゆる「大手銀行」を表す言葉です。金融業界へ就職・転職を目指す方であれば、一度は耳にしたことがあるでしょう。メガバンクへ転職するためには、何を知っておけばいいのでしょうか。
今回は、メガバンクへの転職を検討する方に向けて、メガバンクの概要や日本の3大メガバンクの詳細について解説します。転職に関する情報や注意点も紹介しているので、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。
メガバンクとは
メガバンクとは、資金規模が大きく、大手銀行に分類される銀行のことです。日本では、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の3つが「3大メガバンク」として浸透しています。メガバンクは資金規模の大きさだけでなく、東京・大阪に本店を構え、かつ日本各地に支店を構える「都市銀行」であることが共通点です。
地方銀行との違い
メガバンクと地方銀行には、営業エリアや特色に違いがあります。全国各地はもちろん、世界にも展開するメガバンクに対し、地方銀行は各都市に本店を構え、地域に特化して営業していることが特徴です。メガバンクは東京・大阪に本店を構えていますが、地方銀行は各エリアの主要都市に本店を構えています。支店の展開エリアも、メガバンクは全国・世界で展開しているのに対し、地方銀行は都市部への展開に特化しています。
また取引対象の企業特性が異なる点も、大きな違いです。メガバンクが大手上場企業を中心に取引するのに対し、地方銀行は中小企業や地元を中心にビジネスを展開する大手企業を相手に取引します。
メガバンクが誕生した背景
日本の3大メガバンクは、バブル期に地方銀行が吸収・合併を繰り返したことで誕生しました。メガバンクが誕生して数十年、2022年には新たな動きもありました。インターネット金融の大手として知られるSBIホールディングスが、第4のメガバンク構想を掲げたのです。既存金融機関と提携し、新生銀行の株式公開などを進め、メガバンク業界の再編成に向けて取り組んでいます。
日本の3大メガバンク
ここでは、日本の3大メガバンクである三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行について解説します。
三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行は、金融グループとして国内最大の「三菱UFJファイナンシャルグループ」の中核に位置する機関です。三菱商事・三菱重工業と並んで、御三家と呼称されています。グループとしての総合力や、ネットワークを活用した海外事業展開により、海外収益率が他のメガバンクに比べて高いことが特徴です。
三井住友銀行
三井住友フィナンシャルグループの中核にあたるのが、三井住友銀行です。収益性の高さや、支店の統廃合・人員見直しによる効率性の高さが、三井住友銀行の強みといえます。海外戦略にも目を向けているため、三菱UFJ銀行と同様の海外収益率が期待できるメガバンクです。
みずほ銀行
みずほ銀行は、みずほフィナンシャルグループの中核を担う企業です。銀行・信託・証券・アセットマネジメント・リサーチ&コンサルティングを一体化した「One MIZUHO戦略」の推進で注目されています。47都道府県すべてに有人支店があるため、基盤の強さも特徴です。
メガバンクへの転職を目指す際に覚えておきたいこと
メガバンクへの転職を目指す前には、以下の点を覚えておくことが大切です。
年収の違い
3大メガバンクの年収傾向は、以下をご覧ください。
- 三菱UFJ銀行→771万円
- 三井住友銀行→826万9千円
- みずほ銀行→769万5千円
上記の年収は、各メガバンクにおける「企業全体」での年収傾向となります。
参考:三菱UFJ銀行 有価証券報告書、三井住友銀行 有価証券報告書、みずほ銀行 有価証券報告書
年収だけを見れば、三井住友銀行への転職がもっとも魅力的です。三井住友銀行は、利益率の高さや従業員ごとの売上高が高いため、年収も高額になりやすいといえます。
ただし、年収が高い分専門的な知見や結果を求められる場合が多いことも認識しておきましょう。三井住友銀行に限らず、年収の高いメガバンクに転職するには、金融業界での経験や実績があることが前提となります。
メガバンクの将来性
メガバンクは現状、超低金利環境やゼロ金利政策の影響を受け、収益構造が崩れつつあります。新型コロナウイルスの感染拡大もあり、銀行業界そのものが変革を求められています。現状は厳しいものの、DX化や店舗改革による経費削減など、さまざまな手段で改革が進められています。キャッシュレス決済の促進など、時代背景にあわせたサービスを柔軟に展開していることから、将来性のない業界ではないと判断できます。
メガバンクに勤めるメリット
メガバンクに勤めることで、先ほども触れた高い給与水準の恩恵を受けられます。年収が高くなる分自身のスキルを高める必要はあるものの、収入面での充実が実現できます。メガバンクは変革期を迎えている業界でもあるため、新事業に携われる点がメリットです。3大メガバンクそれぞれが他行との差別化ポイントを見い出し、新たなサービス展開を検討しています。
また、3大メガバンクのいずれも、既存サービスを発展させるためにコンサルティング業務にも目を向けています。より顧客のニーズや課題に沿ったサービスを展開できるようになるため、自分以外の誰かに寄り添えるやりがいを感じる仕事もできます。
メガバンクからの転職について
反対に、メガバンクから地方銀行、もしくは異業種に転職する方もいます。ここでは、メガバンクからの転職に向けて覚えておきたい情報をまとめています。
メガバンクから転職を検討する主な理由
メガバンクに在籍している方は、主に以下の理由で転職を検討します。
- ルーティンワークにやりがいを感じられない
- 年功序列・学歴社会に居心地の悪さを感じる
- 仕事が多忙でプライベートの時間が取れない
- リストラなどのネガティブイメージが強くなった
- 給料がアップしない
- 社内に競争相手が多い
大手ならではの厳しさや、ルーティン化した仕事に不満や疑問を感じて転職を検討する方がいます。
メガバンク出身者におすすめの業界
メガバンクから転職する際は、金融スキルを活かせるフィンテック業界がおすすめです。また、法人営業や経営層とのコミュニケーションスキルを発揮できる、M&A業界に進む方も多くいます。ほかにも、メガバンクの経験を活かしてベンチャー企業の営業・財務に転職したり、他のメガバンクに転職したりする人もいます。
大手銀行での経験や仕事のスキルは、多くの企業で生かせることでしょう。完全に未経験の職種よりも、経験を生かせる職種への転職の方が、新たなキャリアとして推奨されます。
転職に役立つ経験・スキル
メガバンクからの転職で有利にはたらく経験・スキルは、以下の通りです。
- 最低限のITスキル
- 金融に対する知見
- 法人営業の経験
- リスク管理能力
- ハードワークへの耐性
自身に当てはまるかどうか客観的に分析し、強みとして転職活動に活かしてください。
メガバンクから転職する際のポイント
メガバンクから転職する際は、希望する業界の傾向や現状を把握したうえで、転職者を迎え入れるニーズの高い時期を狙いましょう。また、転職をきっかけに取り組んでみたい仕事内容を明確にし、理想とするキャリアを実現できる企業か入念に調べる必要があります。ただし、情報収集に時間をかけすぎて、転職に最適な時期を逃さないよう注意してください。
メガバンクから転職する際の懸念点
メガバンクから他社に転職すると、給与が下がることが多いようです。大手ならではの充実した福利厚生の恩恵を受けにくくなるというデメリットもあるので、事前リサーチは必要不可欠です。
まとめ
今回は、日本の大手銀行を表すメガバンクについて紹介しました。メガバンクへの転職や、メガバンクからの転職に関する内容も解説しています。金融業界にはさまざまな課題があり、課題と向き合いながら変化し始めています。今回紹介した内容を参考に、メガバンクを軸とした転職活動を進めてみてはいかがでしょうか。