近年、単発で受注する仕事を中心に生計を立てる「ギグワーカー」が増加傾向にあります。さまざまな働き方が注目されている昨今、ギグワーカーについて知りたいという方も多いのではないでしょうか。
今回はギグワーカーについて、フリーランスとの違いや仕事を探す方法などを解説します。ギグワーカーとして働くメリットやデメリットなど、さまざまな疑問の解消法も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
ギグワーカーを雇用する企業向けの観点にも触れているので、採用における参考にもなるでしょう。本記事が、新しい働き方として注目されているギグワーカーについて知るきっかけになれば幸いです。
ギグワーカーとは
インターネット上のプラットフォームやアプリを通じて、単発の仕事を受注して働く人のことをギグワーカーといいます。一般的な雇用形態を結ぶ働き方とは異なり、仕事単位での契約を結ぶ働き方です。
単発での仕事を受注する働き方であるため、必然的に複数の仕事もしくは企業と契約を結ぶことになります。副業を前提にした働き方を選択する人が増えた昨今において、注目すべき働き方といえるでしょう。
フリーランスとの違い
ギグワーカーとフリーランスの違いは、仕事単位での働く期間や、業務における難易度に違いがあります。フリーランスもギグワーカーと同じく、単発で仕事を請け負うことの多い働き方です。しかしフリーランスはあくまで、特定のジャンルに特化して働くという形態でもあるため、仕事によっては長期で取り組むものもあります。ギグワーカーの仕事は短期間のものが多くを占めていることから、期間といった観点で違いがあるといえるでしょう。ギグワーカーの仕事は短いスパンかつ難易度の低い仕事が多い傾向にあります。
企業側の視点で見れば、難易度の低い単発案件はギグワーカーに、長期的かつ難易度の高い仕事をフリーランスに依頼することが一般的です。
ギグワーカーが仕事を探す方法
ギグワーカーが仕事を探す際は、インターネットサービスや専用のアプリを使うことが一般的です。例えばフリーランスであれば、紹介などを通じて仕事を獲得できます。しかしギグワーカーの場合、単発での受注となるためもともと持っていた人脈などは関係してきません。ギグワーカー専用の媒体を使用し、単発で仕事を獲得していくことが基本的な探し方です。
ギグワーカーの働き方が注目される理由
ギグワーカーが注目される理由には、近年懸念されている雇用への不安が挙げられるでしょう。新型コロナウイルスの感染拡大により業績が悪化して、安定した雇用を維持できない企業も増えてきました。自分のスキルを存分に発揮できないと生き残れないという認識が広まる昨今において、自由に仕事を選べるギグワーカーが注目されているといえます。
また、副業を解禁する企業が多くなってきたことも、ギグワーカーが注目される理由のひとつです。副業の解禁が当たり前になりつつある中で、ギグワーカー用のプラットフォームが普及していることも理由に挙げられるでしょう。
さまざまな観点で働きやすい環境が整ってきているため、ギグワーカーが増えているといえます。
ギグワーカーとして働くメリット・デメリット
ここでは、ギグワーカーという働き方を選択するうえで把握しておきたいメリットとデメリットをいくつか紹介します。
ギグワーカーのメリット
ギグワーカーは自分の受注したい仕事を選べるため、働き方が柔軟になります。自分のスキルや経験に合わせて仕事のレベルを選べることで、ストレスを感じにくい点もメリットです。
副業としてギグワーカーを選択できるため、収入のベースを上げられることもポイントです。今後フリーランスや独立などを視野に入れている場合は、確実な収入を獲得しながらスキルアップが見込めるでしょう。
また、家事や育児で思うように働けないと悩んでいる方でも、理想の仕事に取り組めることがギグワーカーのメリットです。ギグワーカーは収入面だけでなく、スケジュールやプライベートの充実なども期待できる働き方といえます。
ギグワーカーのデメリット
ギグワーカーは特定の企業に所属するわけではないため、どうしても賃金が安くなる傾向にあります。生計を立てるには、副業・兼業などの働き方が前提になるでしょう。単発で受注するという特性上、収入が安定しないのもギグワーカーのデメリットです。先ほども触れたように、やはり複数の仕事を同時にこなすことが生活レベルを保つうえでの前提になります。
また、ギグワーカーは会社と雇用契約を結ぶのではなく、あくまで個人事業主という位置づけです。業務委託契約となるため、労災保険や福利厚生はありません。自分で自分の身を守る必要があります。
ギグワーカーを活用する企業側のメリット・デメリット
ギグワーカーという働き方には、ギグワーカーを採用する企業側にもメリットとデメリットがあることを認識しておかなければなりません。企業目線でのメリットとデメリットを把握しておくことで、企業に対するアピールの手法なども変化するでしょう。また、企業の採用担当者も、同じくギグワーカーを採用するメリットとデメリットを把握しておくことが大切です。
企業側のメリット
ギグワーカーを採用する企業側のメリットは、以下の通りです。
- 幅広い人材を獲得できる
- 必要な人材に絞って採用できる
通常の雇用形態では採用できないような人材を獲得できるのが、企業側のメリットといえます。
企業側のデメリット
ギグワーカーを採用することで、企業には以下のデメリットがあることも覚えておきましょう。
- 情報漏洩の危険性がある
- 仕事のクオリティに差が出やすい
セキュリティやクオリティなど、社外の人間に依頼するうえで避けて通れないリスクがあります。
ギグワーカーの代表的な仕事例
最後に、ギグワーカーが選択しやすい仕事の例を紹介します。これからギグワーカーとして働こうと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
配達員
UberEatsなど、自分の働きたいタイミングで仕事ができる配達員は、はじめてギグワークをする方におすすめです。コロナ禍によって需要が高まっていることも相まって、これからギグワーカーとして働こうと考えている方の入門ともいえる仕事です。特別な資格が必要ない点もメリットといえます。
Webライター
クライアントから記事執筆を代行されるWebライターも、ギグワーカーにおすすめの仕事です。単発で依頼をかける企業も多く、特別な資格が不要であるためはじめやすい仕事といえます。単発案件から長期案件につながりやすいのも、Webライターのメリットです。
Webデザイナー
WebデザイナーもWebライター同様、単発案件から長期案件につながりやすいといえます。サイト全体の構築から関われれば、単発でも高額な報酬を得られるかもしれません。ただしある程度のスキルを身につけておく必要があります。
Webデザイナーとはどんな仕事?必要なスキルや将来性、適性について解説
ITエンジニア
システム開発など、社内のリソースだけで不足しやすい部分を補填するため、ギグワーカーをエンジニアとして雇用する企業が増えています。情報技術に関するノウハウを有しているのであれば、ITエンジニアを募集する企業にアプローチしてみましょう。
コンサルタント
経営などに関連するアドバイスを提供するコンサルタントの仕事も、ギグワーカーが取り組みやすい仕事といえます。社内の人間ではなく、社外の人間から客観的な意見をもらいたいという企業も多いため、需要があるといえるでしょう。
まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大や新しい働き方の注目度が高まる昨今、ギグワーカーという形態を選択する方が増えています。フリーランスや独立のきっかけとしてギグワーカーからはじめる方も多いでしょう。ギグワーカーとして働くうえでは、主なメリットとデメリットを把握し、企業目線でのポイントも理解しておくことが大切です。今回紹介した代表的な職種に関するノウハウがあるならば、ギグワーカーとして働くことを検討してみてはいかがでしょうか。