コンサルタントの仕事内容とは?仕事の流れや業界としての特徴もあわせて紹介

2024年6月14日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

特定の分野における専門的な知識のもと、クライアントの課題を解決するのがコンサルタントの仕事です。大まかな仕事内容は把握していても、種類別の仕事内容まで把握できていない人もいるかもしれません。
コンサルタントが関わる仕事にはいくつか種類があり、それぞれで内容が異なります。今回は、コンサルタントの仕事内容を種類別に紹介します。また、実際にコンサルタントがどのような流れで仕事をするのかも解説しています。コンサルタントの転職に必要な知識にも触れているので、ぜひ参考にしてください。

コンサルタント(コンサル)とは?

コンサルタントとは、企業の抱える経営課題を特定し、解決するための戦略や業務プロセスを提案する専門家のことです。外部の知見を活用して問題解決したいと考えている企業が多いことから、コンサルタントの需要は高まり続けています。また、自社のみでは生み出せない企業価値をコンサルタントのサポートを通じて生み出したいという企業が増加しており、近年コンサルタントの役割が注目されています。

【種類別】コンサルタントの仕事内容

コンサルタントの仕事内容は、以下の種類別に異なります。自分がどの種類のコンサルタントを目指すかを決めるうえでの情報として、お役立てください。

  • IT系コンサルティングファーム
  • 戦略系コンサルティングファーム
  • 人事系コンサルティングファーム
  • 金融系コンサルティングファーム
  • シンクタンク系コンサルティングファーム
  • 国内独立系コンサルティングファーム
  • 総合系コンサルティングファーム

IT系コンサルティングファーム

ITシステムを用いてクライアントの課題を解決します。システム構築や運用指導などを並行して行う場合もあります。IT系コンサルタントの需要は近年高まっており、コンサルティングファームごとに特色が異なることも覚えておくべきです。

戦略系コンサルティングファーム

戦略系コンサルティングファームはクライアントの経営における課題の抽出や、新規事業や市場拡大のための戦略や、解決策の考案などを行います。主な業務内容には以下のものがあります。

  • 新市場参入戦略
  • 新規事業戦略
  • 新製品開発戦略
  • 人事戦略
  • マーケティング戦略
  • IT戦略
  • M&A戦略
  • 企業の中長期の成長戦略
  • グローバル市場への進出
  • 組織の再編

多くの戦略系コンサルタントは経営層と直接やりとりすることが多いのが特徴です。戦略系コンサルティングファームは、海外の企業による運営や外国資本によって成り立つ外資系コンサルティングファームが多く、労働環境が厳しい傾向にあります。一般的に成果主義で報酬が高く、収入面を重視する人に向いています。戦略系コンサルティングファームは、顧客となる企業に納得してもらえる提案をするため、高い論理的思考力とコミュニケーション能力が必要とされます。

人事系コンサルティングファーム

人事系コンサルティングファームは、人材開発戦略の策定や能力開発、制度改革などを担当します。従業員の育成に関する課題を解決する場合もあります。企業における変革期に、人事全般業務を請け負う傾向にあるのが特徴です。主な業務内容には以下のものがあります。

  • 組織の効率化
  • 経営者の報酬制度の設計、調査
  • 給与制度や評価制度の改革
  • 人材開発戦略策定
  • 人材能力開発
  • 確定拠出年金の導入
  • 退職給付制度の改革
  • 社員のモチベーション向上

金融系コンサルティングファーム

金融系コンサルティングファームは、クライアントの資金調達・事業戦略の提案などを行います。会計・法務に関する専門知識や、国際情勢・金融情勢に意識を向けることも必要となります。クライアント企業の資金に関する施策を円滑に進める役割を持つのが特徴です。主な業務内容には以下のものがあります。

  • 金融業界特有の経営課題
  • M&A支援
  • 企業再生支援
  • リスク管理
  • 内部統制
  • ITを活用した高度化支援サービス

シンクタンク系コンサルティングファーム

シンクタンク系コンサルティングファームは、経済調査やITコンサルタント、マネジメントコンサルタントなどを行います。大手企業や金融機関が母体であることがほとんどで、クライアント企業に関わる調査案件を多く取り扱うため、信用度や責任感が重視されます。主な業務内容には以下のものがあります。

  • 特定テーマに関する調査、研究、分析
  • 調査結果に関するレポート作成
  • 調査結果に基づく提案

国内独立系コンサルティングファーム

大手企業を対象とするのが「外資系コンサルティングファーム」であるのに対し、中小企業を対象とするのが国内独立系コンサルティングファームです。クライアント先へ定期的に伺い、経営に関する相談を受けます。一般的に、業務プロセスの改善など、現場レベルの課題解決が多いのが特徴です。他にも、中小企業経営者の顧問や中小企業の経営陣を対象とする講演会などをするコンサルティングファームもあります。

総合系コンサルティングファーム

企業のトップ層から一般従業員までの階層すべてに関わるコンサルティングファームです。階層別の課題抽出や戦略策定、支援を行います。企業におけるすべての役職と関わるため、幅広い知識や対応力が求められます。主な業務内容には以下のものがあります。

  • 企業全体の課題の戦略立案
  • システム構築、運用の提案

コンサルタントの役職別の仕事内容

コンサルタントの役職は、一般的に4つに分けられます。ここではそれぞれの仕事内容について紹介します。

アナリスト

  • ミーティングの議事録作成
  • クライアントや社内メンバーのスケジュール調整
  • 事例などのリサーチや情報収集
  • 一部資料の作成

コンサルタントとしてのキャリアのスタートラインにあるポジションで、新卒や若手の方が採用されます。

コンサルタント

コンサルタントは、アナリストから昇進した職位です。シニアアナリストやシニアアソシエイトとも呼ばれます。主な仕事内容は、コンサルティングプロジェクトにおける実作業や、クライアントの対応です。

  • クライアントからの問い合わせに対応
  • 資料やワークショップ資料の作成
  • クライアントとのミーティング
  • 社員へのインタビューのファシリテーション

他にもアナリストへの業務指示や、マネジメント業務を行う場合もあります。

マネージャー

マネージャーは、プロジェクト全体を管理する職位です。プロジェクトマネージャーやマネージコンサルタントとも呼ばれます。主な仕事内容は以下のものがあります。

  • プロジェクトの全体管理・進捗管理
  • プロジェクトの採算性の確保
  • ワークショップやプレゼンテーションのスピーカー
  • クライアント企業の開拓
  • 新しいソリューションの開発

パートナー・プリンシパル

パートナー・プリンシパルは、コンサルティングファームにおける共同経営者や役員にあたる職位です。プロジェクト運営の最終的な責任者であり、ディレクターやヴァイスプレジデントとも呼ばれます。主な仕事内容は以下のものがあります。

  • クライアント企業の経営層との定期的会合
  • クライアント企業との信頼関係構築
  • 新規依頼の確保
  • 追加契約の受注
  • 知財の開発
  • 人材育成

コンサルタントの仕事の流れ

コンサルタントの仕事は、取り掛かるプロジェクトの期間によって流れが異なります。クライアントの事業内容や課題によって異なる場合もあるため、一概にマニュアル化した「流れ」はないのが現状です。
ここでは、取り掛かるプロジェクトの期間が6ヵ月であることを想定し、1〜6ヵ月目までで何をすべきか解説します。

1ヵ月目:ヒアリング
クライアントに提案する企画書を作成するため、経営に関する課題をヒアリング

2ヵ月目:企画書作成
コンサルティングの目的・内容・進め方を記載したうえで作成・提案

3ヵ月目:詳細のヒアリング・資料調査
経営幹部・関係部門の担当者から詳細なヒアリング、経営計画書などの資料調査を実施

4〜6ヵ月目:経営協力活動
コンサルティングの目的に合わせた経営協力の展開

6ヵ月目:フォローアップ
経営協力活動の展開結果に関する定着化・運用管理への助言を実施

上記の流れを「コンサルタントの仕事の流れ」を把握するうえでのベースにしてください。

2024年以降のコンサル業界の動向はどうなる?

世界規模でのコンサル業界の市場規模が10〜20兆円と推定されるのに対し、日本での市場規模は1.8兆円(2022年段階)であることから、国内での活用度は高くありませんでした。しかし、前年度と比較すると16.0%増となっており、今後さらに需要が高まっていくと期待されています。市場拡大の理由は2つ考えられます。一つ目はDXを伴う業務改善のニーズが加速したこと、二つ目はアメリカのインフレなどで外資系ファームが失速したことにより日系ファームの需要が拡大したことです。これまでの外資系ファームによる単価上昇に歯止めがかかり、DX経営を迫られている中堅企業からの需要増加が目立っています。2024年以降の転職市場としては、即戦力としての中堅層の需要が拡大しており、マネージャー層の不足を補うための積極採用が見込まれます。

コンサルタントを目指すのに必要な知識

ここでは、実際にコンサルタントを目指すうえで押さえておきたい知識をまとめています。コンサルタントへの転職を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

適性

コンサルタントに向いている人の特徴は、以下の通りです。

  • 論理的思考力がある
  • 時間・労力の適切な配分ができる
  • 業務の変化に対応できる(ルーティンワークをメインとしたい人は不向き)
  • コミュニケーションスキルに自信がある
  • 休日・業務外の時間で勉強することに抵抗がない

コンサルタントを目指すうえでは、ここで紹介した適性が自分に当てはまるかを分析しましょう。

年収

コンサルタントの年収は、役職によって変化します。以下は一般的な年収の参考数値です。

役職年収目安賞与
アナリスト500〜800万円固定給の20%
コンサルタント700〜1300万円固定給の20%
マネージャー900〜2000万円固定給の30%
プリンシパル1300〜2500万円固定給の30%

非常に高水準であるため、収入面でのモチベーションは高い位置でキープできる仕事といえるでしょう。外資系ファームは日系ファームよりも年収が高くなる傾向にあります。中でも戦略系コンサルティングファームの年収が高く、業務の種類によって年収が異なります。

キャリアパス

コンサルタントのキャリアパスは、同じファーム内でアナリストから徐々にキャリアを重ね、プリンシパルを経て最終的にパートナーを目指すのが一般的です。

役職年齢コンサル経験
アナリスト22~28歳0~3年
コンサルタント25~35歳0~6年
マネージャー28~40歳2~10年
プリンシパル32~45歳5~15年

また、他のコンサルティングファームに転職してスキルや経験を発揮するキャリアや、外資系企業やベンチャー企業への転職も選択肢としてあげられます。豊富な経験と実績を積めば、コンサルタントとして独立する道もあるでしょう。

やりがい・厳しさ

コンサルタントを目指す際は、以下に挙げるやりがいと厳しさを把握しておくことが大切です。やりがいと厳しさを秤にかけ、本当にコンサルタントとして活躍したいか客観視したうえで目指しましょう。

やりがい厳しさ
・企業の経営課題を解決する達成感を味わえる
・多種多様な業種・規模感の企業に関われる
・経営層と直接仕事ができる
・専門的な知見・実績が身につく
・業務量が多く、多忙な時期も長い
・経営層と関わることの緊張感がある
・経営課題を解決しなければならないというプレッシャーがある

未経験からコンサルタントを目指すには?

未経験からコンサルタントを目指す場合、コンサルティングファームへの転職が一般的です。未経験者の中途採用では、コンサルタントとして必要な論理的思考力とコミュニケーション能力があるかで評価されます。ただし、多彩な知見とビジネススキルが求められるため、さまざまな職種を経験した中途採用での転職が有利です。未経験での転職成功者の多くは、大手企業やベンチャー企業、経営企画や営業経験者です。マネジメント経験や大規模プロジェクトの経験などが評価され、採用されるケースも少なくありません。そのため、早めにマネージャーや営業の経験を積み、コンサルティングファームへ転職までのキャリアプランを立てましょう。

まとめ

今回は、コンサルタントの仕事内容について紹介しました。コンサルタントの仕事は種類別に異なるため、自身が目指す領域に応じて身につけるべき知識・経験が異なります。また、仕事の流れやコンサルタントの重要性、業界としての動向を把握することも、コンサルタントとして働くうえで大切です。今回は、コンサルタントの転職にまつわる情報もまとめています。コンサルタントとして働きたいと考えている方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。

監修者・西本 威昭

西本 威昭

・国内大手SIerに新卒入社
 SEやPMとして多くのプロジェクトを経験

・KPMGコンサルティング株式会社に転職
 シニアコンサルタントとしてジョイン
 製造業を中心に複数のSCM案件に参画

・アビームコンサルティング株式会社に転職
 マネージャーとしてジョイン
 製造業を中心にSAP関連プロジェクトに参画

・株式会社Izulに転職
 副業のフリーコンサルタントとして活動する傍ら、
 同社キャリアアドバイザーとして従事

著者プロフィール

Izul広報チーム

Izul広報チーム

株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

Twitter

Facebook

LINE