コーチングとは?導入方法や関連する資格について徹底解説

2022年8月17日

2024年1月12日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

ビジネスシーンでよく耳にする「コーチング」は、対話を通じて相手の深層心理にある答えを導き出す手法です。コーチングによって将来の方向性や目標を明確にできるため、今の職場でさらにスキルアップしたい方に高い効果を発揮します。この記事では、コーチングの概要や必要なスキル、得られる効果や注意点について詳しく解説します。

コーチングとは

コーチングとは、目標達成に必要な要素を引き出すコミュニケーション手法のひとつです。相手の話を聞きながら質問・提案を投げかけ、内面にある本質的な解答を導き出します。コーチングは相手の自発的な行動を促進するために重要で、新しい発見や視点、行動の選択肢を増やすために効果的です。目標達成に必要な行動を明確にできるので、ビジネスの現場で活用されることが多い傾向にあります。

ビジネスシーンにおけるコーチングは、主に以下の考えに基づいて行われます。

  • 人間の可能性は無限大であること
  • 課題に対する答えは相手の中に必ずあること
  • 相手が自ら答えを見つけるためのパートナーに徹すること

コーチングの概要

コーチングの歴史は、1500年代に「コーチ(coach)」という言葉が誕生した時代にまで遡ります。「馬車」を語源とするコーチは、人を送り届ける役割の馬車から派生し、“目標を達成する”という意味の言葉・考え方として浸透しました。このことからコーチングは、馬車のように「誰か」を理想の場所まで導くという意味合いで使われるようになりました。

ティーチングとは何が違う?

コーチングと混同しやすい言葉に「ティーチング」があります。コーチングとティーチングは、主に手法の観点が異なります。コーチングは、人と人との「会話」を通じ、対象となる人間から答えを導き出すことが特徴です。対してティーチングは、会話ではなく「指導」といった形で答えを導き出します。指導が前提であるティーチングは、上司・部下・指導者など、双方の上下関係が前提にあります。一方でコーチングは、会話をする双方が対等な立場で行われる点が違いです。

コーチングに必要なスキルとは

コーチングには、以下3つのスキルが必要不可欠です。

  • 傾聴
  • 質問
  • 承認

ひとつ目の「傾聴(けいちょう)」は、相手を理解するうえで最も重要かつ基本的なスキルです。相手が何を考えているかを聞き出すため、表情・姿勢・仕草などに目を向けつつ聞き役に徹します。相手がリラックスして話せるように、話に共感している態度を示すことが大切です。

ふたつ目の「質問」は、相手の特性を理解して成長を促すために必要です。質問という形を取ることで、自分からは言いづらい指摘や改善案を正確に伝えていきます。相手の課題を即座に見つけ、的確な問いを投げかけていくスキルが求められます。

最後のスキルである「承認」は、相手の話を受け入れて認める行為です。会話相手に認められることで承認欲求が満たされるため、浮かび上がった課題や目標に対して行動するためのモチベーションを得られます。コーチングの際は承認を通じて、相手が行動しやすい土台を作ってあげることが重要です。

コーチングにはどのような効果がある?

コーチングを正しく実践することで、現職のスキルアップにも役立つさまざまな効果を得られます。特に代表的な3つの効果についておさらいしましょう。

自分自身の視野が広がる

コーチングを実践したことで新しい価値観に気づき、考え方の視野が広がるケースがあります。自分一人で物事を考えていると、どうしても凝り固まった結論に落ち着きやすいものです。コーチングで得られた情報や考え方を自分自身に落とし込むことで、新しい自分を発見するきっかけになります。また、相手にコーチングをする中で、自身が気づかなかった姿勢や考え方を再認識できることもあります。

自発的な行動を促せる

コーチングには、相手の思考・行動を促す効果があります。コーチングをきっかけに将来の目標設定ができれば、そこに至るまでの道筋や行動も明確になるもの。今やるべきことがはっきりするので無駄な行動がなくなり、目標達成に向けて自発的に行動できるようになります。

モチベーションアップにつながる

コーチングは対話を通じて、自発的な行動を促します。そのため、自分自身で考えて行動しているという自覚が芽生え、モチベーションアップにつながるでしょう。例え目標が変わらなかったとしても、自分で考えて行動するのか、他人に指示されて行動するのかでは、モチベーションの質が大きく異なります。

コーチングを導入するときの注意点

目標設定が苦手な方には大きな効果を発揮するコーチングですが、実践に関してはいくつかのデメリットも存在しています。導入時に注意すべき3つのポイントを確認しましょう。

多人数の教育には不向き

コーチングは対話を前提としたコミュニケーション手法なので、多人数に対して実施することは難しいです。質問に対する感じ方が人それぞれなので、個々に合った承認を返すことが不可能なためです。一度に大勢の人を教育したい場合は、先程紹介したティーチングが適しています。

相手にもある程度のスキルや知識が求められる

コーチングはお互いの関係性が対等であることが条件です。そのため、コーチングを受ける側にもある程度の知識が求められます。お互いの経歴やスキルに差がありすぎると、適切な質問を行うことができません。コーチングについての理解が乏しい人を相手にすると、思うような効果は期待できないでしょう。

効果がすぐに出るわけではない

コーチングには明確なマニュアルや正解が存在しないため、人によっては効果を実感するのに時間がかかります。一人ひとりにじっくりと向き合って実施するのがコーチングの特徴でもあるため、短期間で成果を出す必要がある場合は、ティーチングがおすすめです。

コーチングの実践方法

コーチングは主に、以下の方法で実践されます。各ステップを順番に実施することで効果が高まるので、実際にコーチングを行う際の参考にしてみてください。

  1. コーチング環境を整えるためのセットアップ
  2. 一人ひとりの目標を明確化
  3. 目標に対する現状・問題の把握
  4. 目標と現状の差異・ギャップを明確化
  5. 目標達成に向けた行動計画を立案
  6. GROWモデルを活用して相手の意欲を向上させる
  7. コーチングの結果を振り返る

コーチングに関する資格について

コーチングには、関連する資格がいくつか存在します。コーチングを実施するうえで資格は必要ないものの、取得することでより説得力のあるコーチングができるようになります。社員育成の一環としてコーチングを継続的に行う場合は、資格取得を検討するのもよいでしょう。

おすすめの資格一覧

コーチングの資格は複数あり、それぞれの団体によって資格の名称や難易度が異なります。コーチングの資格を認定している有名な団体と、取得できる資格の一覧は以下の通りです。資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

団体名資格の種類
日本コーチ連盟コーチ資格・インストラクター資格
一般財団法人生涯学習開発財団認定コーチ・認定マスターコーチ・認定プロフェッショナルコーチ
ICF(国際コーチ連盟)マスター認定コーチ・プロフェッショナル認定コーチ

コーチング資格を取得するためには?

コーチングの資格取得は、独学では難しいといえます。そのため、通信講座やスクールなどを利用するのがおすすめです。また、それぞれの資格取得に必要な知識・経験、学習時間の目安、用意する教材など、試験内容を事前に把握し、対策を立てることが重要です。

まとめ

今回はコーチングの実践方法や得られる効果について解説しました。コーチングは対話を通じて将来の目標やキャリアパスを設定する手法であり、人材育成や個人のスキルアップなどに幅広く応用できます。転職を考えている方はもちろん、今任されている仕事でよりスキルを磨きたいという方にも効果が高いです。コーチングを有効的に活用し、理想的なキャリアプランを設定してみてください。

監修者・座間 智也

座間 智也

原宿で美容師 ⇒ リーフラス株式会社 ⇒ 株式会社スポーツフィールド
サッカー選手になる夢を断念し、美容師からキャリアをスタート、2社目では当時史上最短の入社8ヶ月でリーダー昇格、3年目の25歳で当時社員600名弱の会社で支店長として従事。その後、人材紹介会社へ転職し、入社4年で東日本エリアのマネージャーとして6拠点のマネジメントを経験。現在は個人として4つの事業運営を行いながら、Izul でキャリアアドバイザーとして従事。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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